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統合報告書づくりの常識、そろそろ変えませんか?(マインド編)

どうも、こんにちは。
イチロクザンニというIR支援会社で、より分かりやすくて、より面白いIR資料づくりに日々取り組んでいるCEOの新実です。

先日発売された『広報会議 2023年6月号』にて、僕のコラム価値創造プロセスを1冊で表現する構成に 評価される「統合報告書」のポイントとはが掲載されました。

月刊 広報会議 2023年6月号

顔写真も載っていない1ページの記事だけど、イチロクザンニとして初めてのメディア出演ということで、とても嬉しかったよね。

今回はその取材時に語りすぎてボツになってしまった部分を中心に書いていこうと思う。

実際に掲載されたコラムはこちら↓↓↓
有料記事だけど、これも読んでもらえると嬉しいなり!


※株式会社イチロクザンニの創業物語は以下からどうぞ!

評価されようと思ってつくる統合報告書に、ロクなものはない!


さて、肝心の書き出し。
せっかくなので少しスパイス多めでいこうかな。

コラムが掲載された『広報会議』のコラムのタイトル。

『評価される「統合報告書」のポイントとは』

自分の文章のタイトルにした上で、こんなことを言うのもどうかとは思うが、ぶっちゃけ「評価されようと思ってつくる統合報告書にロクなものはない」というのが僕の持論である。

「評価されようと思ってつくる統合報告書にロクなものはない」

あえてもう一回


うーん。スパイシー。
いきなり取材してくださった媒体のタイトルにケチをつける野蛮なプレイ。「何してるんだ、炎上するぞ」という共同創業者・友井の怒号が聞こえてくる。

さすがにこのままだとまずそうなので、ちゃんと解説していこう。

あ、もちろん誌面に適当なことを書いてもらったわけでもなければ、掲載してくださった広報会議さんを批判するような意図もないからね。
ここ大事なのでしっかり太字で。リスクマネジメント。
真意についてはこのあとの内容を読んでいただければ伝わるかと。


統合報告書に限らず、あらゆる制作物、媒体に言えることだけれども、誰かに何かを発信する過程で「評価される」ことに比重を置きすぎてしまうと、最終的なアウトプットはどうしても本質から逸れたもの、もっと言えば”上辺だけ”のものになってしまうことが限りなく多いと僕は感じている。

もちろん「評価されたい」という気持ちで、ものづくりに励むことが間違っているとは思わない。
色々なモチベーションがあってもいい。

でも一番大切なのは、どんな制作物でも(自己満足の作品でない限りは)読み手や伝えたい相手がいて、その人たちに届けるために最善を尽くすことである。
そこに「評価されたい」という軸が加わると少し歪んでしまう。
例えるなら、就活で評価されたいがために、ボランティアに行くような”いびつ”さ。この感じ、伝わるかな?

だからこそ、こういった情報発信を目的としたものづくりにおいては、「最善を尽くした結果、届けたい人たちに届けたいメッセージが届き、高い評価を獲得した」というのが本来のあるべき姿であり、我々が追求すべきことだと僕は強く信じている。

情報発信の本質は、正しい情報を分かりやすく、読者に届けることである。
「そんなことは分かっているが、綺麗ごとだ!」なんて言わずに、まずはこれを追求していただくことが、評価されるものづくりの唯一であり最短の方法だと僕は思う。


統合報告書の”真の読者”は誰なのか?


では、ここまでの持論を踏まえて、広報会議のコラム『評価される「統合報告書」のポイントとは』ではどのようなポイントを紹介しているのか。

noteでは強めの言葉で吠えているのに、全国誌では小手先のテクニックばかり紹介していたとしら、この上なくダサいだろうな。チワワと呼ばれても言い逃れできないわな。

以下は、実際の記事だ。

(略)・・・企業価値の向上につなげるために意識すべき制作のポイントは、大きく2点あるという。
1点目は、「企業についてこれから知りたい人も読む」という旨を関係者が理解しておくことだ。新実氏が、国内の全上場企業の統合報告書を分析した印象として、画一的なフォーマットの中にただ要素を当てはめた、形式的で企業独自の魅力がアピールできていないものが多く見られたという。その原因として「読者」の想定が足りていないことが挙げられる。

「新実氏」という表記のむず痒さたるや。そこじゃないか。

要約するとこんな感じ。チワワにならずに済んだかな。

「形式的で企業独自の魅力がアピールできていない統合報告書が多い原因として、『読者』の想定が足りていないことが挙げられる」

詳細については記事内でも語っているのでさらっと書くが、統合報告書の役割は近年どんどん拡大していて、読み手(媒体のターゲット)もかなり広がってきている。
投資家はもちろん、各種評価機関、取引先、消費者、求職者、それから社内の人間(従業員)も統合報告書に目を通すことが増えてきた。
新卒採用の場面においても、優秀な学生ほど統合報告書に目を通してから面接に臨む傾向があるほどだ。

では、これまでの「報告書・レポート」という側面に加えて、会社案内やブランディングの要素も増えてきている環境下において、企業は誰に向けて情報を発信すべきなのか。ターゲットをどの層に定めるべきか。
この「読者」の想定を、企業ができるかどうかで、統合報告書の出来栄えは大きく変わると僕は考えている。

色々検討した結果、企業として読者のコアターゲットを機関投資家や評価機関に定めて、個人投資家や一般の消費者への情報発信を主としない、という経営判断をしたのであれば、それはある種正しいと思う。

特に大企業の場合、株価に直接的な及ぼすのは海外の機関投資家であり、またESG関連の評価機関から高い評価を受けることができれば、世界に対しても企業のブランドを強く発信できるからこそ、その層にフォーカスするのは論理的には間違っていない。

とはいえだ。
統合報告書を読むステークホルダーが増えている中で、本当にそれでいいのか? と僕は思わずにはいられない。

BtoC企業の場合は、個人投資家は消費者になり得るし、企業のファンとなって株を買っている方もいるであろう。
BtoB企業の場合は、たたでさえ一般の投資家にはビジネスの全景が分かりづらいのだ。分かりやすく丁寧に伝えないでどうする。

少なくとも大半の企業は、目の前の投資家に対して、目の前のステークホルダーに対して情報を届けることに注力すべきではないのだろうか?


固定概念を一旦取っ払って、最高の統合報告書を作らないかい?


IRを支援する僕らイチロクザンニが、一番主張したいこと。

隣の企業に右にならえの統合報告書はもうやめませんか?

どうせ高い制作費払うなら、隣の企業ではなく、あなたの目の前にいる大切な方、――例えばご家族や友人、同僚、部下、お客さま、クライアント企業を超えたさらに先にいる消費者、未来の従業員、そして日本の将来を担う学生たちにもちゃんと伝わるような、最高の統合報告書をつくりませんか?

独自路線を追求した丸井グループの共創経営レポートは、雑誌さながらのクオリティ

企業の魅力的な取り組みや施策、想いを分かりやすく、そしてその企業らしく。
一つひとつをバカ丁寧に、誠実な気持ちで、本気で伝えていくことを意識すること。
その”情熱”を持つことが何よりも重要である。

そしてこのマインドは、経営者、IR担当者、それから作り手である僕らのような支援会社それぞれが持っていなければならない。

ちなみに、評議会や各種評価機関が定めるフレームワークなどを否定しているわけではないことは特記しておきたい。フレームワークは羅針盤みたいなものであり、それを辿れば必要十分な情報を発信できるよううまくできているなと僕も強く思っているから。

でも、フレームワークにがんじがらめになってしまっては本末転倒であり、繰り返しになるが「読者に伝える」という本質を見失ってしまいかねない。
あくまで羅針盤であって、どういった航路を行くかは船によって異なるのがロマンではないか。

自由に大海原を進んでいく、そんな気概を持った企業さま。
僕らと一緒に、新しい未来を切り拓いていきませんか?



……ということで「マインド編」はここまで。
次回は「実践編」でも書いていこうと思っている。

タイトルは「価値プロセス図なんて、ビリビリに破ってゴミ箱に捨てちまえ(仮)」。どうぞお楽しみに!


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