番外編 セミナーレポート#1

【セミナーレポート】
六本木アートカレッジ2018「自分と、アートと、ビジネスと。」
第2回セミナーテーマ ビジネスがアートから学ぶべきこととは?

こんばんは。
外に出ると、すっかり冬の気温に驚かされました。
やっと冬らしくなった東京から、表題のレポートを共有します。
(内容の濃いセミナーだったので、数回に分けて発信いたします!)

モデレーターは、
スマイルズ代表:遠山正道さん。
ゲストは、
一橋大学教授:楠木健さん、
俳優:山田孝之さん。
各々、アートとビジネスの関係性を軸にお話しされました。

お三方のご意見を、私見絡めながらまとめていきます。
まず、遠山さんから。

遠山さん曰く、

「アートはビジネスでないが、ビジネスはアートである。」

アートというものは、自分の中から生まれ出るもの。
画家が街頭インタビューで、
「私はどんな絵を描くべきだと思いますか?」
という調査を行って、一番需要があったモチーフを描く。
そんなことをしている画家の絵は魅力的でしょうか。
(個人的には、実験的で少し興味ある制作方法だと思いました。ミニマルアーティストの父、ドナルドジャッドは、工業化が進む時代の中で、量産される構造物に対して迎合するのか批判するのか、問いかけを込めた作品を制作しました。そこに、ある種の完璧な美しさが内包されているところが素晴らしいのですが、、モチーフの選択は時代性を反映しています。これをアンケートで探していく、というのはちょっと面白いですね。…が、ベクトルが違う話なので、今は置いておきます。)
アーティストは、周りの意見など汲み取ることなく、その人の主観的創造を発揮するところに価値があるはず。

そもそも、ビジネスもそうであるはずです。
本田宗一郎さんは、奥様が毎日自転車で買い物に出かけるとき、大変そうにしていたので、自転車にエンジンを積むことを考えた。そこから、現在のHONDAにつながっている。
ビジネスも、主観的な想いから始まるべきであるのです。

周りを見渡してみると、マーケティングから入ってしまっている。
お客様が求めているものは何か?
世間のニーズは?
今、どんな事業をすればヒットするのか?
そんな、客観的な情報から、ビジネスを考えようとしすぎている。

もちろん、そういう外側の都合は考える必要があります。しかし、内側の初動も同じくらい大切。図式にすると、次のような感じ。

子供の眼差し(内側、初動)×大人の都合(外側、ステークホルダー)
=ビジネス

内なる初動である、子供の眼差しと、外側の大人の都合が掛け合わされることで、よきビジネスが生まれる。つまり、ビジネスの半分はアート的な要素が必要である、ということ。
大人の都合ばかりのビジネスは、血が通っておらず、つまらないものなのかもしれません。

今回は、ひとまずここまでです。
次回、引く続き、レポートしていきます。

ここまでの話での私見にて、今回の記事を終えさせていただきます。
私はアート畑に所属していた学生時代がありまして、作品を発表し、それらを教授や外部キュレーターが講評するという機会が多くありました。
その中で強く記憶に残っている有名キュレーターの言葉があります。
「何か、自分の中のものをアウトプットしようと思っても、限界があります。なにより、あなたたちは二十歳そこそこの人生しか送ってきていないので、どうせ大したものはあなたたちの中にあるはずはない。たかが知れています。しかし、独自の視点で外側のものを見、その情報をアウトプットすることには、大きな可能性があります。だから、決して自分の中だけに何か素晴らしものがあると思わないでください。」
この話をまとめると、
外側×内側=アート
という図式が当てはまり、遠山さんのビジネスの図式と一致します。
そうなると、ビジネスはアートであり、アートもまたビジネスである。
という見方もできるのかもしれませんね。

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