謎の金正恩=ラブロフ外相会談、「東京発」で伝えるタス電の不思議
◆ロシアのラブロフ外相、10月18日夜に電撃的に北朝鮮入り
ロシア外務省が19日夕刻、北朝鮮を訪問しているラブロフ外相が「金正恩」総書記と会談したと発表した。一方、我が国のメディアは「会談の中身については明らかにされていない」ともしている。
「(記事添付の動画は)日本時間の(19日)午後5時半にロシア外務省が公表した会談の模様で、北朝鮮の金正恩総書記とロシアのラブロフ外相が笑顔で握手を交わしています。ただ会談の中身については明らかにされていません。…ラブロフ外相は18日夜、中国の北京を経由して北朝鮮に入りました。19日は金総書記との会談に先立って北朝鮮の崔善姫外相と会談し、9月にプーチン大統領と金総書記が両国の関係強化に向け合意した内容を確認した上で協定文書に調印したということです」
(参考)「訪朝の露ラブロフ外相、金正恩総書記と会談」2023/10/19 19:10 日テレNEWS ※会談の動画添付記事
「金正恩」氏が9月にロシア極東地方を長期にわたって訪問し、宇宙基地や軍用機生産工場などを視察しプーチン大統領と会談したこと、それ以前の7月下旬にはロシアのショイグ国防相が招かれて北朝鮮の「祖国解放戦争戦勝70周年記念イベント」に参加し、「金正恩」氏と4度にわたって面談していることなどを踏まえると、上記で言われる「両国の関係強化に向け合意した内容」には軍事協力が含まれることは間違いない(しかし、直接的な軍事協力はロシアも安保理常任理事国として賛成して成立した北朝鮮とのそれを禁止した安保理決議に反することになるので、表だってやることは出来ないだろう)。
一方、「金正恩」=ラブロフ会談を伝えたタス通信記事(東京発)は、次のような内容を伝えている。東京発であるのが、意味深である。
<「戦略的相互信頼関係」に基づき両国で国際情勢に対応…>
「【東京、10月20日、タス通信】 朝鮮中央通信が伝えたところによれば、朝鮮民主主義人民共和国の指導者である金正恩氏とロシアのセルゲイ・ラヴロフ外務大臣は、地域レベル及び世界レベルで複雑な様相を呈している現在の状況に対して、北朝鮮とロシアが『戦略的相互信頼』に基づいて、『イニシアティブをもって対応していく』ことについて協議した」
「朝鮮中央通信は、『金正恩同志とセルゲイ・ラヴロフ同志との会談において、両国にとって重要な問題について協議が行われ、意見の一致を見た。その問題には、地域レベル及び世界レベルで複雑な様相を呈している状況に対して、北朝鮮とロシアの両国が、政治的・戦略的な相互の信頼に基づいて、イニシアティブをもって対応していくことのほか、すべての分野における両国関係を全面的に拡大させていくことが含まれる』とし、会談は友好的かつ和やかな雰囲気のなかで行われたという」
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