キムンカムイの森
北海道といえばヒグマの生息域。
本州の大半の森林にニホンザルやイノシシがいるように北海道の ほぼ全域にヒグマは生息します。
わたしはニジマス釣りが好きですが、だいたい釣れる渓流にはヒグマの先客がおられるんですね(笑)。
茂みの中からガサガサと音がすると 「すわ、ヒグマか!?」と ビビるんですが、クマは動くものに興味を示して近づいて来る習性がありますから、背中のリュックサックを目立たないように棄てて、あとは我慢比べのように睨(にら)み合うハメになります...........。
なぜ棄てるかというと、彼らはリュックのなかの食べ物の匂いに反応するからです。
彼らの嗅覚はイヌの7倍。
人間の約2100倍にもなります。
5km先からでも獲物の匂いを追尾できるのですから怖い!
かならずラジオや鈴などの音のするものを携帯するのがセオリーで、もしも忘れたならば 釣りは止めて引き返すくらいの用心深さは必要。
カンヅメや甘いジュースなどは捨てずにかならず持ち帰るようにしないといけません。
クマがその味を覚えたりしたら大変です!
人間はこんなに美味しい味がするんだ、と彼らは勘違いしてしまう。
人を観たら平気で襲うようになるのです...........。
われわれ北海道民という者は、クマや鹿の住む場所にお邪魔しているにすぎません。
人間と獣は程よい距離の棲み分けができてなければならず、自然と人間は調和していかねばならないからです。
しかし、いまクマの生息域が人間の居住圏まで広がりつつあります。
高齢化によるハンターの減少や冬眠明けのクマを撃つ「春グマ駆除」が90年代以降、禁止されているからです。
無用な争いを繰り広げるのは論外。
われわれはクマの生息域になるべく入らないようにする。
そして、人間の生息域に侵入してきた獣には お引き取り願う。
両者にとってはそれがいちばん良いのでしょうね。
※キムンカムイ = アイヌ語で森の神。ヒグマ。
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