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日本共産党の”不倫ダブスタ”~他の幹部は党追放なのに、なぜ穀田恵二氏は不問なのか? 元党幹部・鈴木元氏が再論


【画像① 国会内での穀田恵二国対委員長、田村智子党委員長、小池晃書記局長、志位和夫議長。結局、それぞれがお互いに”腹に一物”あるだろうなあ、と…。】



◆反響をよぶ18年前の”公金不倫”事件、日本共産党衆院議員・穀田恵二氏への再告発


本noteで3月21日配信の「除名された日本共産党京都府委員会の古参幹部=鈴木元氏があらためて同党の『不倫問題』ダブルスタンダードを指弾する手紙…」は、各方面で波紋を呼んでいるが、日本共産党本体は表面上”平穏”を装っている。しかし、裏側にまわると党内では、執行部に対する疑問の声も上がり、それが回りまわって鈴木氏のもとにも届いているようだ。


実は、穀田氏の党差し向けの自動車や秘書を使っての「愛人との逢引手配」発覚に先立って、かつての同党大幹部で3期参議院議員を務めた故・市川正一氏(1923-2008)が2000年5月に不倫発覚を理由に党を除名されている。市川氏は、かつてのカリスマ的最高指導者・宮本顕治氏(1908-2007)の側近のひとりで、党副委員長、常任幹部会委員を歴任していた。


「週刊新潮」が参議院議員宿舎に入っている食堂の30代の女性職員が不倫関係にあったのに、金銭問題などで市川氏ともめたことで世間的には発覚したのだが、どうも女性側が共産党本部を訪れて全てを洗いざらい打ち明けたことも筆者(篠原)は記憶している。「新潮」の記事は既にネット上には見当たらなかったが、いずれ図書館などで探し出してみたい。




【画像② なぜか故・市川正一氏の写真はほとんど見つからない。党幹部として党員向け学習本の帯に残された写真しか、ネット上では見つけられなかった。市川氏は、1980年代頃、幹部国会議員として目立つ人であったが、90年代以降はほとんど目立つ場所には現れなかった。議員引退した後、かつて公設秘書だった筆坂秀世参院議員(当時)を訪ねてきたことがあり(98年頃)、筆者もその時が唯一会った経験であった。】


問題は、この市川氏がたちどころに除名されたのに、穀田氏は関係秘書からの告発やその後の検察関係とのやりとりで不倫が事実であることを否定できなくなったのに、一切不問にされ、その後の秘書(早川幸男氏)の告発本が出ても反論すらせずに10年以上無視し、いまでも衆院議員の残り任期を務めているという党のダブルスタンダードな対応だ。この点について、鈴木元さんが「若干の補足」として論考を書かれた。「若干の補足」なんてタイトルをつけられると、かつての共産主義理論家の著作を彷彿とさせ筆者などは心がやや踊るのだが、内容は引き続き志位・田村体制の日本共産党最高指導部の無責任な対応に刺さる鋭いものとなっている。


以下、鈴木さんから寄せられた論考をそのまま、掲載する。理解の助けになるよう、筆者の責任で見出しはつけた。



◆穀田恵二氏の不倫問題、若干の補足 2024年3月23日 鈴木元


(1)市川正一・元参議院議員・幹部会副委員長は不倫問題で除名、穀田氏はそのまま、志位・田村指導部はどう説明するのか

 

先日(3月20日)の私の穀田氏の不倫を巡っての論考を読んだ人から、「その直前に市川(正一)氏は不倫を理由に除名されたのに、何故穀田氏は除名されなかったのですか」という意見が寄せられた。そうなのだ、私は忘れていた。

 

元参議院議員で幹部会副委員長であった市川正一氏は2000年12月27日付けの赤旗に除名の告知が掲載された。理由は不倫であった。ただ除名処分は5月に行われたのに赤旗に除名告知が掲載されたのは12月であったために、当時「さざなみ通信」などで「何故発表が遅れたのか」「任命した委員長の責任は問われないのか」と問題にされていた。



<スキーを通じて市川正一氏と懇意だった私>

 

市川氏は登山とスキーが趣味で当時開催されていた赤旗スキー祭りの実行委員長をしていた。私は京都の代表として参加していて市川氏と懇意になっていた。毎回、奥さんと一緒に参加していて夜の懇親会も同席していて「仲の良い夫婦」だと感じていた。その彼が急に消え不思議に思っていたところに不倫が理由で除名されたと聞いて「あの市川氏が」と驚いた。


人に潜んでいる闇は分からないものだ。穀田氏は国会質問は必ず連れ合いに読んでもらい意見をきくなど絶対的信頼を寄せていた。しかし同じく不倫したのに市川氏は除名、穀田氏はおとがめなしは分からない。



<求められる規約の平等な適用~志位和夫・田村智子指導部は納得できる説明を>


党規約は全ての党員に平等に適用しなければならない。志位・田村指導部は全党に納得できる説明が求められている。なお誤解があれば良くないので一言補足しておくが、私は不倫=除名すべきとは思っていない。慎重に事実をよく調査し、その内容に即した対応をすべきだと考えている。問題は共産党は市川氏は不倫を理由に除名処分したが、穀田氏については不倫の事実がなかったかのようにふるまっていることである。




【画像③ 鈴木元氏。党除名後、記者会見に臨む。著作『志位和夫委員長への手紙 日本共産党の新生を願って』(かもがわ出版)を出すにあたって、出版社編集長である松竹伸幸氏(著書で共産党党首公選制を主張)と実務上の相談をしたことを、「党が禁止する分派を形成した」と見なされ除名された。】



(2)穀田氏の不倫は検察によって認められ社会的に確定していることである。

 

当時も今も共産党側からは、穀田氏の不倫については2006年年11月2日の「赤旗」での穀田氏が会見しているように「腐敗分子早川(幸男)氏による事実無根の主張である」としている。「早川氏による言い分だけを根拠に穀田氏の不倫を論ずるのは問題だ」としている。



<穀田氏、「不倫暴露」の「新潮」と元秘書・早川幸男氏を刑事告発も不起訴~事実上、不倫の事実確定へ>

 

私は早川氏の言動だけを下に穀田氏の不倫を論じていない。むしろ逆で穀田氏の言動から彼の不倫が争う余地のない事実だと論じている。20日付け文書で書いたように、穀田氏は早川氏が提供して書かれた「週刊新潮」(2006年11月9日号)の記事は「事実無根」として2006年11月に早川氏等を名誉棄損で東京地検に刑事告訴した。しかし2007年10月に不起訴とされた。


「赤旗」では刑事告訴したことは報道したが、不起訴になったことは報道しなかった。しかも決定的なことは穀田氏は検察審査会に再審査請求しなかったし民事訴訟も起こさなかった、つまり穀田氏は検察の不起訴(不倫があったとの認識)を認めたために不倫は社会的に確定したのである。


しかし今になっても共産党は不起訴になったことや、穀田氏が再審査請求を行わなかったことなどを公表していない。そして早川氏が2013年に、穀田氏とS・S女史との不倫を詳細に「鮎とビク」と言う題名で電子書籍を出版したのに対して、共産党や穀田氏はそれを反駁しなかったことも、逃れられない不倫事実として認めたことになる。

 

当時共産党・穀田氏は「腐敗で除名された早川が、恨みから事実無根の穀田不倫というデマを振りまいた」としていた。しかし順序は逆である。早川氏が穀田氏の不倫を機関に報告し相談した後で、早川氏は秘書を解任され乙訓地区委員会に配置された。その後に腐敗を理由にして除名された。そして早川氏が「週刊新潮」に「ビク(女史)から鮎(穀田氏へのメール」を提供したのは、それよりさらに後である。



<不倫の手助けを前任秘書から引き継がされた早川氏>


共産党や穀田氏が言うように早川氏が腐敗によって除名されたとしても、それによって穀田氏の不倫の事実は消えない。なお付言すると早川氏は前任の秘書から愛人のことについて聞かされ会い引きの場所へ抜かりなく運ぶことの引き継ぎを受けていたそうである。

 

私が問題にする重要なことの一つは、共産党員でも不倫をするものは現れる、そうした場合、社会的階級的道義を説く共産党は市川氏に対して取ったように対応すればよい。問題は穀田氏に対しては処分せずにかばってきたことである。ここが今、共産党の体質として問われているのである。もし共産党や穀田氏が私が早川氏の言い分だけで根拠なき不倫説を論じているというなら、私を相手に反駁すれば良い。裁判所で対決しても良い。私は受けて立つ、穀田氏は既に社会的に確定している不倫の事実を再び「不倫は事実無根」と法廷で私と争うことが出来るのかである。



<弱みを握られ、かつての友人である私を攻撃させられているのか?>

 

もう一つは先日に書いたが穀田氏が突然国会における記者会見で私を攻撃したことである。私の推測では穀田氏は不倫の事実を攫まれている人物に鈴木攻撃を言わされたと思っている。穀田氏が事実を明らかにし、私に非礼を謝罪するなら私は命をかけて闘った戦友である穀田氏を許すつもりである。人生晩年になっているのである。もうじき降りる国会議員・国対委員長・常任幹部会員などの肩書に固守せず、誠実に正直に生きることが精神の安定になると思うが、いかがなものか。



<穀田氏未処分は、共産党の体質が問われる問題>

 

自民党はパーティー券の売上金を収入として記載せずキックバックしていた。政治資金規制法違反であるし脱税行為である。見つかった時に該当者を処分すれば良かったのであるが、安倍派のように組織ぐるみで行っていたので処分できず自民党の金権体質が問われているのである。それを追及する共産党が穀田氏の不倫問題を処分しなけば、共産党の体質が問われるのである。その点では不倫していた市川氏を除名処分した2000年当時より今日、共産党の幹部擁護の腐敗は進んでいると言わざるを得ない。

 

以前に書いたように市田(忠義)副委員長は自らの「規約と党建設」の本を「赤旗」に四段抜きの広告をださせ、全国47都道府県委員長に「私も推薦します」と書かせるなど党私物化を行ってきた。そして今回の党大会まで20年間にわたって毎日自宅から党本部まで中央委員会の運転者付の乗用車で通勤していた(配車表を入手している)。まさに「赤い貴族」である。政党の党首の年間収入において志位氏は自民党の岸田氏に次いで2位である。不破氏に至っては中央から派遣された住み込みのコック・運転手・管理人を使って暮らしてきた。これらの特権を守るために「革命党の組織原則」を言い募り実質役員選挙を行わず、自分たちで後継者指名してきた。その結果、91歳の浜野忠夫氏が人事局長、その下に81歳の市田氏が人事局長代理という超高齢老人が支配する党になってしまった。この不破+三役+国会対策委員長はお互いの特権・腐敗をカバーしあう体制を作ってきたのである。




【画像④ かつて日本共産党指導部は「不破哲三議長、志位和夫委員長、市田忠義書記局長」の”三頭体制”だった時期があるが、この時は不破氏とその腰巾着ぶりを発揮した市田氏による挟み撃ちでの陰湿な”いじめ”で志位氏が神経を病むに至っている。】


(3)他人には厳しく、嘘をついても自分には甘い共産党

 

先に記したように、穀田氏は3月12日の記者会見において、自民党青年局の会合において肌を露出したダンサーたちを参加させた懇親会に参加した議員は辞職せよと主張した。私は青年局の会議の後の懇親会にそのような女性を呼ぶなどは間違いであると思う。しかし「参加者は議員を辞めろ」とまで言うなら「それなら貴方はどうなのだ」と論じた。

 

ところが、その後、京都において3月19日、堀川あきこ副委員長、井坂博文衆議院一区予定候補者、石村和子女性部長らが自民党京都府連へ抗議文書を持って行き「府民への謝罪と参加した議員への処分」を求めた。「京都民報」の取材に応じた中島府会議員は「ダンサーが招かれていることは知らなかった。その場で、えっと思い、困惑した。主催した和歌山県連の関係者には、これはどうなのかと伝えた」と語っている。



<「正義と清潔な共産党」はウソとなる>


主催した和歌山県の自民党青年局長はNHKのインタビューに応え「サプライズにするため。各県にはあらかじめ彼女らを呼ぶことは伝えていなかった。迷惑をかけて申し訳なかった」と語っている。共産党京都府委員会のメンバーが、参加者にたいして処分を求めたことは、穀田不倫問題を知らない府民に対して「正義と清潔な共産党」を売り出すためであろうが、良く調べればやりすぎだったと分かるだろう。そして穀田氏の不倫は不問に付していることが明らかになれば府民から顰蹙を買うだろう。

                                     

取り急ぎ以上



…私は10年以上前、穀田氏の元秘書だった早川氏から「愛人を自動車で迎えに行き、逢引場所に運ぶ仕事は前任秘書から引き継いだ党の仕事」と聞かされて唖然とした。「そうすれば、穀田氏はイライラせずに党の任務にあたれる」という馬鹿げた理由を申し渡されたとのことだ。要するに共産党が穀田氏に愛人をあてがっていたということなのだ。それも党のカネと人を使って!こういう組織的背景があるから(どうも市田忠義氏が率いていた京都の党組織独自の動きだったようだ)、穀田氏を処断出来ないでいるのだろうと推察しているところだ(篠原)。


(了)

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