淹れたてボールペン

自分の過去の経験をときにデフォルメもして小説で再構築しています。 自分のことを小説にす…

淹れたてボールペン

自分の過去の経験をときにデフォルメもして小説で再構築しています。 自分のことを小説にすると改めて自分をじっくり知れますし、あの時のことを改めて解釈でき、セラピー的な側面もあることに気づいてきました。

最近の記事

経過レビュー。おじさんの「自分らしい脚づくり」計画

温泉等にいくと自分のボディーが貧相で情けなくなんとかしたいという淡い思いと、最近のたるんだ自分にムチ打つ意味もこめて、「自分らしい脚づくり」を始めて1日目をリポートします。 思い立った背景や「自分らしい脚づくり」に向けて何を行っていくのかといったことは下記の記事をご覧ください。 1日目の状況 仕事終わりに自分で決めたメニューを行いました。自分の想像以上に体が動かないし、筋力の衰えを感じる情けなさ。 救いは、翌日にしっかりと筋肉痛がやってきたことくらいでしょうか。 1日目

    • 中年おじさんが3か月で自分らしい脚づくりを目指す

      どんどん見た目がだらしなくなってきてるけど、ほったらかしにしていたが、一念発起しまずは脚をなんとかしてみよう、鍛えてみようと思う。 なぜ脚に着目したかというと体全体の筋肉の7割近くが下半身だということと、最近は夏場でも長ズボンを履いて足を出すのを控え始めているからだ。 私のスペック 中年のサラリーマン(男性)。仕事の日は毎日6000~8000歩の歩行量。特に運動はしていない。細身で足はどんどん細くなってる気がしている。少し白髪が目立ち始めている。BMIは19.6で普通に分類

      • 【第12話の⑯/⑯】レモン亭 /小説

         いつものファミレスでいつもの反省会が今日も開かれている。しかし今日は、いつも以上に盛り上がってはじまる。土井ちゃんのお姉さんが来店したからだ。話題が、小森と土井ちゃんに移っていたとき川村さんが合流する。今日は川村さんはポニーテールではなかった。少し残念な気持ちもあるが、俺はポニーテールそのものが好きなのであってそれは川村さんだろうが誰だろうが別にどうでもよかったのかもしれない。ただ身近でポニーテールをしている女性が川村さんだけだったということなのかもしれない、そんなことをふ

        • 【第12話の⑮/⑯】レモン亭 /小説

           その日、小森からのメッセージを見て、俺もだが久本をそれは驚いただろう。今日、三井さんとしてレモン亭にやってきたのが、土井ちゃんのお姉さんだというからだ。プロポーズされ順風満帆な土井ちゃんのお姉さんが来てるなんて、そんなことあるのか。面識がないとはいえ、知人があの席に座ることがあるなんて予想だにしていなかった。俺は斉藤税理士事務所の前の歩道から三井さんを見ていたが、思わず事務所に入り、小森と斉藤さんと驚きを共有する。 「ほう、君たちとこうやって面識を持っていてよかったよ。こ

        経過レビュー。おじさんの「自分らしい脚づくり」計画

          【第12話の⑭/⑯】レモン亭 /小説

           このビルの2階ね。私は伊藤君が何を伝えてくれるのかただそれを知りたかった。不安や期待はもちろん同時に心の中にいてやんちゃに騒いでいる。しかし、私は事実を確認したいのだ。 レモン亭に入り「予約していた三井です」そういうと定員のウェイトレスが、こちらです、と案内してくれる。テーブルには予約席と書いたプレートが置いてある。 「そちらがメニューです。ご注文が決まりましたらお呼びください。」そう言って席を離れる。ここまでは何もおかしなことはない。ただ雰囲気の良いレトロ感のある喫茶店

          【第12話の⑭/⑯】レモン亭 /小説

          【第12話の⑬/⑯】レモン亭 /小説

           私は伊藤君を介してその伝言サービスの運営者と日程を調整し会うことになった。状況から略奪婚のような展開ではないだろうということは明白である。指定された場所に現れたのは、私と同じくらいの年齢に見える女性だった。髪はながく私なんかよりツヤツヤしている。首もシュッとしていて小顔効果が抜群に効いている。 「はじめまして。ボナベンチュラの栗崎です。」この人は栗崎さんというらしい。名刺はないようだが、その代わり何枚かの紙を手渡された。ご丁寧に予備も含めて2部。一通りの挨拶がすんだのち栗

          【第12話の⑬/⑯】レモン亭 /小説

          【第12話の⑫/⑯】レモン亭 /小説

           『土井さんにお話したいことがあります。』私はそのメッセージの文面を見てとても驚いた。何かしらの期待が膨らむことはなく、ただただ驚いた。伊藤君からメッセージが届いたのはどれくらいぶりだろう。 伊藤君と知り合ったのは高校生の時だ。私がバイトをはじめたコンビニに彼がいた。出会いはありふれたものだ。同じコンビニでバイトするくらいたがら家はそんなに離れてはいないけど近所でもない。私も彼も控えめな性格で盆栽好きという共通点があって自然と仲良くなる。今までネット上でしか話し相手がいなか

          【第12話の⑫/⑯】レモン亭 /小説

          【第12話の⑪/⑯】レモン亭 /小説

           平井さんから願ってもない提案があった。斉藤税理士事務所が俺たちと一度話をしたいから事務所に来て欲しい、というのだ。しかし、いったいどうやって点としての情報をつなげてこういう展開にしたのか。彼女は凄腕か。それともこいつもレモン亭の謎解きに参加しているのだろうか。なんにせよ狙い通り何か新しい展開につながるかもしれない機会を得た。 「ねえ、この前教えたモモがバイトしている喫茶店に、入り浸ってるらしいね。高級喫茶店のコーヒー代稼ぐためにバイト増やしているらしいじゃない。もうほんと

          【第12話の⑪/⑯】レモン亭 /小説

          サラリーマンの私が結婚10年でたどり着いた家事分担の答え

          我が家は妻が専業主婦で小学生の子どもがいる。妻は減点主義な所があるので私のパフォーマンスに満足はしていないが、結婚当初から洗濯な等の大事な家事は私もしてきた、つもりである。 子どもが乳幼児期の時はそれは子育ては体力と精神力勝負で、家事なんて2の次になるのは仕方がない。子どもが大きくなるにつれ、幼稚園や小学校に行く時間は妻も自分一人の時間をやっと取り戻し、自分時間を謳歌できるようになった。 妻は家事とかは苦手で好きじゃないしやりたくないし、と豪語してるが、多くの主婦がそうじゃ

          サラリーマンの私が結婚10年でたどり着いた家事分担の答え

          【第12話の⑩/⑯】レモン亭 /小説

           レモン亭に行くたびに小森と久本に奢っていると毎度3000円近い会計になる。貧乏学生にすると一回で3000円も喫茶店に払うのは大分と負担になっている。もう川村さんを疑いだすとキリはないのだが、確実にレモン亭の売り上げアップに貢献していることは間違いないわけだから、実は真の目的は俺のような客を引っ張ってくることなんじゃないのか、とすら思うこともある。そりゃレモン亭も商売だ、売り上げが上がるほうがいいに決まっている。 日雇いバイトを新たに1日して9000円くらいは稼いでおこうか

          【第12話の⑩/⑯】レモン亭 /小説

          【第12話の⑨/⑯】レモン亭 /小説

           その日の夕方、川村さんから連絡がきた。本日レモン亭で三井さんの予約あり、だそうだ。俺たちは今日レモン亭に行くつもりにしていたので、覚悟を決めてレモン亭に向かう。作戦決行だ。夜の7時過ぎにレモン亭に行き、予約席を挟む2つのテーブルに座る。一つのテーブルは俺が一人で座り、三井さんの顔が正面に見えるように着席する。もう一つのテーブルは小森と久本が座る。そして決まって9時ごろに三井さんが帰るまで観察できることを一つ残さず観察する。これが俺たちが考えた作戦だ。 三井さんの正面を見ら

          【第12話の⑨/⑯】レモン亭 /小説

          【第12話の⑧/⑯】レモン亭 /小説

           「あっ、武田君じゃん。そこ座っていいかな」食堂で朝ご飯を食べていた時に声をかけてきたのはサークルの同期の平井さんだ。 「いいよ、今日サークル行く?」 「行くけど、武田君は?最近あんまり顔ださないね」 「ちょっと最近忙しくてあんまり将棋をやる時間がなくて。今日はどうしようかな、行けないかもしれない」そう、今日はとても緊張の日になるかもしれない。 「ふーん、でも今日はモモは来ないよ、バイトあるから」モモとは川村さんのことだ。なんでこいつ川村さんの話を出してきたんだ。眠気が一気に

          【第12話の⑧/⑯】レモン亭 /小説

          【第12話の⑦/⑯】レモン亭 /小説

           小森も武田も一緒に来たらよかったのに。大文字山の山頂から見る景色は気持ちいいのにな。いうて京都市内にいると知らず知らずに窮屈感を感じる人は多いはずだ。限られた土地にこれでもかとギュウギュウにビルや家を建て道は狭く路地は多い。大文字山からはそんなギュウギュウ感が逆に綺麗な模様に見えて景色に花を添える。また、ごちゃごちゃになっている頭の中からスッと今大事にすべきことを見極めることが比較的容易にできるのも高い所の解放感がなせる魅力だ。しかし物事はたいてい良いことばかりではなく二面

          【第12話の⑦/⑯】レモン亭 /小説

          【第12話の⑥/⑯】レモン亭 /小説

           俺は、小森の家におしかけていた。遅れて久本も合流予定だ。都市と循環とかいうテーマのシンポジウムが京都であるらしく終わり次第来るとになっている。ご熱心なことでなによりだ。  俺が借りている部屋は1LKでリビングは6畳しかない。テレビと小さな机とベッドを置けば部屋が一杯になるくらいの広さだが、こいつの部屋のリビングは10畳はあり、キッチンとの間に扉がありコンロは2口もある。要はグレードが高い部屋を借りている。 「お前、素敵な女子と二人でレモン亭行ったらしいな」 「えっ、ばれて

          【第12話の⑥/⑯】レモン亭 /小説

          【第12話の⑤/⑯】レモン亭 /小説

           ドキドキのレモン亭での一時間半を過ごし、俺たちはレモン亭近くの公園に自転車で移動し感想戦に入っていた。ここでバイト終わりの川村さんとも合流する予定にもなっている。 「武田よ、まずは川村さんの話といこうじゃないか」久本は川村さんが来てしまう前に、こいつらの本題、を済ませておきたいということだろう。何様のつもりか知らないがありがたい評価を告げられる。 「まぁ分かる、ありや」久本の評価に首を縦にふるので小森も同じ意見のようだ。 「何がや?」 「可愛らしい子じゃないか。ただお前の

          【第12話の⑤/⑯】レモン亭 /小説

          【第12話の④/⑯】レモン亭 /小説

           ほう、珍しく今日は青年3人じゃないか。あれがいつもの謎の客となれば3人は初めて見るかもしれん。ここに税理士事務所をかまえてどれくらいの月日が流れただろうか、ここからちょうど見えるレモン亭の壁際の席に座る客がただコーヒーを楽しみに来ているのではないんじゃないかと気づいたのは。 事務所の目の前の喫茶店だからたまに利用することはあるが、特におかしなことは感じないし、むしろ飴色の調度品やふかふかの絨毯が心地よいくらいの純喫茶だ。夜の8時前になるとウィスキーをシングルで味わいながら

          【第12話の④/⑯】レモン亭 /小説