見出し画像

【パーカーください】セリエA第24節インテル-ミラン プレビュー

こんにちは!TORAです🐯

今回はセリエAフリークス乗っかり企画!!!

セリエA第24節インテル-ミラン!
来るミラノダービーのプレビューです!

今や、我らセリエAフリークスの週一の楽しみである『セリエAフリークス』に乗っかった内容でお送りします!

なんと3週分に渡る超ボリューミーな内容でしたが、本記事ではポイントを2つに絞り、プレビューを進めて参ります.

●ミランのビルドアップvsインテルの前からプレス

○インテルの攻撃設計vsミランの守備設計

というわけで、セリエAフリークスのミラノダービー特集前提の内容なので未読の方はもちろん、視聴済みの方もおかわりしましょう!
視聴回数稼ぎましょう!

●ミランのビルドアップ-ピーキーさを活かす柔軟さ

細江克弥さん曰く、ミランは”型を持たない”ビルドアップ。

「いやぁ〜これ以上ない表現!」だなと思いました!
えぇ、乗っかる上に太鼓持ちもしますよ。

ミラノダービーの炎が盛り返した19−20シーズン。

ミランのビルドアップは2CB+2ボランチの多角形構成を軸に、他の選手たちがサポートという肉付けをする印象でした。

画像5

✔︎例えば、左SB(テオ・エルナンデス)が上がり、左ボランチ(ケシエ)がビルドアップを担保する

そこから、片側SBがCBと横並びに残り、逆側SBがさらに高い位置を取る。
つるべ式の可変型ビルドアップも主力武器に昇格したイメージ。

勝敗こそクッキリ現れてしまいましたが、昨季後半戦のダービーはそんなミランのビルドアップの使い分けがしっかりと見られましたよね。

私見ですが、今季のミランのビルドアップの強みは、つるべ式ビルドアップが両サイドともに威力を発揮することで臨機応変力が高まったこと、と思っています。

画像6

✔︎攻撃力がウリのテオをあえて、最終ラインに残らせ、逆サイドのカラブリアを高い位置に持っていく

もちろん「以前は全く右SBが上がることはなかったよ!」ということはないんですが、明らかにオプション→ベースに繰り上がった感があります。

ミランの左サイドはレオンとテオの聖域。

セリエA随一の破壊力なので彼らを押し上げるべきなのでは?と思いがちですが、むしろ彼らの質的優位を活かすために片側に寄せて、逆サイドにスペースを作る。

所謂アイソレーションで彼らにスペースを与えることが局面打破の最高火力。

これを裏付けるか如く、ミランは”ドリブル突破試行数”がリーグ断トツ1位

画像7

・”ドリブル突破試行数”ベスト3、ワースト3位(23節時点)
1位ミラン:436回
2位ウディネーゼ:377回
3位サッスオーロ:363回
ワースト3位カリアリ:240回
ワースト2位インテル:238回
ワースト1位サンプドリア:221回
※回数の多い少ないは良し悪しではありません。
FBrefを参照

ドリブル=突破みたいなイメージもありますが、実際のプレーに落とし込んだ際、ドリブルはキャリーが9割以上を占めます。
運ぶドリブルってやつですね。

運ぶではなく突破となると、”なるべく優位なシチュエーションでの1対1”が基本的に必要。

したがって、多い少ないはチーム戦術。
チームとしてどう攻めたいかを測るひとつの指標となるというのが僕の考えです。

せっかくなので、選手個々の順位も出してみました。

画像7

・選手個人の”ドリブル突破施行数”ランキング(23節時点)
ミランは最多4選手がランクイン。
崩しのキーマンであるレオンはリーグトップの値です。
FBrefを参照

ちなみに昨季のミランは”ドリブル突破試行数”がリーグ3位(666回)、レオン個人はリーグ64位タイ(54回)。

今季ミランがどれだけドリブル突破を志向しているか。レオンを重宝しているのか。
ハッキリとお分かり頂けたかと思います。

このデータで何が言いたいかというと、今季のミランって最終局面はピーキーだと思うんです。
型は狭いけど、とにかく瞬間火力が高い

昨季はピーキー=コンテインテルが代表格だと思っているのですが、今季はミランだと主張したいです。

圧倒的な『単騎力』を持つレオンとテオ・エルナンデス。

彼らの質的優位を生み出せるプロセスをカウンターだけでなく、ビルドアップでも確立している点が今季の強みでしょう。

個の仕掛けを促す柔軟なビルドアップ

右から組み立て、左で崩す。

これを警戒すれば、その逆。

左から組み立て、右から崩す。

この臨機応変さがあるのも上記のデータ、サーレマーケルスのドリブル突破数の多さ(リーグ9位)が証明しています。

ビルドアップにフォーカスしましたが、最前線のイブラヒモヴィッチやジルーのポストプレーが効いている側面も取り上げないわけにはいきません。

前者は運動量やブラヒム・ディアスとの連携、相互作用云々、ミラニスタの間でも賛否があり、議論しがいがあるかと思いますが、僕はどシンプルに『ポストプレーが持ち味の選手』は現状欠かせないと考えています。

●インテルの前からプレス-バレッラどうする?

そんなミランのビルドアップに対して、インテルはどう出るのか。

最大焦点はバレッラ

最も分かりやすいのは「バレッラがどう動くか」でしょう。

インテルの前からプレスは相手が3バックだろうと4バックだろうと、バレッラが上がることが基本軸

対面の中盤選手だけでなく、相手の左SB、左WBに彼がプレスを仕掛ける姿はインテリスタお馴染みの光景ですね。

画像8

✔︎ラウタロは左サイドを切りつつ、ボールホルダーに圧をかける
✔︎右に追いやって、バレッラとブロゾヴィッチが面で囲う

相手を動かし(インテル目線で)右で奪い取ってのショートカウンターが理想ですが、バレッラからアクションすることで、あえて左から攻めさせて絡め取ることもできる。

ここがシーズン序盤との大きな違いでしょう。

しかし、セリエAフリークスで細江さんも言及していましたが、ミランってこの形が出来るんですよ。

画像9

✔︎メニャンから前プレを超えてパスを付けれる

図解にするとなんだかどシンプルですが、メニャンのキック精度、中盤の選手たちの細かく的確な位置取り。どちらも不可欠な形です。

これを当然としている点は評価しないわけにはいきません。

前回のミラノダービーは全体を通して見れば、贔屓目なしにインテル優位だったと見ています。

が、ビルドアップにはかなり手を焼いており、”ボールを進められた”という事実は疑いようがありません。

画像9

・前回ダービーのボールタッチ割合比較
総タッチ数はわずか17回差。ニアリーイコールと言っていい僅差。
アタッキングサード、つまり前線でのタッチ割合は同率ですが、中盤と自陣深くでのボールタッチ割合の差が目立ちます。
要は「ミランはインテルよりも中盤でのプレーが多かった」=「ボールを進められていた」ということが窺えます。
FBrefを参照

まぁ、インテルは「前からプレスがうまく行かなかった!」だけでなく、「あえて行かなかった!」という側面もあったかと思います。

あの試合のインテルは保持非保持ではなく、トランジションの局面にフォーカスしていた印象ですし。脱線するので割愛しますが。

本項でお伝えしたいのは

バレッラがどこまで付いていき、どこから引き渡すのか?

そもそもどこまでバレッラが上がるのか、設定は?

そして、その選択が効果的か否か。

画像10

キックオフからの注目ポイントです!ということです。

○インテルの攻撃設計-横関係じゃないツートップ

今季のインテルはフォーメーションこそコンテ政権と変わらずですが、中身は全く異なります。

数多く存在する要素の一つに「ツートップが横並びでない」ことが挙げられます。

昨季はルカクが右、ラウタロが左。
流れの中やアクセントでポジションチェンジする場面もありましたが、コンテの戦術上、ルカクが右であることは絶対条件でした。

今季は左右ではなく、斜めや縦という概念が幅を利かせています。

ツートップの一角が降りる動き

セリエAフリークスで細江さんが仰ったようにツートップが降りてビルドアップに絡み、ビルドアップユニットとアタッキングユニットを繋ぐ役割を果たします。

画像11

✔︎ビルドアップは3+1+1
✔︎ツートップ片側が降りて、中継役に

オールドカルチョを想起させるが如く、徹底的にドン引いた23節のヴェネツィア。
インテルはかろうじて勝点3を拾う結果でした。

しかし、内容としては4-1で圧勝してもなんら不思議ではなかったわけですが、理由はこの設計がビルドアップだけでなく最終局面でも脅威であること。

コレアは負傷中ですが、その分サンチェスが好調(代表で疲れてませんように)。彼は今、THE・ジョーカーです。

ジェコとサンチェス両名の降りる動き、楔となるプレーは攻撃の肝。

前任のルカクは加速器でしたが、現任はさながら変換器

彼らがスイッチになることでポジションに囚われない動的配置が活発化され、相手の守備に混乱をもたらします。

画像12

・ボール前進パスを受け取った回数ランキング(チーム内1試合平均、23節時点)
1位サンチェス:9.51回
2位ジェコ:9.31回
3位コレア:8.03回
なんと上位3名が『降りる役』の選手。いかに彼らが降りたときに縦パスが入っているか。再現性があるか。垣間見えますね。
FBrefを参照

と、ついつい降りる側に目を奪われますが、降りない側も厄介です。

ラウタロは裏を取る動き、優位な体勢や位置など”次に繋がる”トラップが上手いので深さを出せる

サンチェス投入後のジェコはPA内のラストターゲットに。
インテルはヘディングでのゴールが非常に多いですが、そのリーダーは他ならぬ彼です。

画像15

・ヘディングでのゴール数(チーム&上位選手、23節時点)
インテルは頭ひとつ抜けて1位。ミランとは9ゴールもの差があります。
選手個々に目を移すと、突出した選手がいない=個に依存していないことが分かります。
セリエA公式を参照

このインテルの攻撃設計を(スカッドが揃えば)絶対的なレギュラーとは言えないロマニョーリとカルルが対応し続ける、負担をかけ続ける。

ミラニスタの方から怒られるかもですが、失点0という計算はしづらいでしょう。

「ミランは引かない(引けない)」

僕も一票です。

○ミランの守備設計-ケシエトップ下は奇策じゃない

てなわけで、前から行きたいミラン。

トップ下にケシエを選択するのは奇策ではなく、むしろ正攻法に思えます。

ケシエトップ下と言えば、19節エンポリ戦。
2ゴールを抜きにしても圧巻のパフォーマンスだったと思います。

なぜハマったのか?

下手したらスクデットを左右するような今回のダービーでチョイスする可能性があるのか?

「ミランが人重視の前からプレスを志向するようになったから」

僕は理由のひとつにこの説を推します。

僕は今季12節消化時点でデータ考察記事をアップしました。

その中で「ミランは意外とアタッキングサードで『プレス』をしない」という結果が出ています。

画像3

スタッツ参照元であるFBref (StatsBomb)の『プレス』は線引きが厳しく、ボールホルダーにしっかり圧をかけないとカウントされません。

前からプレスをかけるけどジワジワ。追い込み漁業ではプレスに該当しない。
それゆえに人重視なのか配置重視なのかを見る指標になると考えます。

で、今現在のミランを上記の散布図に組み込むとこうなります。

画像4

「なんでこうなったか?」は置いておいて(チームの変化だけでなく、そもそもデータ考察の分母が少ないからもあるんですけど)、結果として大幅な傾向変化が見られますね。

データを提示した後なので”言ったもん勝ち”っぽい感じになりますが、試合のインプレッションとも相違ありません

全ての試合を追っているわけではありませんが、直近だとスペツィア戦くらいじゃないですかね。ガツガツ行かなかったのは。

逆にケシエをトップ下で起用した件のエンポリ戦なんか全体的に超ハード。エンポリも激しいので超バチバチした試合でしたね。

画像14

つまり。

こうなるとフィジカルお化けでしかも決定的なプレーもできるケシエがハマるのは頷ける、というか「そりゃそうでしょ」って感じです。

今季のブロゾヴィッチはさらに突き抜けたパフォーマンスを発揮しているので番人役は必須、うってつけでしょう。

志向強化したハイプレスをさらに研ぎ澄ませる

高い位置でポジティブトランジションを起こしてショートカウンター!
もちろん狙いだし理想。

ですが「押し込まれない為にハイプレスをケシエというパーソナリティーを持って強化する」というのがピオーリ監督の意図に思えます。

おわりに

特定のポイントにスポットライトを当てたプレビューでしたが、いかがでしたでしょうか。

個人的にはケシエトップ下起用以上にバレッラが上がるか否か、効果的か否か、が勝負を分かつポイントと妄想してます。

希望は『上がらない』

ミランからすればドローでも痛恨。
外で「CL出場が目標」と言えども、内では当然、スクデットはまだまだ諦めてないでしょう。

となれば、ミランは攻守において積極性は出すはず
しかし、ピーキー。キーマンたちの為にスペースやシチュエーションなどのお膳立てが必要です。

インテル自慢、低め5-3ブロック守備を相手にそれが叶うか。
客観的に見ても、やや分は悪い気がします。

したがって、インテル側は無理にリスクをかけなくてもいいかな、と。

ボールはある程度譲って、自陣や中盤で戦い、カウンターを狙う。

順位、スカッド、戦術などなど。
”今のミラン”は嫌がると見ています。

ジェコの楔からダイナミックに両WBへ!という展開は想像に難くなく、そもそも右WBがダルミアンではなくドゥンフリースなのは、コンディションの問題だけじゃなく、シモーネ監督にカウンターという画餅があるのかもしれません!!!

画像15

よし!!!

ミランダービーはドゥンフリースがカウンターからアシストを記録すると予想します!!!

細江さん!!!

当たったらパーカーください!!!!!!!!!!!!!!!!!

最後までご覧頂きましてありがとうございました🐯

絶対勝利!!超がんばれインテル⚫️🔵

もしサポートを頂戴した場合はサッカーのインプットに使用し、アウトプットでお返しできるよう尽力いたします。