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くるりの事

連休前半は家で本の整理をしていた。くるりの音楽ファイルを兎に角すべて一つのフォルダに入れて途切れずにずっと聞いていた。
本当はアルバム単位で聴くのが好きなのだけれど、たまにはランダムにどんどん聞くのも良いかな?とあるだけを放り込んた。
本当は27日(岸田氏生誕日)にUPしようと企んだのにノロノロしてワタワタしている間に時間は無常にもどんどん過ぎて行ったのだった。

くるりは不思議なバンドだ。
初めて出会ったファンデリアの頃は若者的なエッジの効いた、なんでもザクザク切ってやるぜ!な印象の鉈みたいなバンドだと思ったのに。
メジャーデビューのストレンジャーはもちろんザクザクしているくせに『や、僕たちそんなつもりじゃなくて』なお気持ちを察してあげたくなるようなナイーブな詩人的音(これ伝わるかな?)で柔らかな胸の内側を謡ったりしてくる。
未だに何かあると聞いてしまう自分的な名盤の図鑑に至っては「は?あなたたちははっぴいえんどに昇華するおつもりなのですか?」と問いただしたいくらいに姿を変えて私をほんろうしてきた。
(七変化するのはヤマトナデシコなキョンキョンだけで充分だよ)

そして「くるり」と言うバンドに五体投地で「申し訳ありませんでした!私はあなた様たちをちょっと小手先の器用な若者バンドと高をくくっておりましたぁぁ!」と謝罪を大音響で申し述べたメジャー3枚目のTeamRockで完全に寝首を掻かれた。
だってはっぴいえんど的な音を模索するバンドと思っていたのに、すっかり分厚い音でこっちを殴ってきながら、YMOですがなにか?って言ってきたんですよ。もう謝る以外の術があるとはまったくもって思えなかった。

以降は「は?ヤんのか?ヤんのか?コルァ!」な姿勢で臨んだところ、THE WORLD IS MINEでぶん殴られずにすんだ(笑)
無防備にしていたら身ぐるみはがされたトコロだったよ。(ザインくらいに)

そう、くるりは何をしてくるか全く予想のつかないバンドなのだ。
だから目が離せなくなった。
このバンドはやばいと思った。

一人の人間が聞きたい音楽を探した場合、
例えば私の父はマーチが好きだった。
室内楽でもなく交響楽でもなく、行進曲に特化した楽曲をことのほか愛でていた。
オトウトはC&Wをとても愛している。
自分でもバンジョーを奏でて、C&Wバンドをやっていた。
しかし私は欲深いのだ。
だから色々な音が欲しい。
色々な音を奏でてくれるバンドが好きだ。
だからずっと探していて、くるりに出会えて本当に良かったと思う。

余談。
二年ほど前にたまたま見たアニメのOPが絶対に岸田氏の作だろうと思った。
歌っているのはマーヤ(坂本真綾様)だ。
どの角度から聞いても岸田氏のメロだし全体の音が岸田氏の構成だった。
ちょっとだけ歌詞がくるりっぽかったW
すぐに調べたらちょっと前に公式で発表があったアニメの曲作ったよと言う記事にぶちあたった。
マーヤ様は素晴らしく素敵に歌っておられた。
でもいつかこの曲をくるりでやらないかな?とヨコシマな事を思った。
けれど最近この楽曲を聞いたらこれはマーヤ様が歌うために作られた楽曲だと確信した。
だからくるりでの演奏はないんだろうと思った。

https://youtu.be/gfLWtjYUIf0?si=Ftp540fHj-wRO-y3