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愛着形成と母乳育児。私が辛かったこと。

2023年最終日だが今日は私が子供を産んでから一定期間悩み続けた母乳育児について、ここに残しておこうと思う。

新生児は母乳を飲むことでお母さんからの免疫が分けられ、すべての感染症と闘う助けになったり、疾患を予防したり、正常で健康的な発達に貢献すると言われてる。
WHOでもその重要性が発信されていて私が見た記事では最低6ヶ月推奨とあった。

私は混合育児をしていたのだが、娘が4ヶ月に突入した頃から完全に母乳を拒否しだし哺乳瓶で飲むミルクを求めた。
いわゆる、乳頭混乱というやつだが医学用語ではないらしい。

おっぱいは張って痛かったが搾乳機は買っていなかったので産院で教えてもらった"魔法のクチュクチュ"(自分で絞る方法)で乳腺はなんとか耐えていた。
諦めかけて2週間が経っていたが、近くに助産院がある事を知り出来るなら母乳を与えたい思いで即電話し事情を話した。応対してくれた方は事情を知るなり翌日の昼に予約を取って下さった。
当日はおっぱいの張り具合、娘の飲みっぷり、体重等成長傾向はどうか等、一通り網羅して確認した上で、娘は健康に育っているからまず成長に問題がない事。母乳は工夫しないと飲めないけどミルクはドボドボ飲みたいだけ出てくるからそりゃミルクを選ぶよねと。免疫に関してはこの4ヶ月母乳を与えられていたのだから問題ない。さらにお母さんが母乳育児をされたいなら以下5点を行ってみて下さいとの事だった。

①まずはお風呂で裸の状態で密着する時間を大切にする事。
②そしてミルクをあげる前に口におっぱいを咥えさせる行為を継続すること。
③その時に無理やり赤ちゃんの口をおっぱいに押し付けたりしないこと。
④また哺乳瓶の乳首のサイズをダウンしてあえて飲みづらくし、母乳と同じ状況にすること。⑤そのせいで飲む量が極端に減ったら本来のサイズに戻す事。

それからも母乳拒否状態が続き3.4ヶ月検診の時がきた。
ここでもダブルチェックを兼ね受診票にある授乳方法の欄に母乳・ミルク混合育児と記載しその他の欄に4ヶ月になってから娘が母乳を嫌がるようになったと書いた。
また卒乳についても不安が残っていたのでこのタイミングでは早いのか、卒乳した場合のデメリットを教えて欲しいと書いた。

結果医師からはそのデメリットについても問題なく母親の判断で良いと言われ私も納得した。


全て検診が終わった後、60代くらいの方と30代くらいの保健師の方2人に小さな部屋に呼び出された。

"お母さん、ご不安なことはありますか?"
"母乳をあげたい?"
"お子さんとの愛着形成はされていると思う?"
"母乳育児が愛着形成に必要なのよ"

何故ここに呼ばれて、何故こんなに心配されるのかわからず戸惑った。

ただ、なぜか私は必要以上に心配されていたし、まるでこのお母さんやばいですよと言われているような雰囲気を感じて辛かった。


この頃娘は私を母と認識し、"ママじゃないとだめ"な事が増えてきていた。
それは愛着形成がされている、ということじゃないのか。
そもそも母乳育児が愛着形成のすべてなのか。
私にとってはこの狭い真っ白な空間で責められているように感じてしまい声の掛け方が違うのではないかと胸が痛んだ。

最後には心配な目で
"お母さん頑張ってるから大丈夫よ。"
と言われた。

何故こんなにも胸が痛んだのか。
この頃の私はおっぱいを飲んでくれない娘に対して思い悩む気持ちが膨らみいつのまにか完母への憧れまで抱いてしまってたからだった。

その中で言われたこの言葉。

娘を産んでから1ヶ月の間は産後ブルーになり、その後も成長過程に合わせた悩みが起き、今まで持っていなかったキャパをこじ開けこじ開けやってきた。

それなのに、
この言葉がけは怒りが込み上げるほど辛かった。

検診の送迎をしてくれた母には笑い話のように話たものの、心はどんどん雲行きが怪しくなって家に着いて娘と2人の時間になってから何故か娘に"ごめんね"って言ってた。
謝る理由なんてあったのか…わからない。


それから以前から気になっていた岡田尊司さん著書の『愛着障害』を読んだ。

経緯としては上記出来事に加え、私自身抱えるコンプレックスの根源を模索する中で、そして自身が社会人1年が立つ頃から過度のストレスで適応障害のラインにひっかかる所にいた経験があったことで精神障害に関心を持ちこの本を読むに至った。

子どもが成長するうえで、母が抱っこすることは、乳を与えることと同じくらい重要なのである。いくら栄養を与えても、抱っこが不足すれば、子どもはうまく育たない。

愛着障害 子ども時代を引きずる人々 岡田尊司
p21

この本では人見知りが始まる生後6ヶ月から本格的な愛着が形成され始め、一歳半くらいまでが愛着形成に最も重要な期間としている。

愛着形成の内容としては子どもの要求に応えたり反応することが重要だとし、例として抱っこをたくさんしてあげてくださいとある。
そしてその期間に一度作られた愛着は半永久的に持続し愛着対象と遠く離れたり時間を隔てても変わらず持続する。それは大人になっても持続し続けるのだと言われている。

それならば母乳育児が長く続かなかった私にもできる事があると、やっと安堵することができた。


育児というものは人それぞれ抱える悩みが異なる。
その環境下でお仕事をされる人は日々悩みつつも様々な声かけを模索して話しかけて下さっており凄いなーと感心する事が多々ある。

今回私が学んだのは、相手を思ってかけた言葉でも質問の仕方や与える空間の作り方1つで受けて側の心を不安にさせたり辛くさせる事があるということだ。

自分には見えていない過去があることを認識して相手(他人)に向き合うことを忘れたくない。

母乳育児は本当に大変だと思う。
同じく悩みを抱えている方がいたら信頼できる助産院や医師を早めに見つけて悩みをクリアにできる環境を作ってしまうことが手取り早かったなと思う。

そしてこの本の最後に愛着スタイル診断テストがある。
私は愛着スタイルが安定型でその特徴は愛着不安、愛着回避とも低く、もっとも安定したタイプだそうだ。
親に感謝したい。

そして自分が感じていたコンプレックスの根源は愛着に関する事柄ではなかったとわかった。
みなさんは自分のこと、丸ごと認めて毎日過ごせているのだろうか。
どうも私は他人と比べがち・他人を尊重しがち・勘繰りすぎ、で自分の意見に筋を通せない所があって悔しい思いを何度もしている自分がとても嫌い。
自分を丸ごと認めるって難しいな。
改めてこの育休期間は自分と向き合い、自己理解を深める時間にしたいなと思う。


さて今年はテレビをつけず、旦那と2人しみじみお酒を飲みながら年を越しそう。
新年を迎えるのが楽しみだ。

読んでくださりありがとうございます。


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