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【総合評価◎】競馬場探訪:🇬🇧 英 ヨーク競馬場 / York Racecourse

イギリス随一の観光都市ヨークにある優美な競馬場。ヨーク競馬場最大の祭典、夏のEbor Festivalは、華やかな雰囲気に加え、毎年好メンバーが揃うレースが四日間続く世界屈指の魅力的な開催。必見。

イギリスの競馬場を独自の視点で評価しています。総合評価は◎〇▲△の四段階。各評価ポイントは★×3が最高点。全ての競馬場の評価一覧は以下の記事をご覧ください(随時更新中)。訪問を検討されている方の参考になれば幸いです。
https://note.com/ippei_genuine/n/ne3ab24c12e85

ヨーク競馬場 / York Racecourse 概要

所在地:イギリス York City
創設: 1709年
開催競馬:平地競争
馬場:芝(左回り)
主要なGIレース:

<8月> Ebor Festival
- International Stakes インターナショナルステークス
出走条件:3歳以上、距離:1mile 2furlong 56 yard (2,032m)
- Yorkshire Oaks ヨークシャーオークス
出走条件:3歳以上牝馬、距離:1mile 3furlong 188yard (2,385m)
- Nunthorpe Stakes ナンソープステークス
出走条件:3歳以上、距離:5furlong (1,006m)

・ 総合評価◎

アスコットやエイントリーのような大規模競馬場と比べると全体的にコンパクトではあるが、地方都市にある競馬場の中では抜群の快適性と美しさを誇る。
特に8月のEbor Festivalは、ロイヤルアスコットやグロリアスグッドウッドに匹敵する華やかさの中で競馬を楽しめる。コースのアップダウンが少なく、実力馬が力を発揮しやすいためか、International Stakesをはじめ、各レースに多くの一流馬がこぞって参戦する傾向が高いのも魅力的。

・ ロンドンからのアクセスの良さ ★☆☆

- London King’s Cross駅→York駅 (LNERで約2時間)
- York駅→York競馬場(シャトルバスで約10分、徒歩で約30分)

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・ 公共交通機関のみでのアクセスの良さ ★★☆

ロンドンからヨークまでは距離があるが、1時間に数本の頻度で高速列車が走っておりアクセスは容易。最も停車駅の少ない編成を選べば、ロンドンのKing's Cross駅からYork駅まで2時間弱で到着する。York駅からYork競馬場までの移動は、大きなレースの開催日はシャトルバスが運行しており、往復で3£、所要時間は10分弱と便利。ただし、時間帯によっては駅前のバス乗り場はかなりの混雑となり乗車できるまでに相当な時間を要す場合もある(タクシースタンドも同様に長蛇の列となる)ため、天候が許せば徒歩でアクセスするのも一案(30分程度)。

・ 場内の雰囲気 ★★★

地方都市にある競馬場の中では抜群の規模と美しさを誇る競馬場。スタンド、パドック、プレパドック、バースペース、テラス等がゴール版付近にギュッと凝縮されており、また、スタンドと馬場との間のスペースもやや狭いため、少々窮屈な印象もあるが、それがかえってざわめきと盛り上がりを演出し、高揚感を生み出している。パドックは珍しい長方形。

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・ レースの臨場感 ★★☆

観戦スペースと馬場の間に返し馬用のスペースが設けられており、スタンド前の最前列からでも馬場までは少し距離がある。しかしながら、コースの幅があまり広くないため、特に多くの馬がスタンド側を走る傾向のある多頭数の直線レースは、臨場感あるレースを楽しむことができる。また、坂が少ないコース形態であるためスタンドからはコースのほぼ全景を見渡すことが可能な点も魅力的。

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・ 競馬場周辺の観光 ★★★

York競馬場が位置するYorkの町は、イギリス屈指の観光都市。何よりも街の雰囲気が美しく、ただ散策しているだけでも楽しい。さらに街のシンボルであるYork Minsterをはじめ、各種美術館や博物館、城壁等、見応えのある施設も充実。駅隣接の鉄道博物館では日本国外では唯一となる新幹線の車両展示を見ることもできる。競馬と市内観光を一日で満喫するのは難しいため、せっかくならば市内で宿泊して競馬と観光の双方をじっくり楽しみたい。

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・ 参考情報(競馬場のHP、写真等)

ヨーク競馬場のHP:https://www.yorkracecourse.co.uk/

関連写真:以下のとおり。なお、これらの写真はディープインパクト産駒のSnowfall スノーフォールが見事勝利した2021年のヨークシャーオークス開催日に撮影。他の開催日は、観客数や競馬場の雰囲気、入場可能なエリアに違いがあると思われるため、ご留意いただきたい。

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↑ ヨーク駅前に停車するヨーク競馬場行きのシャトルバス。運行時間や頻度はヨーク競馬場のHPを要確認。

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↑ ヨーク競馬場の入り口では、2012年のインターナショナルステークスの覇者Frankelが出迎え

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↑ ヨーク競馬場全体図。ゴール前にスタンドが並び、一コーナーにかけてパドックやプレパドックが位置する構造。大きなレースの開催日は内馬場も解放される。

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↑ パドック横、ゴール版奥に位置するMelrose Stand。テラスは花で彩られ美しい佇まい。後ろから見た姿もなかなか個性的。

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↑ ゴール版手前に位置するEbor StandとKnavesmire Stand。

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↑ ゴール版前付近から馬場を臨む。直線はフラット

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↑ Melrose Stand前から見たゴール前の攻防

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↑ スタンド前最前列から馬場との距離感。返し馬用のスペース(写真下)を挟むが十分臨場感あるレースを楽しめる。

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↑ ゴール版通過後の第一コーナー入り口から直線を臨む

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↑ パドックの様子。長方形の形状で、馬場のすぐ側に位置し、直接返し馬に向かうことができる。スタンド寄りのテントがあるスペースはウイナーズサークルを兼ねている。

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↑ パドック横の検量室。ここも花々で美しく飾られている。

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↑ パドック横に位置するプレパドック。写真上と中は、2021年のYorkshire Oaksを制したディープインパクト産駒のSnowfall。奥に見えるスペースで鞍を着けた後にパドックへ進む。

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↑ パドックの一部はウイナーズサークルを兼ねており、レース優勝馬は馬場からパドック内を練り歩いてウイナーズサークルへ。写真の上から三つは、2021年のYorkshire Oaksを勝利したSnowfall勝利時のウイナーズサークルの様子。

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↑ 狭いスペースにスタンドやパドック、バー等がひしめき合っており、自由に動けるスペースは少ないが、それがかえってざわめきと盛り上がりを演出するかたちとなっている。Ebor Festival開催時はドレスコードも相まって一層華やか。

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↑ レース終了後、競馬場出口付近に連なるシャトルバス。

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↑ ヨークの街並みとYork Minster。散策が楽しいイギリス屈指の観光都市。競馬観戦日の前後にぜひ時間をつくって滞在したい。

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↑ ヨーク駅に隣接する鉄道博物館では、日本国外で唯一の0系新幹線の車両展示を見ることができる。他の展示も見応えがあり、鉄道発祥の地イギリスならではの体験ができる。

<以上>

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