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「他人の立場で考える」は難しい

みなさん、こんにちは。
私は「他人の視点や立場で物事を考える」ということが、とても苦手です。
これができる人は、そもそも世間には非常に少ないと思うのですが、私は特に苦手なタイプじゃないかと自己分析しています。相手のことを思ってアドバイスした内容が、後から振り返ると、とても主観的な気がするのです。
これを解決できないか、と本を探していました。今回、よい本に巡り合えたので、皆さんにご紹介したいと思います。


今回参考にした書籍は、アダム・グラントさんの「GIVE&TAKE 与える人こそ成功する時代」です。本書は、人間を以下の三つに分類しています。

  • ギバー(人に惜しみなく与える人)

  • テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)

  • マッチャー(損得のバランスを取る人)

タイトル通り、「ギバーがもっとも成功できる」として、社会心理学の様々な研究や、実験を通してそれを科学的に説明しています。今回はアマゾンの
Audible(オーディブル)で聞きましたが、13時間以上も掛かるボリュームがあり、途中で挫折しかけましたが、全体的には良い本だと思います。

成功するギバーは、自分の物の見方を相手の視点に合わせる

著者のアダム・グラントさんが、自身の体験談に触れ、「人が他者視点で物事を見る」ことが、いかに難しいか説明してくれています。

ある晩、私の妻が友人への結婚祝いを探していた。彼女は、ほしいものリストにはない、何かもっと心のこもった贈り物にしようというのだ。
友人はきっと特別な贈り物を喜んでくれるに違いない。
私は正直「え?」っと困惑した。その数年前、私たちが結婚祝いをもらったとき、周りの人がリストから選んだ品ではなく、独自に選んだ贈り物をしてくると、妻はたいていがっかりしていたからだ。
妻にはほしい品があり、それ以上に、気に入る品を送ってくれる人はまずいないことが分かっていた。
自分が受け取る側ならリストにある品がいいと思うのに、なぜ送る側になった途端、独自の贈り物をしたがるのか?

GIVE&TAKE 与える人こそ成功する時代

あらかじめ、プレゼントを送る人の「欲しいものリスト」に登録されている品を見ることができるのに、それとは別の品を送ったほうが喜ぶと思ってしまう。しかも、過去に自分が同じことをされたときは、がっかりした経験があるにも関わらず。。。
客観的に見るとおかしな話ですが、自分が同じ立場になったらやっていそうな気もします。この謎を解くために実験もすでにされています。

被験者90人を対象に、Amazonを利用してもらい、プレゼントを送る側と受け取る側が、それぞれほしいものリストに載せた贈り物と、独自の贈り物に、どのような反応を示すか、という実験です。
実験の結果として、独自の贈り物より、ほしいものリストの贈り物をもらったほうが、はるかにうれしいと思ったそうです。
プレゼントを送る側は、「相手がどれだけリストに載せた品を良いと思っているか」を低く評価する傾向があるそう。
また、他人の視点から見ているつもりでも、たいていの人は、「この場合、わたしならどう感じるだろうか?」と自問する傾向があるのがわかっている。そうすれば、「自分が受け取ったときの喜び」がイメージできるからです。確かに納得。


ただし、これは受け取る側が経験するのと同じ喜びではない。受け取る側は好みが違っているからだ。贈る側の自分は、そのキャンドルスタンドをとても気に入っている。しかし、友人もそのキャンドルスタンドがほしければ、ほしいものリストに登録していたはずである。
人を真の意味で助けるには、自分の物の見方の外に出なければならない。「この場合、受け取る側はどう感じるだろうか?」
「自分の物の見方にこだわるのではなく、他人の視点から見る能力は協力関係で成功するギバーの得意技だ。」

GIVE&TAKE 与える人こそ成功する時代

真に相手の立場になって考えるということは、「自分の主観や意見を完全に除外して考えなければならない」と理解しました。「自分なら…」という発想をいれない、ということですね。少し、できそうな気がしてきました。これまで私は、相手の考えが読めないとき、自分なりに推測することが多かったのですが、「私だったら…」の主観の割合がとても高かったようです。
目線を合わせる、上司の立場になって考える、部下の立場になって考える。
様々な視点を持つことが、本当の意味で「相手の立場になって考える」ということですね。ちょっと成長できたかもしれません。

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