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第34回:思い出し笑い「SWAのCD2タイトル同時発売!」(&ツルコ)


第33回:SWAのCD 2タイトル同時発売!

*intoxicate vol.87(2010年8月発行)掲載 

 春風亭昇太が中心となって、ニ一世紀の落語界に登場した新作落語家集団SWA(創作話芸アソシエーション)。自分で落語を創作して演じる新作落語を得意とする昇太(ニ号)、柳家喬太郎(六号)、三遊亭白鳥(ニ号)、林家彦いち(一号)の四人が二○○三年に立ち上げた(当時は五人)のですが、なにしろ単独でも人気のある四人が集結したというので話題にもなり、お揃いのユニフォームのような着物に背番号など、それまでになかったビジュアル面の面白さもあって、とにかく最初からファンの期待が高くチケット即完、いまでもチケットが取れない落語会として人気を誇っています。


 それぞれの新作落語は、落語会や独演会などで聞くことができますが、SWAの会では、テーマを決めて創作した新作落語を披露したり、四人の噺がつながって一つの噺になる、というブレンド・ストーリーなる企画だったりするので、ここでしか聞くことができないんですよね。その会場でだけ楽しめるもの。ですから、昨春の『SWAのDVD』のリリースはまさに待望の、でした。普通の落語会とは違う雰囲気も、映像だとわかりますし、メンバーの打合せ風景などを覗くことができる特典映像も楽しい。このDVDで収録されているのは、ニ○○八年の会でしたが、このたび、それ以前の会の音源がCDとしてニ作リリースされることになりました!


 ちょうど夏休みのタイミングの八月二○日に会を行ったニ○○六年は、「夏休み」をテーマに、昇太は「罪な夏」、白鳥は「明日に向かって開け」、彦いちは前回のDVDにも収録されている「かけ声指南」、喬太郎は「八月下旬」と、四人それぞれの夏休み落語を。映像はビジュアル面の面白さがわかるのでいいのですが、耳で聞くというのは、表情を想像したり、場面を思い描いたりできるというところでやっぱりいいですね。もし、落語を聞くのが初めて、というかたでしたら、SWAの場合はまずDVDのほうを観てからのほうがわかりやすいかも。それぞれのキャラクターがわかると、耳だけでもより楽しめますよ。


 もう一作は、翌年のニ○○七年九月に行われた会の高座を収録したもの。こちらは、「明日の朝焼け」というタイトルで、タカシという一人の人物の子ども時代から還暦までを描くという、ブレンド・ストーリー仕立てになっています。白鳥は、小学生時代の「恋するヘビ女」、昇太は、結婚して数年の頃の「夫婦に夫婦に乾杯」、彦いちは、中年夫婦の危機「臼親父」、喬太郎は、還暦を迎えた日の「明日に架ける橋」と、それぞれの時代の噺を創作しています。


 どちらのCDも喬太郎がトリを務めており、ニ○○六年の「八月下旬」では小学生、ニ○○七年は還暦を迎えたサラリーマン、いずれも喬太郎ワールド全開で、聞きごたえあり!


 四人それぞれの個性が発揮されて成り立っているSWA。楽しそうに見えます( 泣)。追加公演、苦しみを経ているのでしょうね。いまはこ出ないかなー。出れぞれが自分の噺を創作しているところかと。そう、ちょうどこのCDリリースと同時に、SWAのクリエイティヴ・ツアーが始まります! CDで過去のおさらいをして、今年のSWAを楽しんで!…と書きながら、チケットぴあで確認しましたらば、九月二二日〜二六日までの全公演がすでにソールドアウトでした(泣)。追加公演、出ないかなー。出たら落語ではお初?

CD『SWAのCD 2006 -夏休み-』
SWA(林家彦いち 三遊亭白鳥  春風亭昇太 柳家喬太郎)
[MHCL-1802〜1803]

CD『SWAのCD 2007 -明日の朝焼け』
SWA(林家彦いち 三遊亭白鳥  春風亭昇太 柳家喬太郎)
[MHCL-1804〜1805]

思い出し笑いライン



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