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映画『エドワード・ヤンの恋愛時代』

『エドワード・ヤンの恋愛時代』を見てきました。

最初に見たときは途中うつらうつら眠ってしまい(なんてことだ…!)、DVDなどもないし見返すこともないまま20年以上が過ぎました。それから後『ヤンヤン夏の思い出』も『恐怖分子』も『牯嶺街少年殺人事件』も見ることができて、そのたびに『恋愛時代』をもう一度ちゃんと見たいとずっと思ってきました。
エドワード・ヤンの映画は画面の中の人物の出し入れがとても洗練されているなと感じます。ダメなところも多々あって喚いたりなじったりしている若い男女の群像劇が取り散らかってしまうことなく緊密にラストシーンまで紡がれていくのが凄い。ストーリーの内容とは別に、ただただ映画を見ることの感動が強くて、エドワード・ヤンの映画はやはり映画館で見なくてはと思わされました。
そうしてこの男女のまる二日半を見ていくうち、人がひとりではなく誰かと関わって生きることで生まれる軋轢も面倒くささも引き受けなければ、人生の深い喜びや幸福にはたどりつけないことが肚におちるのでした。他者と常に距離をはかり争いを避けて上辺だけの同意や共感で周りを固めて生きることもできてしまう現在、そんないまの上映だからこそ美しいラストシーンはより胸に沁みるのかもしれません。





#映画感想文 #エドワード・ヤン

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