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第77回:思い出し笑い「お茶の間で落談〜落語の噺で面白談義〜」(&ツルコ)

ツルコさん

執筆者:&ツルコ

第77回:お茶の間で落談〜落語の噺で面白談義〜

*intoxicate vol.133(2018年4月発行)掲載

山口メンバー、NHKの『落語THE MOVIE』に出演してたんですね。見逃しちゃってましたが、古今亭菊之丞の「幾代餅」。再放送はもうないのでしょうか。残念。以前、先代の林家三平をドラマ化した『林家三平ものがたり』で主演を務めた際に、噺家を演じるために根岸まで通って落語の稽古をしたそうですが、TOKIOの他のメンバーも、国分太一が映画『しゃべれども しゃべれども』で主演、長瀬智也がTVドラマ『タイガー&ドラゴン』にV6の岡田准一とともに主演するなど、落語にはご縁があったんですよね。こういうところから落語に初めて触れたという人も多かったことと思います。


 このような落語への入り口をつくって落語ファンを増やしてくれているありがたい落語会が『渋谷らくご』通称シブラク。渋谷のユーロライブで毎月5日間行われているこの会は、映画を観るような感覚で気軽に楽しめる落語会。予備知識がなくても、若手からベテランまで、選ばれた演者の多彩な落語を聴くことができます。この会のお席亭が、お笑いコンビ米粒写経のサンキュータツオですが、相方の居島一平と共に早稲田大学の落語研究会出身とのこと。桃月庵白酒の後輩だったんですね! 今はどちらも落語協会所属です。


 その米粒写経が初めてMCを務めたという、ひかりTVの番組が『落談〜落語の噺で面白談義〜』。居島一平とサンキュータツオが、落語について談義をする「落談部」の部員で、部室である狭いアパートの一室に入部希望者(ゲスト)を迎え、毎回1つの古典落語を取り上げて、あれこれ話す、という設定の番組です。これ、とても面白い! 米粒写経とゲストの3人がちゃぶ台を囲んで落語のことなどお喋りしてから、ビデオで一席観始める、という流れで、観るのは、立川談志の孫弟子・立川志ら乃の高座。観ている途中で止めて、そこまでの噺について談義し、また続きを観る、という画期的な構成! 噺に出てくる言葉を説明する「ちょい足し解説」や、噺に関するウンチクあり、当時の時代の状況や暮らしぶりなど、落語の背景にも話が広がって、初心者にもとてもわかりやすい内容ですし、演者によって演じ方が違ったり、オチを変えたりということにも触れているので、たとえば第1回で取り上げている「粗忽長屋」なら、先代の柳家小さんの高座を聴いてみようとか、オチが違う桃月庵白酒バージョンはどんなだろう、などと、もっと落語を聴きたくなるようなつくりになっているところが素晴らしい! このたび番組の第1回と第2回がDVD化されましたが、第1回の入部希望者は浅草キッドの水道橋博士で「粗忽長屋」、第2回はナイツの塙宣之で「火焔太鼓」。狭く雑然としたリアルな一室で、どちらも肩の力が抜けたいい雰囲気でのおしゃべりは、それぞれのゲストの落語との関わりだけでなく、内輪話的なことにも話が及んで、そちらも大いに楽しめます。


 この「落談」、第6回目まで、磯山さやか、なぎら健壱、大槻ケンヂ、松尾貴史などの入部希望者を迎えて続きますが、まだまだたくさんある落語の演目、どんどん落談してください!

DVD    『落談~落語の噺で面白談義~♯ 1「粗忽長屋」』
米粒写経 、 立川志ら乃
ゲスト:水道橋博士
[ リーレ LEF-1001]

DVD    『落談~落語の噺で面白談義~♯ 2「火焔太鼓」』
米粒写経 、 立川志ら乃
ゲスト:ナイツ・塙宣之
[ リーレ LEF-1002]

思い出し笑いライン


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