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【なんだかんだ】セリエA 23-24 第20節モンツァvsインテル レビュー

こんにちは!TORAです🐯

今回はシーズン折り返し!セリエA第20節モンツァvsインテルのレビューです。


●スターティング

●前半-序盤の大局

モンツァはハイプレス封印、構えるミドルセット。インテルがボールを持ち、押し込む展開で開幕します。

モンツァの基本アプローチは実に明確でした。

ミドルセットのベース

✔︎チャルハノール番は主にカルボーニ。カルボーニが出ればモタが交換。
✔︎左CBバストーニはコルパーニが監視。しっかり前にも出る
✔︎対して右CBパヴァールは離す。ボール持って良し

デ・フライとパヴァール。負傷離脱復帰組にボールを誘導する合理的なやり方。

その上で特徴的だったのは両WB

もちろん対面のインテルWBを見ますが、徹底した内切りの位置取り。縦突破されても中で跳ね返せばイイ!というスタンスだったでしょう。モンツァ目線で離した右サイド、WBダルミアンは縦突破できるタイプではないのでこれまた合理的と捉えることができます。

このスタンスはめちゃくちゃ明瞭で、平均ポジションデータにもしっかりと現れていました。

前半の両チームの非保持平均ポジション@セリエA公式

左がモンツァ。21番カルボーニがチャル番で中にいること、対して28番コルパーニはやや開き気味。そして両WBは極端に中央に絞っていることが分かります。

が、机上の理論で終わってしまった序盤。

インテルの回答は「上等じゃねぇか」。誘いに乗るかの如く、預けやすいパヴァールと両WBにボールを集めます。

パヴァールはスペースあるなら運ぶよ?とキャリーした…と思ったらテュラムに裏抜けパスを送ったりとレパートリーを披露。

ディマルコは得意のユニット形成とフリーランニング、使ったり使われたりで奥を抉ってくれました。

そして、図解で言及したいのがダルミアン

インテルはパヴァールにボールを持たせるだけでなく、バレッラもしくはチャルハノールとの入れ替わりも発生させ、基準点を乱しにかかりました。

ここで良い中継点となっていたのが僕達を魅了し続けるイケメンです。

中継点として機能するダルミアン

ボールを持ち、周囲の動きを待ち、角度を選んでパスを出すことでペレイラの内切りを無効化。モンツァは距離を空けてしまったことで、プレーの余地を与えてしまいました。

いとも簡単に前進を許したモンツァはローブロックを強いられる羽目に。水際で喰い止めても、クリア少なめで自陣深くでも細かいパスを回す丁寧なビルドアップは矜持こそ感じましたが、インテルのカウンタープレスにターンを譲り続ける温床に。

インテルの押し込みフェーズが続く。これが序盤の大局でした。

●前半-大局無視の得点

そして僕たちのガリオオオンがやってくれました、PK献上の恩返し弾。直後にラウタロが追加点。2分間で2ゴールを叩き込みました。

この2ゴールは、今季インテルを象徴っぽいな、という感想。

PK先制点の引き金となったハンドの要因は、パヴァールの縦パスから右サイドをローテーションしてクロス。バレッラがCB、ダルミアンがIH、パヴァールがWB的な位置で綺麗な回転でした。

追加点はビルドアップやり直しで引き込んでから、デ・フライとチャルハノールの縦の入れ替わり(+デ・フライの鮮やかな切り返し)で一気に盤面をひっくり返した『リモーネボール🍋』。

そう、押し込みフェーズが続く中、得点に繋がったのは自陣からのビルドアップ

大局は存在しても、流れを汲まない別の手段で得点を決めてしまう力は相手からしたら厄介この上ないでしょう。これがつまり、良い意味での再現性の薄さ

2点のリードを得て、すかさず出力ダウンで構えるモードに切り替えたしたたかさも◎。

しかし、”大局あってこそ”の得点も欲しかったのが前半のもやもやポイント。押し込み時にそのまま圧殺する、構えてのカウンターで蜂の一刺し。2点取ったとはいえ、更なる得点の芽は複数ありましたからね。欲張りではないのです。

セットプレーで半分失点しましたが、全体的には一方的だったと評価できる前半。「決めるべきシーンや時間帯で決めきれないとこうなる」、税金はもう納めておりますので、おかわりはご勘弁頂きたい。

●後半-ソリューション導入

後半頭、モンツァは2枚の交替策。

左WBチューリアとCHボンドを下げ、左WBキリアコプロスとCFコロンボを投入します。基本配置は4-2-3-1に変更。インテルからローン中のカルボーニは左から右にお引っ越し。

後半からモンツァは4-2-3-1に

攻撃力増強のためにシンプルにアタッカーを増やしたという大前提の上で、パッラディーノ監督の企図は人への噛み合わせと考察。

前半は目論見外れ、許容した部分から崩れていったのでその修正でしょう。プレスも前から行くようになり、リスクマネジメントはありつつも、マンツー風味でマーカーの解像度を上げました。

インテルは引き続き構えて、人を離す側面を強めます。「出てくるでしょ、なら安全に守ってカウンター狙いますよ」様式。

必然、モンツァの保持時間が増加します。最も好んだ形は以下の通り。

後半の主な設計

✔︎ビルドアップ隊はCB 2枚、中盤底2枚で形成
✔︎左サイドは外に引っ張り、あまり人のリソースを使わず
✔︎対して右はアタッカーのカルボーニを寄せて、中央やインサイドで三人称形成
✔︎ペレイラはビルドアップ補助と大外のアイソレーション兼務

残念。僕達のガリアルディーニCBショーが終わりました。

ちなみに前項で触れませんでしたが、ボール保持ではCBプレー良かったですよ。所謂”逆サリー”、CBが中盤に上がるムーブで前進の角度作っており、この辺の空間認知は変わらずGOODだな、と。ボールスキルは変わらずNO GOODでしたが。

話を戻すと、「インテルが引いたから」という枕詞を付けても、前半と比べて間違いなく改善されたと評価。4-2-3-1へのシステムチェンジは見事ソリューションに。

特にカルボーニは明らかに良いボールタッチを増やし、ライン間で嫌らしくボールを持ちました。

右SBが物理的に大変なので、58分という早い時間にビリンデッリに代えたことも好手だったと見ます。流石、パッラディーノさん。

ただ、そこからカオスやバグを発生させるまでには至らず。

先輩バストーニの壁が高かった上、最後にはアチェルビが「やぁ🙌」しますからね。そう、今日は全休でよかったはずのベテランを投入させた目的は万が一にもの可能性を潰すリフレッシュ目的にあったと見ています。流石、シモーネさん。 

この一連が示すように、どちらかと言えばモンツァの期待値が高かったのは右側だったと思いますが、一矢報いたのは左側

モタのキャリーカウンターをダルミアンが引っ掛けしまいPK。前節ヴェローナ戦は厳しい判定だったと思いますが、今回は明確なファールですね(モタがオーバーリアクションだったけど)。

●後半-なんだかんだで

時間を戻して、モンツァ反撃の9分前にインテルは3点目を挙げました。

セットプレー由来とはいえ、実況の八塚さんをして「抜群のハーモニー」と言わしめたロングカウンターは、2点目以降に描いた青写真の結実

1-3となり、ややインテリスタの笑顔が引き攣るも表情を戻してくれたダルミアンのイケパス(イケメンが送るイケメンのパス)からフラッテージがフラッテージランをして今宵3度目となるPK発生。これをラウタロが決めて、モンツァに連続ドッピエッタ。

トドメはラウタロの単独追い込み漁からムヒタリアンがポジティブトランジション発生、そしてテュラムのビューティフルショーで、1-5の閉幕。

前半は2点差ではあるものの、内容と結果が紐付いているとは言い難かったですが、”なんだかんだ”できちゃう地力が炸裂したことで帳尻合わせ以上の後半となりました。

うん。

シーズン序盤から分かっていたことですが、我が軍は多少火力を落としてもいいので、自滅せずにどこまで安定させるかですね。本当これに尽きる。

シーズンを折り返したばかりですが、ここからスーペルコパラツィオ戦を挟み、好調フィオレンティーナ、天王山になるであろうユヴェントス、ホイッスルローマ戦ともはや悪意の感じられる山場が続きます。

その山登りの直前に本節のような勝ち方としたのは意義深いでしょう。今季のチームは「ウェーイ🤘」な奴らが多いので、きっとこれをビッグウェーブにしてくれるはず。

超がんばれ!インテル⚫️🔵

最後までご覧いただきましてありがとうございました🐯

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