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自分を豊かにしてくれる人


 私には、その人を見るだけでドキドキして自分もこうなりたい!と思う人がいる。


 ひとりは
「北北西に曇と往け」という漫画のリリヤ
というキャラクター

 この漫画はアイスランドが舞台で、現地での生活や、主人公のけいを通して様々な人のドラマを知る物語だ。

 リリヤはアイスランド人の女の子。佇まいが美しいクールガールだが、可愛らしい雰囲気もある。この漫画のヒロインだ。ストイックで頑固な一面も彼女の魅力で、凝り固まっているというよりも、芯が通ってる強さを感じる。

 また彼女はチェリストで、チェロに触れている身としては憧れない理由はない。

 漫画なので彼女が奏でるチェロの音はもちろん聴けないけど、アイスランドの冷たい空気に馴染むような洗礼された音なのだろうなと思う。
(もちろんアイスランドの空気感も分からないけど、空想で。)


 ちなみにこの漫画の登場人物は、多くが何かしらの能力(?)を持っている。
 リリヤは人が発する言葉や音から色々な調子を感じることができる能力がある。

 たとえば、日本から観光に来たきよしというキャラクターに
「写真を撮らせてもらえませんか?すごく綺麗な人だから。」
と言われたときに、それが他意のない素直な言葉だと感じて快諾したり

 主人公の慧の足音を聞いて
「ケイの足音、喋るよりずっといい音。こんなふうに話してよ。」
と言ったり。

 逆に嘘をついてる言葉には不快感を示すことがある。言葉や声音を大切に思う私にとって、魅力的な能力だ。


 最近発売された7巻の冒頭には、「リリヤファイル」という名で、彼女の色々な様子が描かれた。
どれも美しくて可愛らしくて、心躍る。

 筋トレのやる気が出ないときに彼女を見ると
『リリヤなら毎日走ってるし筋トレもやってるよな。体づくりは音楽をする上でも、佇まいを美しくするためにも大事だよな。』
と思ってやる気がでてくる。

 7巻の試し読みで少しだけ見られるので、見てほしい。ドキドキしてしまうから。




 もうひとりは
「アバター ウェイオブウォーター」キリ

 この映画で彼女は、次世代のアイコンとして描かれている。
 多感で繊細で、力強い何かを自分の内に持っているけど、それをどう扱っていいか戸惑っている。

 ポインセチアの花言葉に「私の心は燃えている」
とあるが、まさにそういう秘めた情熱や愛情を持っているキャラクターだと思う。

 リリヤとは違い、目指したいというよりも、
彼女のような美しい心や雰囲気を忘れてはいけない。彼女とのシンパシーを失ってはいけないと私は思う。

 彼女の、海を楽しそうに泳ぐ姿や、自分が感じるものに向き合って俯いた面差しに、涙がでてくる気持ちをずっと大切にしたい。

 キリは14歳の設定だが、演じた俳優さんがシガーニー・ウィーバーさんという70歳をこえる方というのに驚く。

 10代の女の子の、ませているようだけど未熟な可愛らしさを仕草や表情の演技に落としこめるのは、当時の気持ちを大切にとっておいたからだろうとその心の豊かさに圧倒される。

 私もキリを通して、自分の気持ちをずっと忘れないようにしたい。



 ちなみに、今年やりたいことのひとつに
「入江亜季先生の漫画作品を全て読む」がある。

 入江先生の作品は
「北北西に曇と往け」と「旅」
だけ読んでいるのだが、
初めて手に取った北北西に曇と往け1巻のあとがきを読んだとき、この方は自分が生きることをドラマできる人だ。と思って好きになった。
 ぜひ漫画を含めて読んでほしいと思う。


 ロールモデルとかを見つけるのは難しいけど、こうして心動かされる人にたくさん出会って、自分を深く豊かにしていきたい。


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