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ー犬飼25年目が教えておいてよかったと思う芸(トリック)ー

おはようございます。

タカシです。

先日から自分自身の分析(キャリアの棚卸し)を始めました。

ドッグトレーナーと言いながら犬を飼っていた期間は高校入学から現在までの25年です。

それ以前はウサギやインコ・ハムスターなど小動物ばっかりでした。

さて、ホンイツのタイトルー教えておいてよかったと思う芸ーのお話です。

ここでは犬の行動に人間の指示をつなげたものを芸(トリック)と言うことにします。

オスワリもジャンプもドッグダンストリックも一緒くたに芸とします。
芸は犬とのコミュニケーション方法の一つです。

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ーそろそろやなぁ~ー

自分自身がしつけた飼い犬だけで言うとハスキーのメグちゃん・キャバリアの茶々ちゃん・ジャックラッセルのシオンちゃんの三頭だけです。

祖母が飼っていたり叔母が飼っていたりして短期間預かった子たちは省いておきます。

そう考えると飼育頭数は少ないですね。。。

その少ない頭数の中で現役なのはジャックラッセルのシオンちゃんです。

そのシオンちゃんもそろそろ9歳になります。

運動能力も少しづつ落ちてきました。

目も少し濁ってきました。

「そろそろ新しい芸を教えていかなければなぁ~」という時期に来ました。

その時に過去の犬たちを思い出すと、教えておいてよかったよね便利だったよねというトリックがあったのでご紹介させていただきます。

しつけ本に乗っているような芸ではないものもあります。

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ー「おしまい」ー

「おしまい」=今やっている行動の終了

この芸を教えておいてよかった子は茶々でした。

茶々は虐待案件からの保護犬です。

幼少期に食が安定していなかったことや、理解できない暴力などからフードに固執する意思を通す手段として吠える嚙みつくと言う問題行動がありました。

しっかりフォローして問題行動は収まっていましたが高齢になり目と耳が悪くなると食に固執して吠えるが再発しました。

少し認知が入っていたのかもしれません。

とにかく餌をあげてもあげても満足しないんです。

「ワンワン」うるさいんです。

そんな時は握りこぶしをおでこに当てて「おしまい」と言われます。

終わりが理解できないため吠え続けていた節があり「おしまい」はとても有用でした。

そして何よりもよかったなぁ~と感じたのは「おしまい」を教える手順でした。

茶々は家に来た当初から耳に不安のある子でした。

トリミングが必要な犬種であるにもかかわらずブラッシングすらされていなかった茶々はマラセチアから外耳炎を発症していました。

やっぱりというか加齢とともに悪くなるのは耳からでした。

この時、声指示から手指示にゆっくりと変えていきました。

正確には声指示に手指示を追加していきました。

「オスワリ」は手のひらを見せて

「マテ」は一本指で

など

その中に「おしまい」はグーを見せるというのありました。

そのグーが目の老化とともに近づいてきて(見えているところまで近づけて)最終おでこに当てるとなったんです。

見た目とっても悪い形で固定されてしまいました。

ワンワン吠えている茶々に「おしまい」と言いながらグー拳をおでこにグリグリ当てている姿は暴力的でした。

でも、とっても便利で茶々に教えたどの芸よりも役に立ちました。

茶々にとっても終わりの見えない待ち続ける食事から「おしまい」で食事から解放されて自分の時間に戻ることができました。

そして一番良かったと思ったことは、目が見えなくなった!耳が聞こえなくなった!からはじめたのではなく。

若いうちに覚えた芸に対して老化に合わせて指示方法を増やし変えていったことでした。

老化現象は仕方ありません。

残っている五感を使って犬とコミュニケーションとる手段を考えなければいけません。

だからって高齢の犬に全く違う指示を入れることは大変だし犬にとってもストレスです。

トレーニングの基本は五感に訴えた指示(手指示・音指示など)から減らしていき音のみの指示に持っていきます。

わかりやすいから難しいへ。

高齢の犬は、トレーニングの巻き戻しをしてあげることで残存機能だけの指示と意思疎通ができます。

また認知症状を遅らせる効果もあるのではないかと期待しています。

指示がわからない(飼い主の声が聞こえない)

コミュニケーションが取れない

突然体に触れる手の恐怖

ゆっくりと手指示に切り替えることで予防できると思います。

また手指示を追加する過程で犬はもう一度学習しなおします。

頭を使います。

犬自身も飼い主と関係をとる(コミュニケーション)ことの楽しみを再認識することができます。

音が聞こえない、目が見えない、コミュニケーション手段がない、自分の世界に閉じこもる。。。

この予防ができると思います。

ポイントは悪くなってきた機能が完全に閉じる前にほかの機能とつなげてあげることです。

犬の老化に向き合うことです。

かわいい愛犬が年を取り老いていく、そろそろ死が見えてくる。

認めたくもないしつらいことです。

だけどそこは冷静に客観的に見てあげてください。

犬は人間よりも速いスピードで生きています。

残りの期間を自分の世界に閉じこもるのかコミュニケーションがとれるのか変えることができるのは飼い主です。

最後まで撫でてあげたいじゃないですか?

目が見えず耳も聞こえずの世界で突然触られてびっくりする手でありたくないじゃないですか?

「よくがんばったね」って安心させる手で送ってあげたいじゃないですか?

残っている機能でコミュニケーションをとり続けることができるように考えてあげてください。

ー長くなったのでー

お疲れさまでした。

長々と脱線しまくりの文章にお付き合いいただきありがとございます。

芸1つしか書けませんでしたね。

それでは。

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2019年5月末に出張型ドッグトレーニングスクールを始めました。 犬と飼い主の関係づくりのお手伝いをモットーにやらしてもらっています。 アイコンタクト アイコンタクト とばっかり言う地味なトレーナーです