別れの季節、されどAPOGEEはつづく

こんばんは。今宵もお立ち寄り頂き、どうもありがとう。

今日は僕が通う大学の卒業式がありました。6年生の皆さんに別れを告げ、僕らはまた1つ上の学年に進む。そして来月には新しい1年生が入ってくる。毎年繰り返されるサイクルだけれど、僕ら一人ひとりにとっては毎年が二度と戻ることのない、そんな別れと出会いの季節がまたやってきました。

そして。今日はもう一つの別れの場に何とか立ち会いたいと、渋谷のクラブクアトロというライブハウスへ行ってきました。

APOGEEというバンドがいます。僕がbananafishというバンドで音楽活動をしていた時から、ずっと憧れだった先輩バンド。今日は、そのAPOGEEで結成以来ベースを担当していた内垣さんが演奏する、最後のライブでした。

"CHRONICLE(クロニクル) = 年代記"と銘打たれたイベント通り、デビュー当時から現在に至るまでの代表曲を全て網羅した、およそ3時間(!)に及ぶ圧巻のライブパフォーマンス。演奏曲のひとつひとつが自身の当時の記憶と強く結びついていて、身体を揺らしながら何度も目が熱くなった。

最後のMCで、内垣さん自ら脱退の理由について説明がありました。ご家族の将来を考え抜いた上での、海外への移住という選択。医療的な背景をも含む今回の決断を本人から聴きながら、また強く込み上げてくるものが。「引退するつもりはない」「またいつか必ずどこかで」という優しくも力強い言葉が、逆にとても切なくて。

そして残されたAPOGEEの3人は、「これからもAPOGEEはつづく」という決意を示そうと、この日のために新曲を用意していた。

「今夜、バンドマンの夢がひとつ叶います。それは、自分のバンドを客席から観ること」

そう言って客席に移動した内垣さんを前に、3人は新曲を披露。最後はメンバーから内垣さんへと花束が手渡され、抱擁が交わされ、15年以上続いた4人体制のAPOGEEは幕を閉じました。

僕は、本当にこのAPOGEEというバンドに出逢えてよかった。「これからも聴き続けよう」と、半ば放心状態の中で深くしみじみと感じ入りながら、帰路につきました。

動画はAPOGEEの中で僕が最も好きな曲のひとつ、別れと出会いの今の季節にぴったりの曲です。「スプリング・ストレンジャー」よかったら、ぜひ聴いてみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?