各部位の熱貫流率と省エネルギー性能

標準計算では、外皮性能の基準値が定められている外皮平均熱貫流率(UA)と冷房期の平均日射熱取得率(ηAC)などを求めていきますが、計算途中で出てくる屋根、壁、窓など各部位の熱貫流率(U)についても計算または入力していきます。

熱貫流率は、屋根、壁、窓などの部位の断熱性能を表す値で、室内側・室外側の温度差を1℃としたときに、部位面積1㎡の部分を通過する熱量をW(ワット)で表します。熱貫流率の値が小さいほど熱を伝えにくく、断熱性能が高くなります。

各部位の熱貫流率についても、地域の区分ごとに基準値が定められています。東京都23区などが含まれる地域の区分6では、各部位の熱貫流率の基準値は、屋根・天井0.24、壁0.53、床0.48、開口部4.07などとなっています。開口部の基準値は、開口部比率(外皮面積の合計に対する開口部面積の合計の比率)によって異なりますが、ここでは開口部比率0.11以上0.13未満という区分の値をとっています。

屋根・天井、壁、床と開口部の熱貫流率と比べると、開口部の熱貫流率が桁違いに大きいことが分かりますよね。屋根・天井、壁、床の熱貫流率の単純平均は0.41となりますので、開口部の熱貫流率はその約10倍になっています。言い換えれば、開口部は屋根・天井、壁、床の単純平均に比べて約10倍熱を伝えやすいということになります。


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