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中日ドラゴンズの現在地


中日ドラゴンズの来歴

プロ野球の歴史は1936年、日本職業野球連盟創立に始まる。
当時は7球団で争われるリーグ制であったが、
太平洋戦争の終戦後2リーグ制となり、現代までセ・パのリーグに分かれ
球団編成の変更もありつつ、日本一の座を争われる現在に至る。

中日ドラゴンズはその前身である「名古屋軍」の頃から数え、
日本職業野球連盟創立から凌ぎを削る歴史ある球団の一つ。
1954年、一時期は「名古屋ドラゴンズ」であった球団名を
再度「中日ドラゴンズ」とし、その年に初のリーグ優勝、
西鉄ライオンズとの日本シリーズを4勝3敗で制し初の日本一へと輝いた。

以後、リーグ優勝 9回、日本一 2回。

1999年は星野監督の下、開幕11連勝を果たした勢いのまま優勝を遂げた。
星野仙一という、「生涯巨人はライバル」を貫いた熱い漢に影響を受け、
今でも巨人戦には一目置くファンも少なくはないだろう。筆者もそうだ。

落合博満氏が率いた黄金期には、8年間のうち4度のリーグ優勝を成し遂げ、
その8年間の間、一度たりともBクラスに甘んじることはなかった。
山井大介と岩瀬仁紀の継投による完全試合で達成された二度目の日本一は
往年のファンには思い出深いものがある。

2012年、落合監督に変わり高木守道氏が指揮を取り始めて以来、
中日ドラゴンズは優勝から遠ざかっている。
この記事を投稿している2023年8月時点でも優勝はおろか、
Aクラス入も難しい状態が続いている。
直近の10年、2013年から2022年まで、Aクラス入りは1度のみ。
皮肉にも、新型コロナウイルスの影響によりクライマックスシリーズがない
その年に限ってのAクラス入りによってシーズンはそこで終了した。

長きに続く暗黒時代

過去の中日ドラゴンズはAクラス入り50回、Bクラス入り37回と
半数以上の年でAクラス入りを果たしている。
直近10年間を差し引いてみるとA49回、B28回と、ダブルスコアに近い回数
Aクラス入りを果たしていることになる。
直前の黄金期を差し引いてもA38回、B28回と、
やはりAクラス入りがBクラス入りを上回る結果となっており、
古くから強豪の一角として相応な成績を残していると言えるだろう。

そんな中、2013-19シーズンの7年連続Bクラス入り、
3年連続のBクラスが見え始め、球団史上初の2年連続最下位が見えた現状は
間違いなく中日にとって「暗黒時代」の到来と言える。

もっとも、過去にはもっと長い暗黒時代を過ごした球団もある。
近年の成績からは想像しにくいが、連続Bクラスの日本記録は
福岡ソフトバンクホークスの前身球団が記録した20年である。
ちょっとした豆知識だが、この20年が始まったのはあの名将
野村克也が退任した翌年からである。

近年、暗黒時代を過ごした球団といえば、横浜ベイスターズだろう。
1998年、中日を振り切って優勝を果たして以来、実にBクラス16回。
今年も巨人とのクライマックスシリーズ争いに敗れれば17回目と、
25年のうち17回のBクラス入りとなる。
なお、2006-2015年シーズンにわたり、10年連続Bクラスとなっている。

その苦しい状況にある横浜に昨年圧倒的に負け越している中日は、
この記事の執筆開始当初の8/25の試合を持って、今シーズンも横浜に
負け越しが決まった。
多くのファンの記憶に残だあろう、近藤投手の10失点による幕切れだった。

立浪竜は何故得点できないのか?

さて、暗黒期を振り返ってみたが、
過去を振り返るだけでは明るい未来は来ない。

現在の中日ドラゴンズ、「立浪竜」が誕生し二年。
筆者も含め、「ミスタードラゴンズ」待望の監督就任だった。

予てから「氣」という言葉を大切にしていることは有名だが、
その逆境を覆す精神的な強さは確かなものである。

通算二塁打の記録がシンボルとして語られがちだが、
通算サヨナラ安打13回は球団記録であり、
通算サヨナラ満塁本塁打2本は日本プロ野球記録である。
シーズン20本塁打未経験と決してホームランバッターではないが、
試合終盤、回が詰まれば詰まるほど驚異的な勝負強さを発揮し、
前述の記録を達成していると言える。脅威のメンタルだ。

余談ではあるが、通算サヨナラ安打と通算サヨナラ本塁打のプロ野球記録は
いずれも来季中日入閣が囁かれる清原和博の持つ「20安打/12本」である。
通算サヨナラ本塁打12本は世界2位の記録でもある。

「負けん気」は立浪がチームに求める重要な要素でもある。
「褒めて伸ばす」という近年よく見られる成長の促し方と真逆だが、
それ故にチームカラーを示す要素としてはオリジナリティがある。

この記事を見ている竜党には説明不要だと思うが、
立浪竜はこの二年、ファンの期待に添えているとは到底言えない。
就任前Bクラスの常連となっていた状況から大きな補強がされておらず、
数少ない大型補強となったアキーノの大不振などもあり、
簡単に浮上できない状況ではある。
しかし、球団史上初の二年連続最下位が目前と迫っている現状は
やはりファンの心が傷んで仕方ない惨状だ。

とはいえ、チームに光がないわけではない。
岡林は2年連続最多安打へひた走り、ついには連続試合安打の球団記録を
70年以上ぶりに更新してみせた。
昨年から躍進が続く髙橋宏斗は今年もチーム最優秀防御率、
WBCの優勝にも貢献し、ドンペリが贈呈されたのも記憶に新しい。

今や新4番の石川昂弥に期待を寄せぬものは居ない。
更には現役ドラフトで加入の細川、トレード加入の斎藤・宇佐美、
新外国人のメヒア、最近ではフェリス等の躍進も見られる。

ではこれだけ明るい材料がありつつ、何故ここまで勝てないのか?

皮肉なことに、一番大きな要因となりうるのは
「氣」なのではないかと思うことが筆者は多い。
米がない「气」だといいたいのではないと断っておこう。

この二年(に限らないが)、中日は得点力不足が課題となっている。
単打が多いことでヒットが多くても勝てない事はよく言われているが、
とりわけ目を引くのは「得点圏打率」がなかなか伸びない現状である。

実のところ、今シーズンの中日は併殺打が多いわけではなく、
むしろ阪神について少なく、平均を下回る。
つまり、それだけ無駄にチャンスを潰している数は少ないと言えるが、
やはり得点圏打率はヤクルトについでワースト二位に沈む。

打っても単打が多いとなれば得点は伸びない。
今年も打点はダントツのリーグワーストだ。
また、四球が少ないことも相まってか、打点を含む総得点も少ない。
こちらもリーグワーストをひた走っている。

出典:Baseball Data House
https://nf3.sakura.ne.jp/Stats/team_etc.htm

得点圏打率が低い要因に技術的なことが関与することもあると思うが、
シチュエーションが平時とは違い、メンタル面も重要な要素となる。
立浪が現役時代にファンを魅了したのはこのメンタルが長けていることも
大きな要因になっていることだろう。

「氣」という言葉をピックアップすると、
どうしても「必至にがむしゃらに」と考えてしまうが、
筆者は少し違うと思っている。

得点圏の打席では厳しいコースを突かれることもある。
必至に食らいつく方法もあるが、
狙い玉を決め、それを投げさせるような戦略を取れれば良い。
そんなとき、「ここに来ないと打てない」と「ここに来れば打てる」とで
コースや球種の山を張るにしてもメンタル面には影響することだろう。
とりわけ、長打を狙えるバッターならここ一番で大きな結果の違いを生む。

一言で言えば、「萎縮しない」ということが大切なのだろう。
相手の土俵に引きずり込まれ、その土俵でなんとか食らいつく戦法では
早々簡単には勝たせてもらえない。
ここに投げたら絶対に打つ。厳しいコース投げないと無理だぞ。」と
その心持で打席に入って厳しいところを突かれたらどうだろうか?
四死球になることも自ずと増える可能性はある。


根性論や精神論は古いと言われる。
しかし、どんな選手も上手くなりたい、負けたくないという強い気持ちで
プロ野球の門を開けたのだ。メンタルは大いに作用する。

若いチーム。技術的なことはこれから芽吹くものもたくさんあるだろう。
素人ながらにそう考えている。

しかし、どれだけ豊作になろうとも勝利なくして旨い飯にはなり得ない。
うまい飯を食い、たまには誤ってアクエリアスでもかけあい、
最後には胴上げと酒をぶっかけ合いが見れるシーズンを心待ちにしよう。


そういえば、立浪監督は下戸のようだが髙橋宏斗は飲める口なのだろうか。
飲めないとしたらシャンパンファイトも夢じゃない・・・🤔?

「絶対勝つぞドラゴンズ!」

最後に

以上、結局根性論に親しく、立浪監督に厳しい評価を下す方々から見れば
あまり同調はできない記事だったのではないかとも思っています。

しかし、筆者も含め「強いドラゴンズを見たい!勝ちたい!」という思いは
すべてのファンに共通するのではないかと思っています。

今はひたむきに、ファンの僕らも「戦う顔」で選手を強く鼓舞し、
勝利を願いましょう!

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