CASEに関わる最新海外動向 (2021年12月)

2021年11月15日~2022年1月11日

この期間の重要な動向

■ 2022年、海外では主要各社から注目されるEVが続々と登場 (日本で今年購入出来るEVは極めて限られている)

✔ VW ID.3/4/5、Cadillac Lyric、Ford F-150 Lightning、GMC Hummer EV、Mercedes Benz EQS/EQE、NIO ET7/ET5、XPeng G9、Rivian R1S/R1T、Tesla Cybertruck、トヨタ bZ4X、日産 Ariyaなど。

■ スマートEVを実現する半導体競争が激化・合従連衡

✔ Nvidiaは既にMercedes、Hyundai、Volvo、Audi等と協力しており、今回いくつかの中国のEVスタートアップの将来モデルに供給する契約を発表。
✔ Qualcommはオートモーティブプラットホームを拡大、BMW、GM、Hyundaiなどに加え、今回Volvo、ホンダ、Renaultを追加。
✔ Intel/Mobileyeは運転支援アプリケーションでVW、Ford、Geelyとの提携を公表。
✔ Huaweiは、Huawei InsideとしてBAIC (Arcfox)、X-Peng、GAC、Sokon等と組んでいる。
✔ FoxconnとGeelyが半導体製造合弁会社を設立。

■ 中国振興EVメーカー(特にNIO、XPeng、Zeekr、GAC Aion、BAIC Aecfox)のスペック、生産・販売開始、海外展開の速さが驚異的

✔ スペック: 1000km走行、0-100km/hの加速4秒以下、100km/hからの停止距離33.9m、350kWレベルでの超急速充電 (数分で100km分程度を充電)

■ ソフトウエアアップデートでクルマ(EV)としての機能拡大をする例が増えている

✔ Tesla FSD (β)のソフトウエアアップデートで、クルマ周囲に対する走行反応を3段階(積極性と安全性)で選択できるようになった。
✔ Tesla Plaid Track Modeでは、ソフトウエアでスタビリティコントロール、ハンドリングバランス、回生ブレーキまで個別に調整できるようにし、ドライバーの車両制御能力を上げる。
✔ VWはソフトウエアアップデートで、ピーク充電速度を上げ、急速充電時間を短くした。

■ バッテリー用金属や特殊化学素材の獲得競争の熾烈化

✔ バッテリー金属や特殊化学品の生産者は、供給の逼迫により価格が上昇しており、株価上昇率でTeslaなどのセクターリーダーを超えている
✔ 一方、Teslaはリチュウム、ニッケル、グラファイト等を長期確保
✔ リサイクル技術も高度化

■ 再生可能エネルギーの比率が高まるにつれ、世界のエネルギー貯蔵設備ニーズは、2020年末の17GW/34GWhから2030年までに358GW/ 1,028GWhに達し20倍以上になる

■ 欧州バッテリー企業のNorthvoltの存在感が大きくなってきた (日本はどうする?)

✔ 昨年末、バッテリーセルの生産を開始し、現在BMW、Fluence、Scania、VW、Volvo Cars、Polestar等と300億円以上契約済みで、2022年スケールアップが続く。

■ TuSimpleは車内・遠隔ともに人間が全く介在せずに、80マイルのセミトラックの完全自動運転公道テストを成功させた。2022年内プロジェクトは拡大する。

■ Volvoは「Ride Pilot」で他社が避ける傾向にある自動運転Level3を追求している

以下詳細です。

◎◎◎ 中国の動向 ◎◎◎

中国の2021年のEV出荷台数比較、トップ10

 ◇ 第一位から順番に、SAIC、Tesla、BYD、Lynk & Co.、Great Wall、XPeng、NIO、Li Auto、WM Motors、Zeekr

2022年中国は自動車会社の全外資規制を外す

最近の中国の自動車市場ではプラグイン車が大流行しており、11月の登録台数は前年比106%増の413,000台を記録

 ◇ プラグイン車は19%の市場シェアを獲得。BEVだけでも、自動車販売台数の15%。11月に中国だけで世界のプラグイン登録の半分以上を占めた。

◎◎◎ EVの動向 (Tesla) ◎◎◎

★ Teslaは第4四半期305,000台を超える生産・出荷を記録し、2021年通年で936,000台以上となった 

 ◇ 中国上海工場で生産された台数は半分以上の473,078台、そのうち約16万台が輸出。

★ 予定より遅れているベルリン工場で、これまでに行われたテストの結果が満足のいくものではなかったと当局に伝え、量産前テストを延長する許可を得た 

 ◇ 当局は10月に250台分のテストのために与えられた承認を、最大2,000台まで拡大した。

★ テキサス工場に$10B以上を投資し、20,000人を雇用する 

 ◇ 現在、Teslaは米国で製造されたすべての車を販売し、最も人気のある車のいくつかは、1年近くの納期がある。

★ 米国の新しい鉱山(Talon Metals社のTamarack Nickel Project)からバッテリー向けニッケル精鉱75,000トン購入する契約を締結 

★ 新しいFull Self-Driving (beta)の‘assertive’モードでは、(ワンペダル走行ではなく)滑空して止まる事が可能 

 ◇ 道路上の状況に対してクルマがどのように反応するかを決める「プロファイル」を「Chill」、「Average」、「Assertive」と、積極性(と潜在的な安全性)が異なるモードがあり、最も積極的に走るモードでは通常のクルマの様に惰性運転が可能。

★  ‘Plaid Track Mode’をリリースし、サーキット走行性能を異次元に引き上げる 

 ◇ ソフトウエアでスタビリティコントロール、ハンドリングバランス、回生ブレーキを個別に調整できるようにして、レーストラックでの車両制御の権限をドライバーに与える。

★ EVで時折問題を起こす鉛電池の代わりに、12Vリチュウムイオン電池を2022年モデルのModel 3とModel Yから導入 

★ センターディスプレイのCPUをAMDに変更、Teslaのドライブ体験を高める 

★ 約50万台のModel 3とModel Sのリコールを行う 

★ 米国で自動車の衝突テストを行う主要な独立機関である米国道路安全保険協会(IIHS)の安全評価でModel Yは最高点を獲得 

 ◇ Model 3も、NHTSA全項目で5つ星を獲得し、Euro NCAPで5つ星を獲得し「新しい安全技術のベンチマーク」と評価されており、Model Yは安全性評価におけるTeslaの連続した成功を継続している。

★ Elon MuskはSpaceXで大気中CO2をロケット燃料にしたいと考えている 

◎◎◎ EVの動向 (VW/Audi/Porsche) ◎◎◎

★ VWは今後5年間で$100BをBEVとソフトウェア開発に割り当てることを先月確認し、今年末までに27車種のBEVモデルを支える専用アーキテクチャを定義 

★ VWの3.0 IDソフトウェアには、ナビゲーション、音声制御、運転支援改善以外にも、ピーク充電速度を125kWから135kWに上げ、急速充電を9分間早める 

★ VWはヒッピー時代のミニバスのEVバージョン(ID.Buzz)を3月9日に発表する (18)

★ 北米でPorscheの2021年の売上は2020年に対して22%増。Taycanの売上が2倍以上となり718 Boxster/CaymanとPanameraの合計を超えた 

★ Audiは、特に都市部で自宅で充電にアクセスできないドライバーを想定し、320 kWチャージャを持ち、2階に特別ラウンジのあるユニークな充電ハブコンセプトを公開 

◎◎◎  EVの動向 (Mercedes-Benz) ◎◎◎

★ 燃焼エンジンと同じように、電気モーター、バッテリー、パワーエレクトロニクスのシステム全体を可能な限り自社でコントロールしたいと考えており、2024年からEVドライブトレインを内製化する 

★ CES 2022で発表されたEQXXは、Teslaとの戦いのためF-1チームを投入しプロトライプとして作成 (50、52)

 ◇ Mercedes-Benzの現在の主力EVであるEQSよりも体積が50%少なく、30%軽いバッテリーパックでで1,000km以上走行できる。このバッテリー技術は、2024年から同社のコンパクトカーに搭載される予定。
 ◇ 抗力係数はわずか0.17cdであり、サッカーボールよりも空力的に優れ、100 kmあたり10kWh未満のエネルギー消費を実現。

◎◎◎ EVの動向 (BMW) ◎◎◎

★ 米国での出荷台数は昨年21%増の336,644台で3年連続でLexus、Mercedesの売上を超えた 

 ◇ 一方、Mercedesの販売台数の伸びは1%以下で、レクサスは、昨年売上高を11%伸ばした。

★ IX M60は280マイルの走行範囲を持つデュアルモーターのパフォーマンスEV 

 ◇ 0-60mphは3.6秒、ネット106.3kWhの大容量バッテリー、250kWのDC急速充電器対応。2つのモーターにはレアアースを使用せず。

★ CESでクルマの色を変える印刷技術E-Inkを発表 

★ 後部座席にエンターテイメントを提供する8Kで31インチの車内スクリーン + B&Wサウンドを公開、Amazon Fire OSを搭載 

◎◎◎ EVの動向 (GM) ◎◎◎

★ 第4四半期にBolt 25台、Hummer 1台の出荷で、GMは米国EVで第二位の地位をFordに受け渡した 

★ 第4四半期にFedExはGMのBrightDrop部門から配送EVバン(EV600)最初の出荷5台を受けた 

 ◇ FedExが注文した500台の内の最初の5台。EV600は、Hummer EVなどのGMの他の今後のEVにも電力を供給するGMのUltiumプラットフォームを搭載している。

★ 400マイル走行のSilveradoでEVピックアップ市場に参戦するが、2023年春の発売で、競合のFord F-150 Lightningに対し1年遅れとなる 

 ◇ 昨年生産が開始されたGMC Hummer EVに続く、GMにとって2車種目のEVトラック。最大350kWのDC高速充電に対応しており、10分間の充電で約100マイルの走行が可能になる。

★ シャープな外観を持ちゲームチェインジャーとなりうる$30,000から始まるEquinox EVを公開 

 ◇ Equinoxは、Chevroletにとって2番目に売れているブランド。Blazer EVと伴に、2023年秋に2024年モデルとしてChevy EVのラインナップに追加される。
 ◇ Ulitumプラットフォームで駆動され、GMは古いプラットフォームで駆動されているBolt EV/EUVをこの2車種が引き継ぐ。

★ 2024年モデルのCadillac Celestiq EVに搭載されるUltra Cruise Systemは、カメラ、レーダー、ライダなど20種以上のセンサーを持ち、QualcommのSnapdragon SA8540PとSA9000P人工知能アクセラレータを採用した最初の先進運転支援システム(ADAS/レベル2)となる 

★ カリフォルニア州のEVサプライヤーになるために、大気浄化法の下で自動車の排出基準を設定するカリフォルニア州の権限に跪いた 

 ◇ カリフォルニア州は、フリート車購入の際に考慮すべき自動車メーカーのリストにGMを加えることに同意した

★ Cadillacはクルマのデザインよりも、旅の体験にフォーカスした4つのコンセプトを発表 

 ◇ 2人乗りの自動運転EV高級コンセプトカー「InnerSpace」、旅行中に乗客が滞在できる場所を提供する「OpenSpace」、垂直離着陸可能な1人乗りの「PersonalSpace」と、最大6人の乗客が交流したりくつろいだりするための自動走行車「SocialSpace」

★ GMはCruiseのCEOとそっけなく別れた 

◎◎◎ EVの動向 (Ford) ◎◎◎

★ F-150 Lightningが最大7.6kW(240Vで32A)のAC充電「出力」で他のEVに充電する事をデモ 

★ 米国では自動車が入手困難な時、一部の独立系ディーラーが、購入希望者から数万ドルの追加料金を請求することがあり、FordはLightningの価格を自ら釣り上げないように警告している 

 ◇ FordのF-150 Lightningの大きな需要を利用し、$30,000もの追加支払いを求めるディーラも出た。

◎◎◎ EVの動向 (Stellantis/Chrysler) ◎◎◎

★ ChryslerはAirflowコンセプトSUVで全電気の将来をプレビュー 

 ◇ Chryslerは、最初のEVを2025年に生産開始するとしながら、2028年までにEVのみを販売する予定であるとCES 2022で発表。

★ Citroën Berlingo, Peugeot Rifter, Opel ComboをEVのみとし、ICEと決別する 

★ AWSクラウドサービスを利用しソフトウエア開発でAmazonと協力し、Amazonは2023年に発売予定の新型EV配送車「Ram ProMaster」の最初の顧客となる

 ◇ StellantisはすでにFoxconn、Waymo、BMWとの協力も発表している

半導体に直接アクセスし、顧客を魅了するクールな自動車機能のソフトウェアを開発し、デジタルな混乱の中でもブランドを存続させる為、ソフトウエア人材を求めシリコンバレーとの戦いに挑む 

◎◎◎ EVの動向 (Rivian) ◎◎◎

★ 9月に生産を開始して以来、R1T EVピックアップトラックを中心に1,015台生産、920台納入と発表。計画では、約1,200台生産予定だった 

★ 1月5日、Amazonが、StellantisからEVバンを購入すると発表したことで、RivianはAmazonの独占的EVバン納入者ではなかった事が明確になった 

 ◇ Rivianの株価は下落し、Stellantisの株価は11%上昇。投資家は、Rivianが約束したバンをAmazonに提供できるかどうかに注目している。

★ ジョージア州に新たに$5BのEV工場を建設、2022年夏に建設が開始され、2024年に生産開始。完成すると年間40万台生産可能 (90)

◎◎◎ EVの動向 (Volvo) ◎◎◎

★ 特定の高速道路で人間の監視なしに自動運転する、「Ride Pilot」システムをCES 2022で発表。カリフォルニア州で認可される自信がある 

 ◇ 他社と異なりLevel3を目指しており、ZenseactとLuminarと協力してVolvo Carsのエンジニアによって開発された。

★ Volvo Car GroupとNorthvoltは、欧州でのEV用バッテリー製造に向けた$3.3Bの投資の一環として研究所を建設 

◎◎◎ EVの動向 (中国系) ◎◎◎

 ★ NIO Day 2021: 1000kmの走行範囲を持ち、自動運転を念頭に置いて設計されたET5を発表、同時に2025年までに世界市場拡大も発表 

 ◇ ET5の抗力係数は0.24、CLTC範囲で75kWh標準範囲バッテリーで550+km、150kWhの超長距離バッテリーで1,000 km以上走行。4.3秒で0から100 km/hまで加速し、33.9mで100km/hから完全停止。
 ◇ バッテリー交換バージョンで$41,000未満の価格設定で、Teslaの強力な競争相手となる可能性がある。
 ◇ NIOのLinkedInでのジョブポスティングからすると、米国市場での事業拡大の可能性を示唆している。

★ Zeekrは以前発表した北米への参入計画に加え、2022年EUへの参入を計画している 

 ◇ 2022年の販売目標を7万台とし、2025年までに7車種を販売し、年間約65万台の販売、海外輸出を10万台と見込んでいる。
 ◇ Zeekr 001は100kWhのCATLバッテリーパックを積み、航続距離712km(440マイル強)、0-60mphのスプリントが4秒以下、電子制御による最高速度200km/hを約束し、360kWで5分で120kmの航続距離を確保することができる。

★ HuaweiとSeres(Sokon)が共同で作成した高級自動車ブランドAITOのM5の受注が5日間で6,000台を超えた 

 ◇ Huawaiのジレンマ: HuaweiはEVメーカーへの技術サプライヤーであり、自動車メーカーは、サプライヤーが競合他社になることを望んで居らず、Huaweiも自動車メーカーになりたくないと主張している。

◎◎◎ EVの動向 (日系) ◎◎◎

★ トヨタは2030年までに30車種のBEVを投入し、年間350万台の販売を目標とするため、電動化に捧げる全$70Bのうち半分($35B)をBEVに費やす計画を発表 

★ ホンダは東風ホンダとのJVでリードするレベルに自動化されたEV工場を作り、年間12万台のEVを生産する 

★ ソニーはCESでVISION-Sコンセプトの「商用リリースを検討している」と明確に述べ、“Sony Mobility”社設立を発表。SUVのVISION-S02も発表 

◎◎◎ EVの動向 (韓国系) ◎◎◎

★ HyundaiはEVに焦点を合せる中、エンジン開発部門を閉鎖 

★ Kia EV6は最大310マイルの走行範囲とのEPA ratingを受けた 

 ◇ この航続距離の数値は、EV6のモーター性能と空力性能の効率の良さを証明している

◎◎◎ EVの動向 (大型トラック) ◎◎◎

★ 馬力670のKenworth T680E EVセミが走行範囲150マイルでCESでデビュー 

 ◇ 標準的Kenworth T680には、ターボ付き直列6気筒ディーゼルエンジンが搭載されており、ピーク時には405馬力を発揮するが、T680Eは265馬力も高い。
 ◇ 既存の(ICEの)アクスルマウントを利用することで、電動化することを容易にしている。

◎◎◎ EVの動向 (その他) ◎◎◎

2022年には主要な自動車メーカーから新しいEVモデルが続々と登場する 

 ◇ Cadillac Lyric、Ford F-150 Lightning、GMC Hummer EV、Mercedes Benz EQE、NIO ET5、日産 Ariya、Rivian R1S、Tesla Cybertruck、トヨタ bZ4X、VW ID.5、XPeng G9など

★ CES 2022で見たEV技術 

 ◇ INDI、Fisker、Edison Future、TuSimple、Stellantis、ソニー、John Deere、Elms、Splitvolt、Togg、Wallbox、Hedai Lidar、REE

★ Magnaはピックアップトラックメーカーが簡単に(既存車両を)EV化する方法(EtelligentForce)を2025年から提供する 

★ REE Automotiveは世界最大級の配送会社の仕様に基づいて設計された全く新しいEVプラットフォーム「P7」の実証実験を開始 

 ◇ 2021年は、Magnaや日野自動車との協業を発表したほか、日立アメリカとの協業を発表し、BaaS(Battery-as-a-Service)、DaaS(Data-as-a-Service)、REEcornerの高速スワップを実現し、将来のフリート顧客のTCO(Total Cost of Operation)を可能な限り低く抑えることができる、としている。

★ VinFastは既に発表されていたVF e35とe36に加え3車種、全5車種のEVをCESで発表 

 ◇ e35とe36はVF 8とVF 9と名称を変え、その「Eco」と「Plus」にレベル2+の運転支援機能、「Premium」にレベル3~4の自動運転機能が標準装備される。(ZFが技術供給)

★ John DeereはラインアップをEV化する為にKreisel Electricを買収 

★ Apple Car要職者の退職が増えており、2022年は運命を左右する 

◎◎◎ バッテリーの動向 ◎◎◎

★ 2025年までに13のバッテリーギガファクトリーが米国で稼働し、米国バッテリー生産の新時代に導く 

★ パナソニックはTeslaギガネバダに供給するリサイクルバッテリー素材(銅箔)をRedwood Materialsから購入 

★ Li-Cycleは米国ニューヨークでのバッテリーリサイクルハブを40%拡大し、今後10年間LGにニッケルを供給 

★ Northvoltはスウェーデンのギガファクトリーで、バッテリーセルの生産を開始と発表 

 ◇ 商用納入は来年からの予定で、すでに300億円以上の契約を結んでおり、BMW、Fluence、Scania、VW、Volvo Cars、Polestar にセルを供給する。

★ 大手3社のトレーダーによると、BEV需要が急拡大しており、Cobalt獲得競争は2022年も続く 

★ 2022年以降、グラファイトが不足する 

 ◇ 米国には、自動車用のグラファイトを大規模に供給できる製造工場がなく、世界の供給量の84%を中国が占めている。

★ TeslaはSyrah Resourcesとの4年間長期供給契約で、バッテリーの負極用グラファイトを確保 

★ EV用バッテリー金属や特殊化学品の生産者は、供給の逼迫により価格が上昇しており、株価上昇率でTeslaなどのセクターリーダーを超えている 

★ 世界はより多くのリチュウムを必要としているが、周辺住民は環境悪化や時には大惨事の代償を払う可能性がある鉱山はほしくない 

★ 中国のバッテリーセルメーカーGotionは、2023年から2028年の間に、少なくとも200GWhのLFPバッテリーセルを「米国大手自動車メーカー」に供給することに合意したと発表 

★ Mercedesが支援するFarasisがトルコ政府からバテリー工場インセンティブを獲得 

★ 米国エネルギー省とStanford大学の研究者が、電池に蓄えられたエネルギーを高速で放出することで、リチウムイオンを再び動く事を発見。リチュウムイオンバッテリーを蘇生する 

◎◎◎ 充電インフラの動向 ◎◎◎

★ Teslaはテキサス州のスーパーチャージャーステーションに、CCSコネクターを設置 

★ Volvo, Daimler, Traton (VW)は欧州でのEVトラック用高性能充電ネットワーク設置・運用に€500Mを投資し、1,700箇所の共用充電ポイントを設置し運用する計画 

◎◎◎ FCVの動向 ◎◎◎

★ 南フランスのモンペリエ市は、バッテリー式EVバスを注文する方が安価で効率的であることに気付き50台の水素燃料電池(FCV)バスの注文をキャンセルした 

 ◇ FCVバスはEVバスよりも運用コストが6倍高くなると予想。主に、水素の生産、貯蔵、配電のコストによる。

HyundaiのNexoがフランスの極寒の高地で水素(FCV)の極限耐久記録を更新 

 ◇ 欧州全体 (特にフランス) では、引き続き自動車だけでなく、スクーター、商用トラック、航空、鉄道など、さまざまな分野で水素インフラの整備が検討されている。

◎◎◎ ADAS/自動運転の動向 ◎◎◎

★ Waymoは、Geelyとのコラボレーションで、ハンドルのないライドヘイリングサービス向けに利用する将来のEVを発表 (62)

 ◇ スウェーデンでZeekrが開発した車両にWaymo Driverを統合。

★ TuSimpleは車内でも遠隔でも人間が全く介在しない、80マイルに及ぶ完全自動セミトラックの公道テストを、成功裏に終えた

★ CESで自動運転戦争に向けMobileye/Intel、Qualcomm、Nvidiaの3つの半導体企業、それぞれから技術アライアンスが発表された 

 ◇ しかし、半導体企業は、技術の重要な部分をコントロールすることにこれから自動車メーカーの同意を得なければならない。

★ Foxconnオープンソースプラットフォームで、自動運転EVの為にAutoware Open AD Kitを提供 

 ◇ EVの購入者はプレミアムカーの購入者であることが多く、車両にある程度の自動走行機能を期待する。
 ◇ AutowareはMIH Open EV PlatformのAD/ADASに統合される。

★ QualcommはBMW、GM、Hyundaiなどの他の主要な自動車メーカーに加え、Volvo、ホンダ、Renaultにオートモーティブプラットホームを拡大 

 ◇ Qualcomm Digital Chassisと総称される自動車プラットフォームの完全なスイートを持つ。

★ Mobileyeは運転支援アプリケーションでVW、Ford、Geelyと提携 

 ◇ VWグループは、地図データを次期モデルで使用する契約を締結。
 ◇ Fordは、MobileyeのRoad Experience Management (REM)技術を、Ford独自ソリューションに統合し、「BlueCruise」に採用する予定。
 ◇ Geely傘下のZeekrは、2024年に中国デビュー予定でGeelyのSustainable Experience Architectureに基づいて構築されるレベル4自動運転EVにMobileyeのセンシングとマッピング技術を使用し、世界展開する予定。

★ ZFがVinFastにアップグレーダブルなADASシステムを供給、センサーの入力を合成するための中央ユニットだけでなく、カメラ、レーダー、ライダーも供給 

★ 事故のあと、カリフォルニア州でのPony.aiドライバレスカーのテスト認可は停止された 

◎◎◎ カーボンニュートラルへの動向 ◎◎◎

★ バッテリーのパイオニアでノーベル賞受賞者吉野彰氏がEVがグリッドに電力を提供することでグリーンになると指摘 

★ 中国最大の洋上風力発電が今グリッドとフル結合 

 ◇ 802MWの江蘇啓東洋上風力発電所は、江蘇省の東部沖にあり、オフショアブースターステーションがある。(中国は現在、合計10〜12GWの洋上風力発電容量がある)
 ◇ それは114.5km2の面積をカバーし、134個の風力タービンで構成され、それは4つの中国のメーカーからの7つのモデルを含むタービンの混合で構成されている。

★ 米国の風力タービンの年間容量追加は2020年に記録を打ち立て、合計14.2GWで、2012年に追加された以前の記録である13.2 GWを上回った 

 ◇ 現在、米国の風力タービンの合計容量は118GW。
 ◇ 2020年12月の時点で30.2GWを設置したテキサスがどの州よりも多くの電力を生成および消費しており、風力はテキサスの発電構成の20%弱。

★ 2022年に完成すると世界最大規模(1.38GW)となる英国の洋上風力発電所「Hornsea Two」が2021年末までに稼働する 

 ◇ 165基のSiemens Gamesa製8.4MW風力タービンのうち139基が設置され、風力発電所のアレイ間ケーブルもすべて整備された。
 ◇ 2026年に完成するイギリス・ヨークシャー沖Dogger Bankは4.8GWとなる。

★ 米国で2020年にクリーンエネルギー源(風力、水力、太陽光、バイオマス、地熱が含まれる)が記録的な834B kWhの電力を生成し、クリーンエネルギーが米国で第二位の電力源となった 

 ◇ 天然ガスが1,617B kWhで、クリーンエネルギーよりも多くの電力を生産した。

★ 国際エネルギー機関(IEA)の最新の年次市場報告書によると、石炭の生産量は2022年に史上最高を記録し、その後2、3年後には需要が横ばいになると予測される 

 ◇ この増加は、パンデミックからの2021年の経済回復により、電力需要が自然エネルギーでは追いつかないほど高まっている中、天然ガスの価格が高くなったことで石炭のコスト競争力が高まった事による。

★ Fraunhoferによると、クリーンエネルギーは2021年のドイツの公共発電量(ネット)の46%を占め、2020年の50%から減少 

 ◇ 低下の理由は、風力エネルギーの生産量が2020年と比較して16.1TWh減少したため。但し、風力は113.5TWhであり、2021年の公共電力供給全体で依然として最大のシェアを占める。

★ Teslaはテキサス州ヒューストン近郊に81台のTeslaメガパックが設置され100MW/200MWhの容量を持つで巨大なメガパックバッテリープロジェクトを発表 

 ◇ テキサス州では、昨冬の悪天候により送電網に大きな負担がかかり、多くの地域で計画停電が発生し、多くの人々がエネルギー事情を見直している。

★ 世界的なエネルギー貯蔵設備は、2020年末の17GW/34GWhから2030年までに358GW/ 1,028GWhに達し20倍以上になる 

◎◎◎ 半導体の動向 ◎◎◎

★ 半導体企業のクルマ技術への参加は、これまで自動車メーカーと直接サプライヤー関係であったTier-1サプライヤーの序列を脅かしている 

 ◇ 自動車メーカーは、半導体不足やTeslaの戦略を参考に、ソフトウェアやエンジニアリングの作業を社内に移行させており、Intel、Qualcomm、NVIDIAなどのシリコンバレー大手企業がこの分野に参入している。
 ◇ BMWはInova SemiconductorsおよびGlobalFoundriesと契約を結び、Fordは、GlobalFoundriesとの「戦略的コラボレーション」を構築し、GMは、InfineonやTSMCなどの生産者と共同で半導体を製造することを計画し、Stellantisは、Foxconnと自動車用半導体を共同開発契約を結び、SAICの投資部門は自動車半導体のスタートアップであるGTA Semiconductorsに5億元を投資した。

★ 2021年12月の半導体の納期は、前月に比べて6日長くなり、約26週間となり2022年以降も続く可能性がある 

★ GeelyとFoxconnの協力は半導体レベルまで上昇し、製造合弁会社を設立 

 ◇ 合弁事業の事業範囲には、インテリジェント車両機器および必須機器、インテリジェント制御システム、パワーエレクトロニクス部品、集積回路チップ、および製品などの製造が含まれる。


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