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部分麻酔で意識がある中、お腹を横に15センチきりました、未だに痛痒いです、出血量1500(多め)、万一に備えて自己貯血もしました、これが、本当の帝王切開のリアルです。

今日はどうしても伝えたいことがあります。

帝王切開、つらいよ?むちゃくちゃ。

なぜだか子育ての世界って派閥争いありますよね、その最たる帝王切開と普通分娩の争い。

あれ両方やった私にどうぞ言わせてください。

帝王切開のつらさ、それは尋常じゃないよ。なめんなよ。

詳細は後述するけどとにかく事後が辛い。

一方、たしかに陣痛はむちゃくちゃ痛い。

例えるなら、小人が腰に集まって小さなハンマーで腰を一斉に叩いてくる。その小人が5人が15人位にどんどん増えていくような感じ。

叩き方も、トントン、だったのがガンガン!!ってなるようにだんだん増えてくる感じ。

でも痛みと痛みの間にふうっと楽になる瞬間があり、一瞬寝てた?と思うくらい。いつ終わるかもわからない、どんどん痛くなっていく、自分を見失うくらい追い込まれ、腰をさする夫にそこじゃねえーとブチ切れ、どんな体制をとってもひたすら痛い。立っても痛い座っても痛いとにかく寝てなっていられない。じっとしていられないからうろうろして、どこかにつかまっていないと耐えられないくらい痛い。

助産師さんのゴットハンドに涙がでそうになり、だんだんどうもおかしい、便が出そうだと騒ぐとそれは便じゃなく赤ちゃんよ!いいや、これは便よ、赤ちゃんよ、ともめてトイレに助産師さんに同席してもらった苦い思い出。

 陣痛室に入ったのに、アロマを炊こうが、クラッシックを流そうが、全然お産がすすまず隣でどんどん生まれていく。明け方に控えている、陣痛真っ只中でみた日本代表戦。勝敗を気にしていたのに、いま1点入ったよ!と興奮気味の夫にまたもや、ブチギレ、うるせーこっちはそれどころじゃねえ!!と怒鳴った思い出。

 陣痛がいっこうにすすまなくて、泣きながら先生にどうにかしてください、助けてくださいと言ったのは2日め。あんなに情けない姿をさらすことにナンの抵抗もなかった。とにかく早く楽にしてという気持ちが強かった。

入院当初の誕生予測は、当日の昼過ぎが夕方になり、翌日の明け方になっても事態は一向に動かない。切迫早産で55日も入院していたのに、早々に生まれそうだったから点滴をしていたのに、全然楽なお産じゃないし、むしろすぐ生まれないし、一体どうなってるの、って思いながらもとにかく何もできない。骨盤はだいじょうぶか、ついにレントゲンを取らされる。ひたすら頑張って耐えるしかない。隣の分娩室でもどんどんうまれていく。そんな29時間半の末に、めちゃくちゃ痛い吸引分娩で生まれた息子。

2人めは、予定帝王切開でした。なぜかというと、前置胎盤、だったのです。高確率で帝王切開になります。母親も出血多量で命を落とす可能性があるからです。さらっと言われました。命に関わるよって。え?ってなりました。

予定帝王切開です、と告げると、当時の上司(男性・既婚)に、

「陣痛ないから楽でいいですね」と言われました。そのときはまだ出産前でよくわからずそうですねみたいな対応しましたが、今言いたい、完全なる誤解です。

 帝王切開は予定だったので、出血に備えて自己貯血というあらかじめ自分の血をためておく処理もしました。何があってもいいように、手術は平日の朝一番、スタッフさんが万全な状態で始まりました。部分麻酔をするのですがこれが痛すぎる。背中をまるめて針を刺されるのですがとにかく痛い。大きなお腹を抱えてほぼ裸に頼りない手術着でできるだけ丸くなっても痛い。目の前に見えるのは手術室の冷たい白い壁。マスクだらけのスタッフさん。もしかして死んでしまったりしたらどうしよう、恐怖でガタガタ震えました。怖いよ嫌だよお腹切りたくないよと震えました。

 バースプランには、とりあえず不安で仕方ないから励ましてほしいと書きました。麻酔が効いてきてものすごく気分が悪くなりました。娘がこの世にぶじ出てくることだけを祈り、早く終われと心でずうっと祈っていました。

開始して10分くらいで、娘誕生。ふぎゃあ、という声を聞いたときは嬉しくて、無事だったちゃんと生まれた、会えた、と気持ちがごっちゃんになって、とにかく涙がこぼれました。よかったよかった、ちゃんと生きてる、と。

問題はそのあと!

産後が全く違うのです。

息子のときは、スタスタ歩けて先生にびっくりされた。

娘のときは、点滴の棒につかまっていなければ立てないくらい痛かった。徐々に管を外すのですがおしっこにすらいけない。水も飲めない。辛かった。いたくて眠れなかった。お腹をきられるということは、こういうことか、と思った。他に手段はなかったとはいえ、ほんとに辛かった。

そして術後しばらくはお腹に力が入らない。

皮膚の突っ張った感じがした。(同じように帝王切開した人に聞いたらやっぱり縫われたところはつっぱった感じがするとのこと)

お腹を切る、っていうことはものすごく大ダメージだ。

息子のときは産後妙に気分が高揚して、多分産後ハイだった。変なアドレナリン出てる気がした。疲れているのに眠れなかった。

「帝王切開した」というと、ふーんという反応だと思うがこれは知らないからだと思う

「15センチお腹を切り、意識がある状態で部分麻酔した、中身をぐちゃぐちゃ引っ張られる感じ」と聞くと同じことなのにまったく深刻度が違う。

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