見出し画像

【シュリンク】CL準決勝 1st leg.ミランvsインテル プチレビュー

こんにちは!TORAです🐯

20年ぶりのCL準決勝ミラノダービー!ユーロダービー!
今さらながらレビューします!すぐ執筆できずに鮮度落ちてしまったのでライトにお届け。

●スターティング

プレビュー:ブロゾは鍵になるよ(ドヤァ
スタメン:ブロゾ…?



●ポゼッション率が劣るからこそ

立ち上がりは両チームとも様子見。

最終ラインはボールを持てるがビルドアップ隊に人的リソースをしっかり使う赤黒と、ジェコを目指した縦パスで手数をかけない黒青のコントラストが見られました。

前半8分、インテルがCKから先制点。

元々ジェコに付いていたトモリをドゥンフリースに渡し、自身はカラブリアを誘引する巧みな動きは間違いなくデザインされていましたが…個人的には決してスペシャルなものではないと考えます(結実してないですが、これまでもっと工夫が見られるやり方アリ)。

さらに、例えマーカーが入れ変わらなかったとしても、空爆隊隊長ドゥンフリースのマークがカラブリアであることを考えると、インテルを褒めるよりもミランへのクエスチョンが強いシーンでした。

ここからインテルのポジティブトランジションが猛威を震い続けるターンが幕を開けますが、序章部分で追加点を挙げること成功。

バレッラ:相手を引きつけてからのディマルコを走らせるパス。

ラウタロ:トナーリの意識を削るスルー

ジェコ:DFを釣り、ギャップを生み出すオフザボール

ムヒタリアン:そこに完璧に走り込むランニング

人を引きつけてブロックを乱す、人を釣って最終ラインから剥がす。そのギャップを次々にネラッズーリが強襲する様は色合いもあってさながら津波のよう。

見逃せないのがジェコのムーブ。

インテルの波浪に激しさがあったのは37歳のベテランの妙でした。相変わらず手のひら返しを強要させるのがお上手だこと。

手のひらぐるんぐるん

しかし、時間の経過の共に警報が弱まります。
ラインを下げ、元々弱めだった前からプレスももはや無風に近しいレベル。

その狙いを考察するのに斜に見る必要はないでしょう。

カウンターチームであるミランにあえてボールを持たせることで“ピーキー発動“を許さない。
むしろ前がかりになったところをあわよくば蜂の一刺し

僕はスコアも主導権もある程度のイーブンの場合、インテルがボールを持つ展開になる可能性が高いと踏んでいましたが、

ⅰ)スコア優位=予防的なプレーを強めることができる
ⅱ)縦の怖さを見せている=ミランに3失点目のリスクをちらつかせる

となった為、インテルはプレー強度やリスクテイキングをトーンダウンさせた。

試合をシュリンク

スタッツサイトFBfefによると、この試合のポゼッション率はミランが58%インテルが42%ですが、アウェイチームにとっては低数値であることが、むしろ”してやったり”の証左でしょう。

しかし、抑えておきたのはミラン側にも事情があったこと。

崩しのキーマンレオンを欠いた挙句、終盤戦のソリューションであったベナセルトップ下が負傷離脱。

ピオーリ監督は3失点目が「2nd leg.に奇跡がマストであること」と同義と捉えたかもしれません。
逆に2失点で90分終了を迎えれば、長いHTで立て直しに努めることができる。

ある意味、特に後半のミラン側もポゼッション率が優位なことは良い着地だったのかもしれません。あの状況においてのネガティブな青写真というか。

●ようやくインパクターに

アーセナルのアルテタ監督がサブ選手のことを『インパクター』と呼んでいることは有名ですが、本項にピッタリなので用います。

今季インテルは開幕時からずーーーっとシモーネ監督の交代策がファンに指摘され続けていました。

日本のみならず、海外インテリスティからも突っ込まれてるからね笑

ⅰ)昨季に比べてカードを切るのが遅い

ⅱ)交代に予定調和感が溢れている。
「同ポジションの選手をただ代える。タスクによる味変が少ない」

主なファクトはこの2点でしょう。

加えて、若手選手の不遇も挙げられますが、ここでは目先の絶対勝利のみにフォーカスして絞ります。

本試合の奏効はお見事でした。

チャルハノール→ブロゾヴィッチは盤面コントロールの強化因子に。

ジェコ→ルカクは押し込まれた時間帯の陣地回復に。

ディマルコ→デフライはパワー由来のゴリゴリにやられていたオリギvsダルミアンへの措置。さらに「もう0−2のままクロージングするぞ!」というメッセージにも。

ダルミアンのポジションチェンジもポイント。タスク変更で機能を変える采配◎


個人的にシモーネ監督の手腕を褒めちぎりたいのはデフライというカードの切り方

これまで中央CB固定だった彼を直前に右CBでテストし、この舞台で効果性を発揮させたのは天晴れとしか言えません。これぞ正しく「交代策」

他の2枚にも触れていきましょう。

ガリアルディーニはシンプルに打って欲しい場面を逸しました。
トラップの品質が良くなかったので躱さざるを得なくなりましたね…。

コレアはPA内で痛恨のフリーズ発生。数的不利で囲まれ、ネガティブなやり直しの原因に。
→せめて、放ってブロックさせてCKとか縦に抉る姿勢を見せるとか。PA内で正対できていたシーンなので、なにかしらアクションを起こして欲しかった…。

別角度でのインパクトを残していました。

●雑感

本試合、リアタイではTwitterのスペースでお話をさせて頂いていたのですが、こんなことを発したのを覚えています。

ミランはレオンに加えてベナセルの負傷離脱は敵ながら同情せざるを得ないアクシデントだが、2点ビハインドのこの状況だとブラヒムのトップ下は「災い転じて福となる」かもしれない。

しかしながら、前半はベナセルモードの戦い方に終始
前項シモーネ監督の迷采配と似ていますね。ただただ人をすげ替えただけ。

ピオーリ監督は選手特性をシステムに落とし込むのが本当に上手いのですが、故にその構築は選手に由来する側面が強い。

その選手がパフォーマンスを発揮しなかったり、今回のようなイレギュラーがあると初期設定のテコ入れに苦労しますが、それがまざまざと出てしまいました。

2失点してベナセル離脱直後。
賛否あるでしょうが、僕はリスク上等で攻守ともに強度を上げるべきだったと考え、スペースでも声を上げました。

「落ち着いて!」よりも「ひるむな!こうなったら行くしかないぜ!」の方が現ミランのキャラクターズには合うと思ったんですよね。

この時間帯はまだインテルのリスクヘッジも弱かったので目指してなおさら。

結果論ですが、前半でチームを足踏みさせてしまったことは、その後のシュリンクの温床となったと見ています。

翻って、シモーネ監督は限りなく理想的な展開に。

そりゃ3点目は喉から手が出るほど欲しかったし、そのチャンスや腹パン、ハンド疑惑もありましたが(腹パンは間違いないでしょ)サッスオーロ戦、そして残り90分を見据えた戦い方に持っていけたのはとてつもなく大きい。

インテルは三兎を追っている最中。
その内の一兎であるカンピオナートは天国or地獄を限界ギリギリで争ってますからね。

油断や驕りではなく、シーズンを走り切るための戦略

利を得たのですからしっかりと活かして欲しいですね。

ここまで来たら掴み取れるものは全部掴みにいきましょう!

超頑張れ!インテル⚫️🔵

最後までご覧頂きましてありがとうございました🐯

もしサポートを頂戴した場合はサッカーのインプットに使用し、アウトプットでお返しできるよう尽力いたします。