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おすすめマンガ『鬼を飼う』~民俗学が関わっている魅力あるコンテンツ!~

今回はkayserが担当します。
しばらくお休みをもらいまして、2023年最初の投稿です。今年は、これまで気になっていたことを少しずつ調べていけたらいいなと思っております。その調べたいこととは、昨年末に紹介した食に関することのひとつ薬膳、子どもの頃からずっと興味のある「民俗学」です。今回は、この「民俗学」に関することから。

「民俗学」をひと言でいえば、人々の生活における風俗や慣習、しきたり、伝承、言い伝えなどを歴史的に学んでいく学問のこと。これらの伝承や言い伝えには、妖怪、幽霊、あやかしといった怪異も含まれており、小説やマンガ、アニメやドラマに映画とエンタメコンテンツには欠かせないジャンル。

この「民俗学」を彫り下げつつ、それにちなんだ面白いコンテンツを発見していくのが今年の目標です。

そこで、今年最初の紹介するのは、「奇獣」が登場するマンガ『鬼を飼う』。すでに7巻で完結を迎えています。昭和初期を舞台に、奇獣とそれを取り巻く人々を描いた物語です。それでは、早速紹介していきます。

『鬼を飼う』

『鬼を飼う』は、月刊コミックバンチにて連載された吉川景都原作のマンガ作品です。吉川の最新作は、まさに「民俗学」を題材にした作品『こまったやつら』「民俗学」に造詣が深いマンガ家

物語の舞台は昭和初期の東京。日本で唯一の奇獣商・四王天は、富裕層向けに奇獣で商売をしていました。そんな彼のもとで飼われている金髪の少女・アリス。彼女に誘われ、帝大生の鷹名基と司怜一が四王天の店に現れます。そこから様々な事件に巻き込まれていく物語です。

この『鬼を飼う』では、たくさんの奇獣が登場します。一般的によく耳にするものから、この作品で初めて知るものまで。物語も、日本の田舎から中国、イギリスまで発展していくのでした。

そして、読み始めた頃には想像もつかない壮大な物語へと発展していく本作。奇獣もキュートなものから怖いものまでさまざまで、いろいろと登場してくるところが魅力のひとつです。

奇獣もさまざまで

『鬼を飼う』では、さまざまな奇獣が登場してきますが、特に筆者が面白いと感じたのは神だと人々に信仰されていたものが、実は奇獣だったというもの。あくまでファンタジーの中の世界ですが、よく田舎で目にする〇〇信仰の〇〇が奇獣だったらと思うとちょっとワクワクするようなしないような。私たちの生活の中にうまく溶け込んでいるような設定がみどころです。

奇獣と人間の絆

謎の少女・アリスに惹かれ、思わず四王天の店に行ってしまう鷹名アリスもまた、鷹名に非常によく懐いていきます。見た目の年齢や異種同士とはいえ、互いに強く惹かれ合う2人の姿は、物語の核となっていきます。

奇獣と人間という相いれない存在だとしても、互いに必要とし、が生まれる。これこそまさに純愛。自分の命に代えても守りたい。そんな思いが描かれていきます。この2人のエピソードは、この物語の最大の魅力といっても過言ではないでしょう。

奇獣と人間の深い絆を描くだけなく、人間同士の絆も描いています。鷹名とその親友・司や四王天の友人たちとの絆も。題材は奇獣といったあやかしではありますが、そこに描かれているのは「繋がり」。この普遍的なテーマが根底にあるからこそ、多くの読者の心に響くことができたのでしょう。

まとめ
今年は、この「民俗学」に関係する作品を紹介。妖怪、鬼、あやかしなどなど日本には多くの怪異が登場する作品がたくさんあります。今後も徐々に紹介していきます。

kayser

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