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外国人留学生のその後


 日本で働く外国人と深い話がしたい。あちこちにアンテナを張りたくても、どこに行けばいいのかわからず、うろうろ・・・ここだろうか、いや、あそこかな、どこなんだ!!

 どこへ行けば、対等な立場で自由に会話ができるのか。心が軽くなれるのか。

 外国人仲間たちは、誰一人として、ストレートに日本で生きる道を選んだわけではなかった。高校や大学時代に交換留学で日本にやって来たことをきっかけに、その後、母国と日本とを物理的・精神的に行き来しながら醸成。そして、覚悟を決めて日本の大学院に来ている。その途中で、ないしはその後にコロナ禍になり、諸々の事情で母国へ帰る機会を逸し、そのまま日本に残留。その間、日本とのネットワークを築き、日本人個人や企業から信頼関係を勝ち取った結果が永住権取得か。

 中学時代に父親の仕事(大学客員教員)の関係で、日本の公立中学校に通ったことが、日本とのつながりを持つきっかけだったというモンゴル出身のAさん。母国で大学を出て、通信社に勤務し、その後来日。大学院で学んでいる。大学、客員教員、日本の公立中学校、モンゴル語・・・さらっと話す中に刺さるワードが散りばめられ、私は勝手に想像を膨らませた。そして、起業家として日本で稼ぐようになるまでの苦労を察した。けれど、予想外の返しが。

 日本とアメリカだと、文化も言語も異なるから大変だろう。でも、僕の場合、日本語と同じアルタイ語族のモンゴル語でしょ。言葉を覚えるのはそんなに大変ではなかった。顔つきも同じだから目立たないし。それに、府中の中学校での経験が大きかった。

 なるほどねー。そういう返しが来て、改めてアメリカ時代を振り返る私。

 でも、あなたの家族はどうなのよ。奥さんや子供は、日本でどういう暮らしをしているの?奥さんは孤立していない?子どもの日本語ボキャブラリーは?夏休みをどう過ごしているの?

 自分がアメリカで経験したいろんなことを思い出し、彼らと重ね合わせてみる。そして重ならない部分を知って、さらに自分を掘り下げる。それを繰り返すのか。そうすることで、日本が見えて来て、アメリカをより深く知って、そして世界が見えてくる。その先に、自分が明らかにしたい「アイデンティティ」の問題が言語化できるようになるのかもしれない。

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