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しあわせのゆでたまご

信じられるのはだいすきな歌、
それにまっ白なゆでたまごだけ。

ゆでたまごを食べるとき、
いつも思い出す「しあわせのゆでたまご」

小学生の頃、図書館で何度借りたかわからない。
(こういう本は他にもいくつかある)
まっ白なゆでたまごを信じるとは
どういうことなのか。
身の回りに幸せが溢れ
平凡に暮らしていたあの頃のわたしには
よくわからなくて
ただただ、ゆでたまごがおいしそうな本だった。

今朝起きてキッチンへ向かうと
ゆでたまごがひとつ、ポツンと置かれていた。
わたしはそれを丁寧に、丁寧に剥いて
外の景色を見ながら食べることにした。
まっ白でつるんとしたゆでたまご。
すこしへこんでしまっているけれど
ああ、まっ白だ。
わたしの頭の中のごちゃごちゃも、
胸の中のもやもやも、
スーッと晴れていくような。
もう一度読んでみよう。
「しあわせのゆでたまご」
きっとあの頃わからなかった何かが
わかるかもしれない。

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