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「女性天皇こそ時代の要請(6問6答)」⑤ 小田部雄次名誉教授が解明~「女帝の世紀」…古代は女帝が活躍した時代


【画像① 飛鳥浄御原令を制定し、藤原京、天武天皇創建発願の薬師寺を建立、律令国家を完成させた第41代持統天皇(645-703)。古代の律令国家形成時に果たした6代8人の女性天皇の役割は大きい。百人一首の札に描かれた持統天皇…「春過ぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の香具山」(『新古今集』持統天皇歌)。】




2月18日にYouTubeチャンネル「古是三春_篠原常一郎」でライブ配信した静岡福祉大名誉教授・小田部雄次先生の「女性天皇こそ時代の要請
内外に誇れる敬宮愛子さま」は大変に好評を博した。この番組では、従来の小田部先生が出演された対談同様にあらかじめお見せしておいた質問について、きちんと検討した分かりやすい回答を準備して臨んでいただいた。


この度も、6問の質問に対し、それぞれ時間をかけて丁寧に回答していただいている。この度、この番組のために小田部先生が用意していただいたメモを再編し、問答式の記事にまとめたので、以下に提供したい。国会では、皇室典範改正に関して水面下のすり合わせのような協議が始まっているが、「男系男子継承」をそのままにしていては、遠くない日に本格的な皇統の危機を迎えかねないことに目をつむり、「公務のための皇族数確保」と称して「女性皇族が結婚後も皇籍に残れるよう検討する」など、本質的ではない問題でお茶を濁している始末である。


「女性に生まれた皇族は、天皇の直系長子であり資質があっても皇位継承できない」というおよそ理不尽な明治時代以降の典範の規定を改正させ、国民の多くが望む敬宮愛子内親王の立太子への道を開くには、多くの国民が「女系、女性天皇」容認の歴史的・現実的正統性を認識し、声を上げることが必要な局面だ。



【画像② 静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次先生の専門は日本近現代史(皇室制度、華族制度)。特に女性皇族に関しての研究、評伝の著作が多く、写真はその1つ『一筋に誠をもちて仕へなば昭憲皇太后・貞明皇后』(ミネルヴァ書房 ミネルヴァ日本評伝選)。】




この問題の理解を進めていくために、本シリーズはこれまでに掲載してきた関連記事(「小田部雄次先生がざっくばらんに答えます」(第1~第14回)、「小田部雄次先生に聞く」(①~⑤)他)と合わせて、広くお読みいただきたいと思っている。また、今後、地方議会での「皇室典範で女性天皇を認める改正をもとめる意見書」の採択の運動を広げるため、小田部先生から提供していただいた内容を学ぶ運動も起こしたいと考えており、その面で勉強会開催を希望される方は、ぜひ連絡メール/furuzemitsuharu@gmal.com

までご連絡いただきたい。


(参考映像)「【敬宮愛子内親王殿下】 女性天皇こそ時代の要請 内外に誇れる敬宮愛子さま 小田部雄次教授(静岡福祉大学名誉教授)」2024/2/18

https://www.youtube.com/live/9M9rNsVdc18?si=sgNfPBCVKJm963wi


以下、5番目の質疑応答をお届けする。



◆質問⑤




歴史上に存在した女性天皇について、「中継ぎだ」「その時の状況に応じた間に合わせ」だと言われるのを頻繁に耳にします。どの女性天皇の代でも、それぞれの時代で重要な役割を果たしたのではないでしょうか?


例えば、重祚した方は上皇になるなどして、後継の若い天皇を指導しました。あるいは、その後継を退位までさせて、自分が再び皇位に就く例もあります。したがって、女性天皇は積極的に影響力を行使しているように思えます。


こうした女性天皇おひとりずつについて、簡単にでもその事蹟、歴史的な役割について教えていただけますか?



【画像③ 43代元明天皇は42代文武天皇、44代元正天皇の母であるが、女性天皇から女性天皇への女系継承が元明から元正へと行われている点が注目すべき点だ。元正天皇は草壁皇子が父であることから男系ともされるが、母子の皇位継承という点は否定できない。】

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