女の子たちはどう生きるか

ananで2015年から連載しているさんぱくちゃん。
様々な女の子たちが、笑い、悩み、怒り、そしてまた悩みながら今を生きる姿を書いています。

これからここでも厳選して公開していこうと思います。誰か1人でも彼女らが友達になれたら良いな。

さんぱくちゃん。三白眼だからさんぱくちゃんです。貯金ゼロ。

漫画と短いコラムもセットの形式なのでこの漫画のコラムも

私は自分のセクシャリティをわかっているつもりだったのですが、先日「anone」という自分のセクシュアリティを診断できるサイトを試してみると(医学的根拠はないのであくまでも考えるきっかけに)、自分でも気がついていなかった「サピオセクシュアル」でもあることがわかりました。知性に惹かれる人のことで、頭がキレる一面を見た時にセクシーさを感じる。私は美しい文章や知性の奥行きを感じた時に昔っからときめく習性があり(外見より断然知性)、本当にしっくりきました。この診断では「こころの性」「恋愛的指向」「性的指向」「表現したい性」がわかる仕組み。「好きな人が自分に振り向いたら冷めてしまう」友人はリスロマンティックだったり、深く信頼関係ができてからでないと性的欲求を覚えないという友人はデミセクシュアルだったり。強い絆があれば体のつながりがいない友人はフレイセクシュアルだったり。「もっとグイグイいきなよ」「それは日和ってるだけ」「え?おかしいよー」なんて知らないことで余計に傷つける、傷つけられる可能性を減らすためにも、様々なセクシュアリティの認知が広がって欲しいなあと思うのです。


アイドル好きで貯金ゼロで嫌となかなか言えないミミ。

布団の中は聖域

結婚というと「お祝い」がセットですよね。祝うことは素晴らしい事です、何も悪い事ではありません。2人の人が一緒に生きていこうと決意する事はたしかに覚悟を伴うものだし、それを応援する気持ちは尊いものです。
でも祝えない気持ちの時もあるわけで。「祝えないお前は心が狭い」とか「ショックを受けるとか相手の幸せを本当に願ってない証拠だね」とか言われる覚えはないんですよね。もちろん、人の目につくところに悪口を書いたりするのは絶対違う、でもショックはショックでいいと思うんですよ。祝えないものは無理して祝わなくていい、そもそも結婚なんて国のただの制度ですから。
本来、結婚はハッピーエンドではなく「この制度を使いまーす!」というもの。好きな人の結婚なんか祝えなくて当たり前です、それが芸能人の推しでも。本当に相手の幸せを祈れるなんて、相当、相手からも愛を貰わないとできない事ですから。どうどうと悲しんで折り合いをつけられたら良いなと思うんです。そして自然とこの人をお祝いしたい!って時が来たらお祝いしたら良いんだと思います


2次元が好きでイラストレーターとして食べていくのが夢なフーコ。バイセクシュアル。貯金ゼロ。

2次元の推しの死

友人が先日「推しがまた死んだ……」と死にそうな顔でうなだれておりました。わかる、わかるよ。私も何度か2次元の推しが死んだことあるけど、5年くらい認めなかったですもん。自分の中で「推しは死んでいない」解釈を無理やり作り上げたり(そのためにネット上で気持ちを同じくしている同士の解釈を読み漁ってはちょっと救われ、しかし現実に打ちのめされ……)、認めたくないあまりに死んでないルートのストーリー考えたり。ヘイトでない限り公式を受けいれなければいけない……わかっている、ファンとしてそうでありたい、でも辛い、辛すぎる。だって推しは確実に自分の中で生きていたから。というか私に生きる活力を与えてくれるくらい尊い存在だから……。辛いことがあった時、推しの世界に逃げ込んでまるでそれは聖域だったし、推したちが楽しそうにしている姿で私も楽しくなったし、とてもじゃないけど生身の人間にはぶつけられない気持ちなんかも全部ぶつけたりできた。いやあ、2次元だろうがその人の中に息づいたキャラクターというのはしっかり生きているんだなあと実感します。結局は「推し、ありがとう」と思うしかないんですよね。


フェミニストで親の呪いに悩む編集者のミチコ、貯金はそこそこある。

聖域を作る女

2歳半の娘もぬいぐるみが大好きで出かける時も連れて行きます。(コリラックマがお気に入り)娘からするとまだまだ小さい体で広い世界と対峙するのは不安だらけで、その不安を和らげてくれるお守りなんですよね。イヤイヤするときに投げつけてもきますが……。とはいえぬいぐるみはちびっこだけの物じゃありません。私の友人たちもぬいぐるみ愛好家が結構います。ふわふわで可愛くてお守りになる、大人にも優しく寄り添ってくれるぬいぐるみ。私自身、最近友人たちの影響でぬいデビューしたのですが29歳男性キャラにリボンつけたりして喜びを感じています。だって大人も不安だらけですもの。でも、そうやって自分の味方や聖域を作っていくのは一つ知恵のような気もするんです。みちこは会社では舐められないよう気をいつも張っています。きっと舐められて嫌な思いを過去にしたのでしょう。そんな彼女が自宅では好きなものに囲まれてふにゃんとしている。自分で選びとって作り上げた「好き」でできた空間は最高の居心地なんだろうな。いくら他人が揶揄しても彼女の聖域は奪えない。幸せは自分で作っていくものを体現するみちこです。


シングルマザーでバスローブ屋を起業したユリ。お金のないフーコに部屋と食費生活費を提供する代わり、シッターをお願いしたりしている。金はたっぷりある。

整形したくなったら考えること

何かと賛否が別れる整形ですが、そもそも整形自体に良いも悪いないと思ってます。整形って「手段」であり、大事なのは動機と結果のほう。結果自分に自信を持てて好きになれるかどうかなのだと思うんですね。例えばクリコの場合は「巨乳好き!リスクを調べて……よし私も巨乳になるぞ!そっちの方がしっくりくる」。これって自分に自信が持てることだから個人的にいいねいいねって思います。でもユリの場合、動機がまだこんがらがってます。「あの頃の自分はこうじゃなかった」「今の自分があまり好きでなくなってしまった」「自分がどんどん萎んでいきそうでとても焦る」だったら、整形をしても多分解決しないんですよね。ユリが本当に悩んでいるのは「今の自分を好きになれないこと」。じゃあ整形する前に一度好きになるべく、自分をケアしてみる。自分で自分の顔や体を慈しんでみる。自分のことを寝る前に褒めてみる。そうやって自分を好きになれたり自信を取り戻せたときに、本当にまだ整形をしたいのかどうか。動機と結果をしっちゃかめっちゃかにしないためにもまずは自分の気持ちを冷静に見つめるのが大切だなと思うのでした。



読書家でミューズのようにモテるクリコ。転職活動を経てショップ店員になったけど、コロナで今色が危うい。貯金ゼロ。

その怒りはどこから?

牛乳を冷蔵庫にしまってと言ってもしまってない……。人間そんなもんです。しまう習慣が着くまでは何度かしまい忘れてしまうものですし、習慣を作るってことは前の習慣をなくすってことでもあり時間がかかるんでくよね……って牛乳を戻す習慣をつける話が本題ではなかった。
怒りについてです。怒りという感情はとても大切なもので、無理して正当な怒り(不当な扱いを受けたなど)に蓋をしてしまうと怒りが変に拗れてしまいます。
でも、怒らないほうが良いコミュニケーションもたくさんあるんですね。クリコはPMSでイライラしていたのが祟り彼氏に牛乳をしまっていないという理由でブチギレてしまいましたが、そんなの攻撃的に言わなくていいことです。
クリコの気持ちを因数分解すると、「うわーん、気持ちが不安定、誰か助けてー!私の言ったこと、価値観を無視しないで!」というもので、甘えたい気持ちなのかなぁと思うんです。
怒るより、甘えたいから甘やかしてって言えるほうがきっとお互い楽だし信頼関係も生まれそう。自分の気持ちを俯瞰で認知することは怒りをクールダウンさせるのにも役立ちます。後悔する前にレッツ俯瞰


こんな感じの彼女たち。どうぞよろしくね。

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#女の子たちはどう生きるか
#さんぱくちゃん

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