CASEに関わる最新海外動向 (2021年11月)

2021年11月2日~12月10日

この期間の重要な動向

■ 今年EVの全世界販売台数は約560万台となる見込み、これは昨年の販売台数のほぼ2倍で、全車両販売台数のほぼ8%を占める

✔ 2021年、中国のプラグイン車 (BEVとp-HEV)の年間販売台数は3百万台を超える可能性がある

■ 米国でBEV支持が増えている

✔ 2030年以降、全ての新車がBEVとなることに対して有権者層の支持が55%、反対が35%

■ 中国の自動車輸出が急拡大している

✔ 10月の自動車輸出は86%増の22万台で、今年10月までに前年比2倍以上の243万台になった
✔ Teslaは今年頭から上海工場は輸出ハブにもなっており、Nio、Xpengも欧州に輸出を拡大している

■ 中国系EVスタートアップの機能強化が欧米企業をしのぎつつある

✔ NIO、XPeng、WM、AVATR、Aion等が2023-24モデルで搭載するセンサー数、車載コンピュータ処理速度、充電速度、航続距離等で日米欧の車種を圧倒している

■ Didiの上場廃止は中国企業の米国株式市場での栄光の終わりの徴候

✔ DiDiは米国で上場廃止し、香港に再上場すると発表
✔ 北京政府は、香港株式市場を支配下にあると考えており、中国企業の米国株式市場への依存を減らし、自国にその競争相手を構築する可能性がある

■ FordのBEV F-150 Lightningの20万台近くの予約に対して、生産予定量が2024年まで15万台であり、今後3年間は受注残となる

✔ その一方、Fordは2023年までにEV生産量を年間60万台とすると発表

■ GM、Fordは半導体会社との直接的関係を強化する

✔ GMはQualcomm、STMicroelectronics、TSMC、Renasas、ON Semiconductor、NXP、Infineon等複数の半導体企業と共同開発を行う

✔ FordはGlobalFoundriesとの関係を強化

■ 大型トラックのEV化が急速に進みつつある

✔ 10月以降、中国の巨大自動車メーカー、SAIC、FAW、GeelyがBEVを含むNEV化計画を発表
✔ 中国では9月の時点で、約3.2M台のセミトレーラーが走る。大型トラックは通常、1Mキロメートル、約5年でリプレースされ、乗用車より切り替え周期が早い。
✔ Teslaはネバダ州ギガファクトリー近くに少量生産ラインとTesla Semi用のメガチャージャーステーションを建設した

■ IEAの「再生可能エネルギー2021」によると、2021年はクリーンエネルギー導入記録を破る

✔ 2021年に記録的な290GWが追加され、2026年までに、対2020年で60%以上増加し4,800GWを超えると予測
✔ 再生可能エネルギーは、2026年までの世界の電力容量の増加分の95%を占め、特に太陽光発電が半分以上を提供

以下詳細です。

◎◎◎ 米国の動向 ◎◎◎

米国の調査では全有権者の55%が、2030年以降に販売されるすべての新車がすべてBEVである事を支持しており、反対は35% (35)

 ◇ 政府とFord、GM、Chrysler(Stellantisの一部として)の計画は2030年までに米国で40〜50%のEV販売を約束しており、遅れている。

★ バイデン大統領のBuild Back Better法案に対して、EV補助金拡大に関してEUは労働組合化している米国の自動車メーカーの車を購入する差別的なインセンティブであり、大西洋での貿易関係を緊張させると警告 (11、49)

 ◇ TeslaやVWやトヨタのような海外自動車メーカーも、米国労働組合を優遇(UAW系EVへの追加$4,500)する提案で差別的だとして嫌悪感を表明している。

◎◎◎ 中国の動向

★ プラグイン車 (BEVとp-HEV)の販売シェアが16%になり、2021年の中国での年間台数が3百万台を超える可能性がある

★ 中国の貿易データによると、10月の自動車輸出は86%増の22万台で、今年の最初の10か月の自動車輸出総数は2倍以上の243万台になった 

★ 中国NEVの雇用数は、2021年上半期に前年比で95%急増。人工知能、自動運転、スマートコックピット設計の専門家が最も求められている

 ◇ Xiaomiの自動車部門の上級エンジニアの雇用契約は年俸が60万元($93,600)で中国の平均収入の5倍以上であり、ストックオプションが約1M元。

★ Didiの(米国)上場廃止は中国企業の米国株式市場での栄光の終わりの徴候

 ◇ 米国SECと中国政府の間に挟まれ、米国で上場廃止し、香港に再上場すると発表。北京政府は、香港市場はその支配下にあると考えており、香港に上場する企業が増えることを容認している。

◎◎◎ 欧州の動向 ◎◎◎

★ ドイツの連合政権は明言せずに、内燃機関禁止を求める

 ◇ 次期連立は、2030年までにドイツの道路に少なくとも1,500万台のBEVを導入することを計画しており、2028年頃までにガソリン車とディーゼル車の登録を停止する必要がある。一方、新政権の財務大臣(予定)は、燃焼機関禁止に公然と反対を表明した。

◎◎◎ EVの動向 (Tesla) ◎◎◎

★ Elon Muskは、Tesla従業員に今四半期は出荷台数を増やすよりもコストに気を配るように伝えた (37)

 ◇ Teslaは直接販売のため、購入者に配達が完了して売上が立つ。その結果、四半期毎の決算で期末に流通在庫があると利益が悪化する。今期は、出荷台数を抑え今後の流通在庫を平準化させる可能性がある。

★ Model S/Xの最安値バージョンの出荷は2023年にずれ込むが、高いオプションを選択すると納期が短くなる

★ 何ら発表を行わずに、中国製Model Yの走行距離を若干伸ばすが加速性能が落ちるアップデートを行った

★ 自動運転用半導体は自社設計だが、エンターテインメントシステム用の半導体には汎用的なCPU/GPUを必要としている

 ◇ 上海ギガファクトリーで生産されたModel Y PerformanceのCPUとしてAMD Ryzenチップを使用していることがわかった。Teslaはすべてのバリエーションで、通常同じオンボードコンピューターを使用している。

★ 約$200Mを投資し、ギガファクトリー上海を拡張し、4,000人を追加雇用する

 ◇ Teslaはギガファクトリー上海を今年「輸出ハブ」に変え、過去3か月連続で月間50,000台以上の車両の生産しており年間50万台の計画容量を超えている。

★ Full Self-Drivingを利用する古い車種にカメラアップデートを無償提供

 ◇ 2016年にAutopilot 2.0センサースイートを発表して以来、将来のソフトウェアアップデートで完全な自動運転機能を実現するために必要なすべてのハードウェアを備えていることを約束したが、その説明は不正確であることを認め、Autopilot 2.0車両ではFSDパッケージを注文した人は無料でカメラをアップグレード出来る。

★ ケベック州とバッテリー製造に関する$数Bの投資に関して協議中

★ スーパーチャージャーを”ICEing”される事を避けるシステムに掛け、アプリに統合させる

 ◇ 中国ではスーパーチャージャーの充電場所を邪魔される、あるいは「ICEing」されるのを防ぐためにシステムを導入し、モバイルアプリで解除できる。

★ Cybertruckを4モーター四輪駆動化し、GM HummerやRivianの様に”蟹走行”もできるようにアップデート (13)

★ Teslaのギガキャスティングは、他の中国約6社にも採用される可能性がある 

★ VWのCEOはVWがツヴィッカウ工場で30時間以上要するのに対して、Teslaはわずか10時間でEVを作ることができると従業員に警告

★ FordのCEOは社内会議でTeslaを「だれもTeslaほどうまくEVを作れない」と称賛した

◎◎◎ EVの動向 (VW/Audi) ◎◎◎

★ EV Volumes社は、VWが2025年までに市場の12%のシェアで2番目に大きいEVメーカーになると予想している (64)

◎◎◎ EVの動向 (Mercedes-Benz)

★ 1,000Kmの走行距離をもつ次世代の超効率EV VISION EQXXが来年1月3日に発表される

★ Daimlerは今年始め買収した英国のスタートアップYASAが開発したEVモータをベルリン工場で最初の自社製モーターとして製造する

◎◎◎ EVの動向 (GM)

★ EV ピックアップトラックのChevy Silveradoの生産が2023年初頭になると発表

 ◇ EVピックアップトラックの出荷開始として、GMはFord F-150 LightningやRivian R1Tよりも遅れる。(GMC Hummer EVは別枠)

★ Bolt EVの新規生産は少なくとも来年1月後半まで行われない

 ◇ GMC Hummer EV、Cadillac Lyriqなど新しい車両が今後数か月で出荷を開始になるまで、Boltが同社が現在米国内で販売可能な唯一のEVとなる。

★ GMは半導体供給を確保するため、複数の半導体ベンダーと共同開発を行う

 ◇ 現在、Qualcomm、STMicroelectronics、TSMC、Renasas、ON Semiconductor、NXP、およびInfineonと半導体の開発に取り組んでいる。

★ 半導体不足に対処し、売上は下がっても収益は上がった

 ◇ 半導体不足による生産減により値引き率が下がったことで、収益の質は向上し税引前利益の見込みを約$14Bに上方修正。

★ EVモーターに利用する希土類金属を北米内で調達する方針

 ◇ GMとの契約に基づき、MP Materialsは、GMの今後のEVラインナップに対して「米国で調達および製造された希土類材料、合金、および完成磁石」を提供する。

★ 北米にカソード工場を建設する計画を発表

 ◇ 韓国のPosco Chemicalとの合弁で、EVバッテリーセルのコストの約40%を占めるカソードの工場を2024年までにオープンする。

◎◎◎ EVの動向 (Ford) ◎◎◎

★ F-150 Lightningの予約は20万台近くあり、3年間は受注残となる

 ◇ 一方、生産計画は、2022年15,000台、2023年55,000台、2024年80,000台。

★ 2023年迄に年間60万台近くのEVを生産し、Teslaに次ぐ第二位のポジションを得る競争の準備ができているという

 ◇ Fordの最初のBEV Mustang Mach-E、来春発売予定のF-150 Lightning、およびE-Transit商用バンの需要が期待を高めている。

★ 2021年にFordはGMより多くEVを販売するとMorgan Stanleyが予測 (33)

 ◇ Morgan Stanleyは、EV販売台数は、22年にFordが15万台(Fordの3.5%)、GMが11.4万台(中国の軽自動車を除く、GMの1.7%)。但し、25年にはGMがFordを超えると予測。

★ FordはTier-Oneサプライヤーに頼らずGlobalFoundriesから半導体を直接購入

★ Fordの株価は、2009年の大不況時にFordを救ったMulally時代の株価を超えた

★ FordとRivianはEVの共同開発計画をキャンセル

 ◇ FordはRivianへの初期の大規模投資家の1つであり、EVピックアップトラックを共同開発しようとしていたが、現在Fordは独自でEVが開発可能として、共同開発計画をキャンセルした。引き続きFordはRivianへの投資は続ける。

◎◎◎ EVの動向 (Rivian) ◎◎◎

★ Rivianの大ヒットIPOは、Teslaに対する究極的評価

 ◇ 現在、上位10社の自動車メーカーの市場価値は3分の2以上はEVであり、自動車企業トップのElon Musk氏に感謝する必要がある。

★ RivianのIPOでMorgan Stanley、Goldman Sachs、JPMorgan Chase等引受企業は手数料$170Mを得た

◎◎◎ EVの動向 (Volvo)

★ 半導体不足にも拘らず、売上増を期待
 ◇ 2025年までに年間120万台の販売という目標を達成するために、欧州に第3のEV工場を建設することにより、生産能力の拡大を目指し、2030年迄にBEVのみを売る。

★ COP26の誓約に署名し2040年までにゼロエミッション車のみを世界的に販売することに取り組むことに合意、賛同しなかった競合他社の暗い未来を予測

 ◇ Volvoは世界的EV化への移行が現在の予測を超えて加速すると考えており、「10年後には、EVを持たない自動車ブランドは存続不可能」と述べた

◎◎◎ EVの動向 (中国系) ◎◎◎

★ NIOはShellと共同ブランドでバッテリー交換ステーションとEV急速充電器を中国と欧州全体で展開する

★ NIO ET7が広州オートショーで初登場

 ◇ Aquila Super Sensingと呼ばれ、ライダー、高解像度カメラ、ミリ波レーダなど、33のセンシングユニットを備え、高度なADAS機能を提供する。

★ Xpengは半導体不足にも拘らず予測以上に出荷を増やし、収益が$892Mに達した

★ XPengはX-PILOT 4.0 ADAS機能を持ち、5分の急速充電で200km走行可能なG9 SUV を発表

 ◇ G9は2台のLiDAR、ギガビットイーサネット通信、800V高電圧量産SiCプラットフォーム、軽量の480kW高電圧過給パイルも装備し、C-NCAPおよびE-NCAPの5つ星の安全設計基準、およびEUWVTA車両認証基準に準拠するように設計されており、欧州市場に最初から対応する。

★ BYDの3車種が、10月、BEVとp-HEVで中国で最も売れている新エネルギー車5車種の内3つを占めた (48)

 ◇ 中国乗用車協会によると、p-HEVの中国での販売は10月に180%急増し、新エネルギー車セクター全体の148%の増加よりも急速に拡大し、Great Wall、Chery、Geelyなどの中国の自動車メーカーは、新しいHEVプラットフォームを発表した。

★ 長安汽車がCATL、Huaweiと伴にAVATR 11 EVを公開

 ◇ 長安汽車が車両全体の設計、開発、製造を担当し、CATLはバッテリーパックと関連ソフトウェア、Huaweiが、インテリジェントな運転、接続、およびインフォテインメントのためのハードウェアとソフトウェアを開発。合計処理計算能力は400TOPS、200kW以上の高電圧過充電能力と、700kmの航続距離を持ち、2022年の第2四半期に中国の自動車市場で発売される予定。

★ GAC Aionは1000kmの走行範囲を持つLX Plus SUVを中国で紹介

 ◇ Technology Dayで、急速充電充電技術を紹介し、0〜80%パーセントで8分の充電時間を実現し、30〜80%を充電するには5分未満だった。

★ Xiaomiは北京にEV本社と年間30万台生産可能な工場を建設する契約を北京経済技術開発地域の委員会と締結

 ◇ Xiaomiは、2024年に最初のEVを出荷することを目標に、本社、研究開発、製造工場を2段階(15万台づつ、計30万台)で建設する予定。

★ 中国の複数EVスタートアップが、IPOで$1Bの調達を見込む

 ◇ 農村地域で$10,000以下のEVを提供しているHozonは香港IPOで$1Bの調達を見込み、WM Motorも、来年早々、香港でのIPOをターゲットに約$1Bの調達を目指している。Sequoia Capital Chinaが支援するLeapmotorも、銀行と協力して、来年早々に市内で$1BのIPOを行う可能性がある。

◎◎◎ EVの動向 (日系) ◎◎◎

★ トヨタは最初の米国電池工場にノースキャロライナ州を選んだ 

 ◇ 2025年に生産を開始する予定の自動車用バッテリー製造施設に$1.29Bを投資し、最初に4つの生産ラインで年間80万台分のリチウムイオン電池を作る能力を想定。

★ トヨタは欧州でゼロエミッション車のみを売る用意がある

 ◇ 欧州において、トヨタの平均CO2排出量は主要な従来型自動車メーカーの中で最低になっており、バッテリーがより安価でクリーンになり、再生可能エネルギーを使用した充電インフラストラクチャがより利用できるようになるまで、HEVとp-HEVを提供し続ける。

★ 日産は今後のEV化に今後5年間で2兆円($17.6B)投入する

 ◇ 2030年までに23車種のEVモデルを生産し、内15車種はBEVで、日産とInfinitiのブランドの50%の電動化する。バッテリー生産を2026年までに52GWh、2030年までに130GWhに引き上げ、早ければ2024年に横浜で全固体電池を生産する。

★ 日産のAriyaは米国で$47,125から始まり、予約を開始 

★ スバルは走行範囲250マイルのSolterra EV SUVを発表

 ◇ DC急速充電容量は150kWに制限されており、トヨタはその容量で約30分で80%の充電状態まで充電できると述べている。出荷開始は2022年半ばの予定で、価格は未定。

◎◎◎ EVの動向 (韓国系) ◎◎◎

★ HyundaiのIoniq 5はEPAから300マイルを超える走行距離評価を得た

 ◇ Ioniq 5は最速充電を可能にする800Vのパワートレインを持っており、既に、韓国と欧州で納入されているが北米はこれから出荷。

★ KiaとHyundaiは次世代EV SUVを公表

 ◇ E-GMPプラットフォームで、350kWの急速充電を可能にする800ボルトのシステムと、双方向充電など、今日Ioniq 5に見られるその他の興味深い機能を採用している。

★ EV化が進んでも、Hyundaiはまだ水素に高く期待している

 ◇ 韓国は他のどの国よりも(日本よりも)多くFCVが走っており、Hyundaiは政府の支援を受けて、2030年から年間50万台の水素自動車を生産する計画。

◎◎◎ EVの動向 (大型トラック) ◎◎◎

★ McKinseyによると、中国のグリーン貨物輸送市場は約$860Bの価値があり、世界最大。9月時点で、中国で約3.2M台のセミトレーラーが走る。中国の急速な経済発展と電子商取引の台頭を考えると、トラック、特に大型トラックの需要は急増する

★ Geelyのトラック部門Farizon AutoがHomtruck EVセミを2024年世界市場導入に向け公開

 ◇ Homtruckの目的は家のように感じるセミトラック。シャワーとトイレ付きのバスルーム、シングルベッド、冷蔵庫、ティーメーカー、キッチン、小さな洗濯機があり、レンジエクステンダー、メタノールハイブリッド、バッテリー交換機能を備えたBEVなど、複数のパワートレインオプションを実装するように設計され、LiDAR、ミリ波レーダー、超音波レーダーが5GおよびV2X通信とともに標準装備される。

★ Teslaはネバダ州ギガファクトリー近くの建物に少量生産ラインと充電するため、Tesla Semi用のメガチャージャーステーションを建設した

◎◎◎ EVの動向 (その他) ◎◎◎

★ EVでは大きな金属鋳物、大きな工場、多くの部品と労働力が不要になり、それらの労働者は自動車労働者の20%を占め、削減される最大の部分となるが、GM、FordではEV化で現実的に新しい雇用が生まれている

★ 今年EVの販売台数は約560万台となる予定で、これは昨年の販売台数のほぼ2倍であり、全車両販売台数のほぼ8%を占める

★ Apple Carプロジェクトは、重要なエンジニアを他社に奪われている

 ◇ 9月に開発責任者だったDoug FieldがFordに移り、バッテリー開発の第一人者をVWに採られ、3名の重要なエンジニアをシリコンバレーのエアタクシー系のスタートアップに転職した。Dougを継いだ元iWatch開発者に車を変える事ができるか?

★ Lucid Airの出荷する前、今年だけで$1.5Bを失い累計で約$5Bを費やしたLucidが、4年前Lucidを買収する可能性があったFordの企業価値を超えた 

 ◇ Airの予約が現在17,000を超えた。これは$1.3B以上の売上に相当。

★ ベトナムのVinfastは2車種のEVの市場導入と、2024年に米国で本社と製造工場を開設することを発表

★ EVはコンシューマレポートの品質評価がランクが低い

 ◇ EVは、室内温度、シートコントロール等、以前は機械的であったコントロールをタッチスクリーンに変える傾向があり、これらが信頼性を下げる。

◎◎◎ バッテリーの動向 ◎◎◎

★ Northvoltはバッテリー廃棄物から100%リサイクルされたニッケル、マンガン、コバルトで最初の(NMC)バッテリーセルを製造したと発表

★ XiaomiとHuaweiは個体電池バッテリーサプライヤBeijing Weilan New Energyに投資をし、EV計画を加速する

 ◇ Weilan New Energyは2016年に設立され、中国に3つの生産拠点があり、最大距離1,000kmを誇るNIO ET7などのEVにすでに供給している。

★ Factorial Energyは全個体EV電池の開発の為に、Daimler、Stellantisからの投資を追加した

 ◇ Factorial Energyには、Hyundai、Kia、Mercedes-Benz、Stellantisが投資し、1充電あたり20〜50%長い走行範囲を提供する全固体EV電池を開発する。

★ バッテリーのスタートアップSESは、液体電解質を備えたリチウム金属アノードを使用するEVで使用する世界最大のリチウム金属セルを開発したと発表。2025年までにEV用に商業生産する予定

 ◇ 対照的に、Solid PowerとQuantumScapeは、液体の代わりに固体電解質とリチウム金属アノードを組み合わせて使用し、固体電池を作成することを目標としてきた。

★ バッテリーコストの上昇が自動車メーカーを襲い、気候変動対応推進への懸念となっている

 ◇ 今年カソードに使用される原材料(リチウム、コバルト、ニッケル)や電解質を含むその他の主要コンポーネントのコストが今年上昇し、2022年のリチウムイオンバッテリーパックの平均価格は$135/kWhになり、今年に対し2.3%上昇する可能性があり、$100/kWhまで価格が下がるのは2026年頃になる可能性がある。(BloombergNEF)

★ 中国企業はリチウムを確保するために、あらゆる投資機会に登場する

 ◇ 炭酸リチウムの価格は1月以来3倍以上になり、EVの製造コストが約$470高くなっている。半導体不足の経験が、中国のEV幹部はリチウムが不足した場合に何が起こるかを思い起こさせた。

◎◎◎ 充電インフラの動向 ◎◎◎

★ Teslaのスーパーチャージャーネットワークは世界で30,000 チャージャー設置を達成。今後2年以内に3倍にする計画

★ IONITYとBlackrockは€700Mを投資し、2025年までに、欧州24カ国で欧州で5,500の急速充電器(350kW)を追加し現在の4倍の7,000台にする予定)

◎◎◎ 車用半導体の不足 ◎◎◎

★ PolestarのCEOはSUVの発表の際、半導体不足は2022年まで続くと見ている

◎◎◎ 自動運転の動向 ◎◎◎

★ UPSは自動運転大型トラックテストの第2のパートナーとしてWaymoを追加し仕分けハブ間で荷物を移動するために使用する大型トラックで無人運転システムをテストする

 ◇ 最初のパートナーはTuSimpleで、アリゾナ州で18輪トラックの自動運転技術のテストを開始した。

★ Teslaは完全自動運転に向け、自動ラベリングに関する映像を発表

 ◇ 自動運転データをDeep Learningに利用するために、Teslaにはラベリングに取り組んでいる何千人ものラベラーがいるが、現在、ラベリングの自動化に取り組んでいる。

★ Auroraの株式公開は自動運転とUberに繋がる

 ◇ Auroraは、新規株式公開で約$13Bと評価され$1.35Bを調達した。最大株主のでUberは約$3.28B相当の株式を保有。Uberはグローバルな配車および配達ネットワークと大量のデータへのアクセスをAuroraに提供する。Auroraの目標は、2023年末までに限られた数の自動運転トラックを導入し、2024年までに乗用車に導入することだ。

★ Applied Intuitionは自動車用ソフトウエアツール(仮想道路での運転をシミュレートしてコードの欠陥を特定できるソフトウェア)の為$175Mを調達

◎◎◎ カーボンニュートラルへの動向 ◎◎◎

★ IEAの「再生可能エネルギー2021」によると、クリーンエネルギーは、2021年に記録的な290GWが追加されクリーンエネルギー導入記録を破る

 ◇ 2026年までに、2020年から60%以上増加し4,800GWを超えると予測される。

★ Siemens-Gamesaは年間約18,000世帯に電力を供給出来る巨大な14 MW洋上風力発電でが最初の電力を供給

 ◇ 直径222メートルのローター、長さ108メートルのB108ブレードが一体成形される洋上風力タービンで、連続生産は2024年に予定されている。

★ 中国の洋上風力発電は300GW以上の発電力に急成長。2027年までに陸上で446.7GW、沖合で38.5GWで計485GWに達する見込み

 ◇ 並行してHVDC (High Voltage Direct Current)技術の重要性が高まる。

★ 2050年までに鉄鋼の31%が水素を使用して生産され、リサイクルが45%を占め、残りは炭素回収技術と電気を使用して鉄鉱石を精製するプロセスの組み合わせとなり、世界の鉄鋼業界はほぼ完全に脱炭素化される可能性がある

 ◇ 世界的な“グリーン鉄鋼”へのシフトは2050年までに$278Bの投資を必要とする。

★ Teslaは累計25万台のPowerwallを設置したと発表

 ◇ Teslaの年間Powerwall設置台数は10万台で1.4GWhのエネルギー容量に相当。

★ 今年の初めの時点で、Tesla Autobidderは1.2GWhを超えるエネルギー貯蔵を管理している

 ◇ メガパックを製造する新メガファクトリーでは年間40GWhの生産を目指している。

◎◎◎ MaaSの動向 ◎◎◎

★ DiDiが北京政府の圧力から市場シェアが下がる可能性があり、SAICはモビリティ事業 (享道出行)へ$157Mの資金調達を計画している

★ 都市自治体がスクーターの利用状況を把握するとデータプライバシー問題を起こしかねない

 ◇ 都市は、機密性の高い位置情報をまとめて収集するための適切または合理的な正当性を明確に示しておらず、収集基準を変更し、機密性の範囲をセーフガードが追加されないまま、拡大する可能性が懸念される。

◎◎◎ その他の動向 ◎◎◎

★ 北米で10,000台のスクールバスがBEVに改造される

 ◇ バッテリーと電力システムを導入する改造を行い、全く新しいEVバスと同価格で2〜3台のEV転換バスをできる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?