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フィンテック Paypal (PYPL)の分析

はじめに

現在、ハイグロ系、コロナ系銘柄の調整が続き、バリュー株へのローテーションが続けられている中、どのような領域、銘柄が今後伸びるかを考えた時に、フィンテック、その中でもPYPLは注目に値すると考え、今回このPYPL分析noteを記事にしました。

皆様の参考となれば幸いです。

会社概要

$MA, $Vと並べてMVPとされるフィンテックカンパニー。決済インフラとも呼べるサービスを提供。最近は仮想通貨への投資を進めている。200ヶ国以上、2億人以上が現在利用している。

PayPalは1998年に設立以来、お金のやりとりをもっと自由に、もっと安全にすることを目指し、一貫してデジタル決済のイノベーションに努めてきた米シリコンバレーのフィンテックカンパニーです。・・・
ペイパルは、消費者に対して安⼼・便利なネット、リアルそしてモバイルでのショッピングや個⼈間送⾦を実現するデジタルウォレットサービスを提供する⼀⽅、ビジネスに対してはシンプルかつ低コストな決済ソリューションから、越境EC・訪⽇観光EC、モバイル・アプリ、シェアリングエコノミー(C2C スキーム)、または次世代ショッピング&デジタルコマースまで対応できる幅広いプロダクトやサービスを提供しています。
現在では200以上の国と地域で、100通貨以上での決済、56通貨で銀行口座への入金、25通貨での支払いの受け取りが可能なネット決済のグローバルスタンダードとして、2億人以上および1,800万以上のビジネスが世界中でペイパルを利用しています。ペイパルは世界をリードするオープンデジタル決済プラットフォームとして、2017年は約76億件 の取引を決済し、うち27億件はモバイル決済でした。
引用:Paypal

売上情報

売上の大半はトランザクション収益となっています。特に成長鈍化の傾向もなく非常に安定して売上成長を見せています。グラフは割愛しますが、営業利益も綺麗な伸びを見せています。

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出典:Statista

地域で見ると、大半がUSでの売上ではありますが、200ヶ国以上で使われており、米国外の売上も十分にあります。

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出所:Craft

もう少し細かく国別にみると以下の通りです。欧米中心となっていることが伺えます。

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出所:Thinkmonsters

サービス概要

売上はトランザクション収益がほとんどですが、サービスは多様なものを提供しています。

共通プラットフォームの上でtoB, toCの両方へ多様なサービスを提供していることが下の図からわかります。

テクノロジー視点で見ると共通プラットフォームでできると、データ活用も容易ですし、メンテナンスコストも下げやすい、などのメリットがあります。

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出所:Paypal

PYPLは次世代のコマースプラットフォームづくりも進めています。下の図をみてください。提供ソリューションは決済に留まらずマーケティングツールなども含んでいます。このようなサービス拡大ができるのは、決済基盤を押さえており、そこから生まれる消費情報を持っているがゆえかと思います。

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出所:Paypal

後払い決済対応

最近米国株でも話題が増えてきた後払い決済にも進出しています。

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仮想通貨への取り組み

 PYPLは仮想通貨への取り組みも進めています。リブラにも以前は参加しており、金融業会におけるプレゼンスの高さと先見性が伺えます。結果として大きな縮小を余儀なくされたリブラから早期に脱退している点も興味深い点です。

Curvというイスラエルのデジタル資産セキュリティ向けサービス提供企業の買収も行なっています。

PayPal Holdings, Inc. (NASDAQ: PYPL)は本日、暗号通貨とデジタル資産をサポートする取り組みを加速・拡大するため、Curvを買収することで合意したと発表しました。Curvは、イスラエルのテルアビブに拠点を置くデジタル資産セキュリティのためのクラウドベースのインフラストラクチャを提供する大手プロバイダーです。
出所:Paypal(機械翻訳)

今後の成長予想

ここまで見てきたように豊富なサービスを持ち、高い成長実績を示してきたPYPLですが、今後も高い成長を予定しています。下の図のようにCAGR22%のEPS予想です。EPSというのが味噌かと思います。現在ハイグロ銘柄が激しく下落していますが、その下落の要因には黒字化できていない、そして将来的黒字化に懸念がある、というのがあるかと思います。その点ではPYPLは安心であり、新規サービスを追加しながらもEPSを伸ばす計画となっています。

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出所:Paypal

高い成長性を誇る企業で気をつけなくてはいけないポイントがあります。それはパイを食べ尽くし、成熟してしまうことですが、PYPLはこの点もクリアしています。PYPLは事業領域の拡大を予定しており、そのTAM(Total Addessable Market)は110Tであるとしています。
下の図のように新興国、実店舗決済も参入対象としているようであり、期待ができるポイントかと思います。

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出所:Paypal

パートナーシップ

非常に強力な企業とパートナーシップを結んでいます。

$MELIやGojekといった新興企業も押さえているところは非常に好感です。

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出所:Paypal

競合状況

ここまでで見てきたように、欧米で大きな売上をあげ、かつ高い成長を見せているPYPLではありますが、強力な競合がいくつか存在しています。

例えば成長著しく、PYPLも力を入れているモバイル決済ですが、GOOGL、AAPL、BABA、テンセント、SQ、SBUXなどの様々な企業がサービスを提供しており、特にBABA、テンセントに関してはユーザ数や機能レベルなどで劣っている点もあり、最も魅力的な市場のひとつである中国市場への参入は厳しいでしょうし、中国近辺のアジア市場でも苦戦するかと思われます。

リープフロッグかつ巨大な人口を持つ中国系企業のユーザ数は圧倒的です。
(欧米はやはりカード社会でありモバイル移行が遅れている現状)

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出所:MerchantSavvy

PYPLが主戦場としている欧米では中程度の成長が予想されています。中国、アジアが高い成長率予想となっています。

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中国以外を見てみても、モバイルペイメントアプリは乱立しており、それぞれに強みを持っています。

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出所:Moneyunder30

残念ながらContactless payment usersの観点ではAAPLに追い越されています。iOSなどの魅力的なハードやソフトを抱えるAAPLに対し、欧米圏でユーザ数のみの勝負となると難しいようです。

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出所:ecommpay

ESG

ESG投資の流れもあり、ESGという観点も重要性を増しているためここで取り上げます。

PYPLはESG対応も進めています。社員の人種も多様であり、女性比率も比較的に高い企業です。つい最近にも以下のようなIRを出しています。

また、コロナを意識した安全なショッピングの実現にも取り組みを行なっています。俳優を起用してPayPalやVenmoを使ったタッチフリーの新しい支払い方法を紹介しています。

さらに、低所得者層などへのサポートも会社として行なっています。

PayPal Holdings, Inc. (NASDAQ: PYPL)は本日、米国内のワクチン接種地への無料または割引料金での乗り物を提供するUber Technologies, Inc. (NYSE: UBER)の取り組みに参加し、交通手段がワクチンへのアクセスの障壁とならないよう支援することを発表しました。
出所:Paypal(機械翻訳)

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最後に

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