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アクチュアリー試験【会計解説】平成29年問題5(4)

試験直前になって「今年はKKTをあきらめて数学に専念します」など、SNSなどで目にします。働きながら勉強している人など、勉強が間に合わないと感じる人もいるかもしれません。

しかし、何とか頑張って試験だけは受けて欲しいと思います。なんとかあきらめないで欲しいと思っています。

試験会場で問題を解くという経験は年に1回しかできません。アクチュアリー試験は二次試験まで考えると長丁場になりますので、経験は必ずプラスに働くと思います。

問題5(4)は組織再編に関する問題です。組織再編教科書P263から記述されており、会社の合併株式交換と株式移転会社の分割それぞれについて設例を用いて解説されています。
本問は、設例11吸収分割に関する問題となっています。

組織再編に関する論点は重要で、ここ近年のアクチュアリー試験でも頻出となっています。

組織再編ですので当然に複数の会社が登場します。それぞれの会社の立場に立って状況を整理することが大切です。
本問では、B社における仕訳が問われています。B社の状況を整理してみましょう。

まずB社はa事業を得るために、交付後におけるB社の発行済株式の10%に相当する10,000株を発行しています。
この状況から、B社にとっては取得となります。
つまり、B社は10000株(200万円)でa事業を買ったような状況となります。

(参考)
例えば、交付後におけるB社の発行済株式の60%に相当する場合は、A社がa事業を使ってB社の60%を買ったという状況になるため、この場合は逆取得となります。
(設例11 ケース3)

次に、B社にとっては取得になるため、パーチェス法によって会計処理をします。
そのため、引継ぐ資産と負債は時価で計上し、対価との差額はのれんとして処理します。

仕訳
 (借) 諸資産 500万円 (貸) 諸負債 350万円
     のれん   50万円     資本金 200万円


過去問などで企業再編の質問を受けたときによく感じるのは、結局何が起こっているのかが読み取れていない人が多いことです。
教科書P263図表11-4の6通りの諸形態について、設例に基づいて、それぞれの会社で何が起こっているのか整理してみましょう。


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