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尾形光琳の紅白梅図屏風 #41

名品展 国宝「紅白梅図屏風」
MOA美術館
2024年2月10日(土)


今日の一枚は、尾形光琳 紅白梅図屏風。

何時間でも見ていられる。尾形光琳の作品を全部見たわけではないが、恐らく最高傑作なのではなかろうか。

尾形光琳 紅白梅図屏風 国宝 江戸時代18世紀 MOA美術館


左右の梅が写実的ながら、中央にデザイン的な水流。これが組み合わされて、「とても長い時間」を表現しているかのよう。そんな概念的な作品になっているようだ。

改めて見ると、梅は必ずしも写実的でない。幹の緑は、俵屋宗達の垂らしこみだろうか。

右の紅梅は、幹は年季が入っているが、枝はいずれも伸びやかに伸び、若々しい力を感じさせる。

紅白梅図屏風 左隻


左の白梅は歳を取っていて、その枝は下がって、上がって、なお花をつける。この白梅に、衰えてなお続く人の時間の連なりを感じるのは、感傷的に過ぎるだろうか。


野々村仁清 色絵藤花文茶壺 国宝 江戸時代17世紀 MOA美術館


赤、薄紫、濃い紫の藤の花。特に濃い紫が美しい。

この茶壺と紅白梅図屏風には、専用と思われる展示室があって、作品に没入できる。


伝 岩佐又兵衛勝以 山中常盤物語絵巻 重要文化財 江戸時代17世紀 MOA美術館


辻惟雄の奇想の系譜にあった岩佐又兵衛の山中常盤物語絵巻。そういえばMOA美術館所蔵であったか。牛若が奥州の佐藤の館に着いた場面。


青磁大壺 郊壇官窯(こうだんかんよう) 中国南宋時代12世紀~13世紀 MOA美術館


南宋の官窯の大壺である。大ぶりで、艶やかな青と貫入が美しい。


佐竹本三十六歌仙絵切 平兼盛像 重要文化財 鎌倉時代13世紀 MOA 美術館


大正8年に歌人ごとに切り離された佐竹本である。佐竹本を持つことは当時のステータスであったようだ。MOA美術館の岡田茂吉も買っていたのね。


色絵桃花文皿 鍋島 重要文化財 江戸時代17世紀末~18世紀初期 MOA美術館


鍋島焼の名品らしい。青い地色が美しい。


阿弥陀如来坐像 鎌倉時代12世紀末~13世紀初期 MOA美術館


台座にかかる流麗な衣文。この台座、均整が取れて、かつ美しい。法隆寺の釈迦三尊像が彷彿とする。


茶室 一白庵


MOA美術館の入場券には、茶室での抹茶がセットになったものがある。現地で数百円追加すると、落雁をお汁粉に変更できる。

MOA美術館


尾形光琳の紅白梅図屏風は、例年この時期だけしか展示されないらしいが、今年は例外的に秋にも展示の予定があるそうだ。

熱海の海鮮丼も含めて、日帰りで、かなり楽しめる。



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