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大阪食文化を育む「なにわの伝統野菜」を試食。【ライブインテリジェンスクッキング】

10年程前に、料理講座を主宰していたことがあった。大阪北浜にある料理教室「和香」さんの田村先生の指導で魚類、野菜類に絞った料理講習会だった。
和香さんの通常の教室以外に、ライブインテリジェンスクッキングとして開講していた。「魚のさばき方」を学ぶために始めたのがきっかけで、仲間7、8人に声をかけ、筆者も腕まくりしながら頑張っていた記憶がある。

その時のいくつかの楽しかったエピソードを交えて振り返り紹介したいと思っている。そのスタートとして、当時、話題になっていた「地場の伝統野菜」。伝統野菜、といえば「京野菜」が頭に浮かぶが、どこの都道府県でも地元活性化の旗頭として「地産地消」を訴えていた。

大阪でも同様に、府下で生産されている野菜のいくつかを「なにわ伝統野菜」としてブランド化を始めていた。いま現在では、大阪府、大阪市認証としては18品目がある。
大阪市内では「毛馬胡瓜(けまきゅうり)」、「玉造黒門越瓜(たまつくりくろもんしろうり)」、「勝間南瓜(こつまなんきん)」、「金時人参(きんときにんじん)」、「大阪しろな」、「天王寺蕪(てんのうじかぶら)」、「田辺大根(たなべだいこん)」、「芽紫蘇(めじそ)」、「難波葱(なんばねぎ)」の9品目。

大阪府下では豊能町の「高山真菜(たかやままな)」、「高山牛蒡(たかやまごぼう)」。吹田市の「吹田慈姑(すいたくわい)」、茨木市の「三島独活(みしまうど)」、高槻市の「服部越瓜(はっとりしろうり)」、泉州地域では「泉州黄玉葱(せんしゅうきたまねぎ)」、摂津市の「鳥飼茄子(とりかいなす)」、守口市の「守口大根(もりぐちだいこん)」、そして羽曳野市の「碓井豌豆(うすいえんどう)」の9品目が認定されている。

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その一つ一つを先生から解説していただき、その料理方法を教わる興味深い講習会であった。その中からいくつかの食材を試食し、食材自体の味を楽しませていただいた。
いまの時期にあるものを先生の下味だけで賞味した。すべての食材が甘~い。こんなにも美味しいものか、と思えるものばかりだった。舌を巻く上品な味を堪能。大事に丁寧に育てられているのがよく伝わってきた。
まだまだごく一部でしか生産されてない。だからなかなか手に入りにくいものも多い。大阪で言えば木津卸売市場や黒門市場にいけば手に入ようだ。

食道楽といえば「大阪」。たこ焼きも、お好み焼きもそれぞれの文化ではあるが、素材にこだわる食道楽として「大阪食文化」の原点が見えてくるようだった。

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大阪しろな(出汁と塩で、厚揚げと一緒にあえる)
大阪しろな

中段の写真
天王寺蕪をペースト状にして火を通したもの
天王寺蕪を、圧力鍋で15分茹でたもの(型崩れなし)

下段の写真
田辺大根、大阪しろな
田辺大根

レポート & 写真 /  渡邉雄二   協力 / 料理教室和香


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