【レビューとは言っていない】セリエA 23-24 第22節フィオレンティーナvsインテル レビュー
こんにちは!TORAです🐯
今回はセリエA第22節フィオレンティーナvsインテルのレビューです。
ご存知の通り、試合数的には21試合目なんですが、スーペルコッパ参加のため21節アタランタ戦は2月末にワープしました。
●スターティング
●スイッチ切り替え
フィオレンティーナの前線は直前発表でソッティルが名を連ねていましたが、負傷してしまったのか。代役にエンゾラが起用されました。
ベルトランとエンゾラのCFタイプ2枚を並べることになりましたが、これが功を奏した源泉に。ビルドアップの大枠は下記の通り。
立ち上がりは収められるCF2枚の縦関係をフックにして、サイドでの進軍が目立ちました。
しかし、エンゾラvsデフライ部分で優位を確認すると、今度はサイドをフックとして前線にロングフィードを当てる、にスイッチ切り替え。
10:15~のシーンが切り替えのトリガーでしょうね。オフサイドでしたがエン空が競り勝ってネットを揺らした事実に「あ、これイケるな」と思わせてしまったかな、と。この1分半後にもほぼ同じ形でフィードを放たれていますからね。
今日のエンゾラは圧巻。
ⅰ)背中で押して優位を得る
ⅱ)引き取ってそのまま待てる、反転できる
ⅲ)上下だけでなく外にも膨らめる
ⅳ)時にはしたたかに腕を使う
などなど。スーペルモダンポストプレーヤーでした。フィオレンティーナファンの方で「シュート以外は過去イチだった」と語る方も。
繰り返しますが、セリエA公式発表の事前スタメンもソッティルだったので、エンゾラ先発は奸計ではなくアクシデント由来だったと思います。結果オーライが過ぎましたね。
●プレスの質は数字にも
とはいえ、基本マーカーだったデフライもなす術なくやられてしまった訳ではなく、要所で戦えてましたし、何なら空中戦はほとんど上回っていたと思います(そもそもFWが不利ですが)。
それでも尚、エンゾラの印象が強く、事実彼目がけたフィードが再現性高かったのは二次攻撃も担保できていた点。エンゾラが競り負けても結局その周りで回収できていた事実は、攻撃の有効性を証明していました。
最近とある著名な方が取り上げていたので二番煎じとなってしまいますが、Optaのスタッツに『PPDA』なるものがございます。
この値、実はフィオレンティーナがリーグトップで、額面上は「最も前目のプレスのレベルが高い」と読み取ることができます。
特に良かったのはプレスの先鋒ではなく、その下支えである2CBクアルタとラニエリだと思っていて、彼らがしっかりとラインを上げる、前に出て潰せる、その裏の広大なスペースをリカバリーできることこそ、ゲインを得ているプレスの基盤となっていると見ています。
彼らの頑張りは走行距離となって現れていました。
4バックのCBが約11.5km走るのは中々に珍しいかと思います。両SBも距離そのものはもちろん、スプリント量も多く、フィオレンティーナのプレスの定量指標となっていますね。
●横綱相撲
フィオレンティーナのプレスクオリティが高いからこそ、インテル先制点は価値を高めます。取り上げたいのはCKからのゴールそのものよりも、CKに繋がった縦型攻撃。
彼らのプレスはフォーメーションの噛み合い通り、基本的にはマンツー風味。風味としたのは圧力や勢いはあれど、設計そのものはセーフティだった為です。特に左。
要はインテルが少し進むとフィオレンティーナの左は重心を下げる。
もちろん丸っと放置するわけではなく、パヴァ―ルがボールを持てばボナヴェントゥーラが出ますが、低めから出ていくので物理的なタイムラグが発生する場面は本項で取り上げる先制点以降も散見されました。
今季のダルミアンは”サイドの司令塔”ぷりが一段上のフェーズにあると思っていて、イタリアーノ監督は「からのフラッテージ裏抜け」を対策したのかもしれません。
インテルとしても突撃隊長である彼を起用する以上は必要悪というか、必然そうなってしまう側面は否めず、ここがフラッテージシステムのメリットでありデメリット。
考察が合っているとしたら頷けます。詳細省きますが、今日もフラッテージは高めでプレーしてましたね。
しかし結果論、パヴァ―ルという発射台の警戒を弱めてしまったことが痛手となりました。
尚、彼が復帰してからまだ日は浅いですが、彼を許容するクラブがちらほらございまして、いずれも上手くいっておりません。
許容されたパヴァールにインテルもすぐさま気づいており、彼を軸としてプレスを誘引し始めます。すぐに決定機、そしてCKからの得点に繋がる。
12:05〜はここまで挙げた全てが詰まっています。
ファラオーニによるエンゾラ(イコネに送ったように見えますが、本当はデフライとバストの間でエンゾラを戦わせたかったのかと)へのフィード
↓
インテル回収、フィオレンティーナは二次攻撃に繋げるためのプレス
↓
ダルミアンに出ていくパリ―ジの裏を狙うフラッテージ
↓
パスを送れず、パヴァールを軸にやり直し
↓
誘引し、パヴァールが長い距離を詰めてきたボナヴェントゥーラの背後に縦パス
↓
降りてきたフラッテージからダルミアンに叩き、受けたサイドの司令塔がパリージの裏に絶妙パス
↓
これがCKに繋がった決定機に
パヴァールの縦パスがお見事。パスを引き取る前に正面をスキャンしており、プレービジョンが出来ていたのでしょう。
フィオレンティーナはセーフティな設定をしたばかりに、むしろ穴を広めてしまう結果に。や、アウェイチームが逆手に取ったからこそで、矢印を向けるはフィオレンティーナではなくインテルが横綱相撲できる点ですね。
●スタッツほくほくタイム
さて、ここまで主に冒頭に焦点を当てて記事を執筆してきましたが、レビュー自体はここで幕引きします。
この後も取り上げたい内容はあるのですが、私的に序盤の攻防を超えるトピックスではない点、また、レビュー以外の愚見を書きたいため割愛させて頂きます。
「レビュー以外の愚見」の前にスタッツにほくほくするお時間です。
取り上げるはMOMに輝いたゾマー。
彼の活躍を定量的に見ていきましょう!
進め方は以前と同じですのでスタッツ詳細はこちらをご覧ください。
スタッツサイトFBrefによると、フィオレンティーナの得点期待値はPK込みで1.8(インテルは0.5)。しかし、GK目線の『シュート後失点期待値』は2.1。
フィオレンティーナは得点期待値以上に枠内シュートの価値が高かった(≒シュートの質が高かった)ということです。
や、実際すごい。なんだこの枠内シュートの精度。
29(正確には28)分のアルトゥールのシュートは、セットプレーのやつですね。得点期待値は0.01ですが、『シュート後失点期待値』は0.34となかなか。僕的にはイージーに見えますが、ディフレクションによって処理難度が上がったよってことなのかな?結果コース突いてますしね。
そして、34分ボナヴェントゥーラ。
あれね、ヤバかったですね。ややコースは甘かったものの、中央至近距離からのシュート。その価値は0.73点分で、普通に失点モノを救ってくれたことを示します。
さらに付加価値があるのがうっすら余裕が垣間見えるというか、確信的にセーブしている点がたまらん。たまらんです。僕たちには新たな神が降臨している。
●今季何度目の陰謀論?
この直後ですね。
実況の北川さんがとある情報を発信しました。端折りつつまとめると以下の通りです。
いやー、持ってかれましたねw各所でザワついて試合どころじゃなかったですw
しかもこれ、現地では23日に放送されたんですよ。そう、現地でもその裁定が話題になったスーペルコッパ決勝の翌日。火に油。
「レ・イエネ」ですが、北川さんが「ドッキリ番組を紹介する」と前置きしている通り、コメディ色の強い番組だそうです(一応、風刺番組)。過去に行き過ぎた表現や誤報で非難を浴びたこともあり。
番組の映像もコレ、ですよ。
これじゃ、そっちが陰謀してる側でしょw
てことで、現段階ではまだ眉唾ものです。○○派!反○○!などの陰謀論を語るにはちょっとリテラシーが足りません。
逆に、あえて陰謀論を乗っかると、○○派の筆頭候補であろうインテル、ミラン、ユヴェントスは今回いずれも名指しされています(クラブそのものを指されたわけではなく、3クラブの試合のジャッジに言及)。
ちなみに最も具体的に論じられたのはユヴェントスの試合でして、陰謀論を発する貴方のクラブが黒幕になる可能性もなきにしもあらずですw
※あくまでユヴェントスの試合のジャッジに深く触れていただけなので、彼らがどうこうみたいな話は一才ございません。
だいぶ端折ったのは詳細気になる方は下記からどうぞ。
本件は現地時間1/30に進展があると言われています。眉唾ものとしましたが、もちろん膿を出すきっかけとなる可能性も否定できません。
確度ある進展がありましたらまた記事にしようと思います。
最後までご覧いただきましてありがとうございました🐯
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