アイリ

少女漫画ではヒロインに片想いするも報われない「めっちゃいいやつ」ポジションの男の子に惹…

アイリ

少女漫画ではヒロインに片想いするも報われない「めっちゃいいやつ」ポジションの男の子に惹かれがちです。

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    自意識と感性。

最近の記事

じいちゃん

七夕。 じいちゃんの命日。 6月に入って、豪雨が続いたりすると 今年もきたなぁと思う。 人はいつか死ぬなんて 1+1=2と同じくらい 当たり前のことなのに 受け入れるのはとってもむずかしい。 ほとんど残ってない体力を使って 小さくてガラガラの聞き取りにくい声で 「まだ結婚してないんか、、 えらいことになるぞ、、」 と不吉な予言を残した じいちゃんともっといろいろ 話せばよかった。 幼馴染の結婚式に行って、 お色直しのエスコート役に呼ばれる おじいちゃんズを見て その日は幸せな

    • 映画化してほしいと言われた私の初夢の話

      2022年。初夢は何を見たかという 話題になった。 毎年年始は忙しくてへとへとなので 夢を見ずに爆睡の私が 今年はへんてこな夢を見たので 話したところ「映画化してほしい」という 意見まで出たのでここで発表したい。 起きた時にできるだけ詳細にメモしたけれど ぼんやりしている箇所もあるので そこは想像で補うこととする。 今よりもおそらくうんと未来の地球。 人口はあまりに増え過ぎた。 食糧難や犯罪の多発により 世界中の国のトップたちは 自らが治める国の民たちを コントロールできな

      • アイラブユー

        「2人で夜空を見上げてね、 隣にいる人が言うの 『月がきれいですね』って。」 「ほう。そしたら君はなんて言うの?」 「そしたらわたしは 『月は、ずっときれいでしたよ』 って言うの。月は、のあとは 3秒くらい時間をあけるの」 「なるほどね。でもそれじゃあ、 以前から好きだったわけじゃない 相手ならどうする?」 「それは考えてなかったな。 困った、なんて言おう」 「『あなたと一緒に見ているから』なんて どうかな」 「それじゃあ、ありきたりだよ。 そう、たとえば『手を伸

        • 夜について。

          最近何かとテーマが夜になりがちだ。 夜に書いているからなのか。 わたしには朝早く起きることこそが 良いことだと思っていて 誰彼構わず早起きを押し付けていた たいへん迷惑な時期があった。 深夜の3時や4時まで起きている人のことを それだけで社会不適合だとすら 思っていた。 小さい頃、全人類が朝は7時に起きて夜は9時に 寝ているものだとばかり思っていたものだ。 夜はとても怖いから、だから眠らなきゃ やってられないのだとも思っていた。 それでもクリスマスの夜なんかは 寝たふりを

        じいちゃん

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          11本

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          おもしろがることの大切さ

          おもしろい、という言葉を 全くおもしろくないときに 使ったことはあるだろうか。 先日読んだ本に、 とにかくおもしろがってみることの 大切さが書かれていた。 たとえば嫌なやつに出会った時 「おもしろいヤツだなぁ」なんて思ってみる。 乗り越えられそうにない苦難が やってきたとき、 「ふぅん、おもしろくなってきたじゃない」 なんて思ってみる。 なるほどこれは実践してみると 確かに心が軽くなった。 おもしろいという言葉は おもしろいときに使うより おもしろくないときに使う方が その

          おもしろがることの大切さ

          しあわせのゆでたまご

          信じられるのはだいすきな歌、 それにまっ白なゆでたまごだけ。 ゆでたまごを食べるとき、 いつも思い出す「しあわせのゆでたまご」 小学生の頃、図書館で何度借りたかわからない。 (こういう本は他にもいくつかある) まっ白なゆでたまごを信じるとは どういうことなのか。 身の回りに幸せが溢れ 平凡に暮らしていたあの頃のわたしには よくわからなくて ただただ、ゆでたまごがおいしそうな本だった。 今朝起きてキッチンへ向かうと ゆでたまごがひとつ、ポツンと置かれていた。 わたしはそれ

          しあわせのゆでたまご

          100点ばっかとっててしんどくない?

          わたしは褒められたがりの、臆病者です。 褒められたくて頑張るのに、 褒められるとがっかりされるのが怖くて仕方ない。 一度頑張ってしまったら、もっともっと 頑張るしかなくなってしまう。 まるで動けば動くほど絡まる敵の罠みたいに。 だからわたしは、もう頑張らない。 100点をとらない。 60点ぐらいで生きていく。 そうすればたまに100点が取れたら 嬉しいし、普段60点だから 失敗したところでなにもこわくない。 失敗に怯えながら生きるのって 本当に辛い。実は失敗ってとてもいい

          100点ばっかとっててしんどくない?

          ヒャクニン。

          いつのまにかフォロワー数がヒャクニンを 超えていました。すごいことです。 わたしのひとりごとのような文章を 読んでくれる人がいる、ありがたい。 子供の頃から、考えごとばっかり。 学校へ行くときも、授業中も、夜眠る前も。 考えていることを形にしたかったけれど なんだか恥ずかしくて。 それに自分の頭の中を誰にも知られたくない っていう気持ちも大きかったかもしれない。 そんなわけでわたしは頭の中に 厳重な鍵をかけて、ひっそり、こっそり、 いろんなことを考えていたのです。 今はそ

          ヒャクニン。

          催花雨があがったら。

          夏はまだ去り難いのだろうが 栗やかぼちゃのスイーツたちが 追い立てている。 「東京、行くねん」 いつものカフェで彼がボソリと言う。 卑怯にも、別れようとは言わなかった。 そして、モンブランと私を残して 旅立ってしまった。 秋はとっくにどこかへ行ってしまった。 彼は東京で女の子と暮らしているようだと 木枯らしが噂を運んできた。 そうして、冬も去っていった。 その日は朝から雨の音がわたしに寄り添っていた。 こんなにも雨が降り続くのはいつぶりだろうか。 しとしと。しとしと。 優

          催花雨があがったら。

          だから後悔なんてしなくていいの。

          四畳半神話大系。 主人公は冴えない大学生(全くイケてない大学生活を おくっているところが読者のハートを掴んで離さない) あのときの選択が間違ってたんじゃないだろうか、 ああ戻ってやり直したい! 4つの並行世界で繰り広げられる 阿呆で愛おしい日常はどれもわたしにとっては 羨ましいストーリーでした。 あの日、あの瞬間、別の選択を していればこんなことには ならなかったのに。なんて 思うことはよくあるけれど 結局のところ、終着点はさほど 変わらないのだなぁ、と思うと わたしは少し

          だから後悔なんてしなくていいの。

          夜に捧げる愛の話②

          夜が更けた。時津秀隆は考えていた。 このところ夜になると、思い出が鮮明に蘇る。 朝になればすっかり忘れているのに また夜になると昨日のことのように思い出す。 寝室ではすでに妻が眠っている。音を立てないよう そっと冷蔵庫から缶ビールを取り出す。 喉を流れるビールの音さえも響いてしまうような 静かな夜だ。 「なぁ、お前たちも過去を思い出すことがあるか」 何気なく、目の前の水槽でゆらゆらと泳いでいる グッピーに話しかける。 過去も現在も未来も泳いでいるだけの熱帯魚は 不思議と俺よ

          夜に捧げる愛の話②

          夜に捧げる愛の話①

          夜が更けた。桃瀬遥は考えていた。 自分にはもう誰かを愛する力がないのかもしれない。 ないのは力ではなく運なのかもしれないが。 誰かを愛することができるというのは とてもラッキーなことなのだ。 恋人ができることや結婚ができることが 幸せなのではない。 愛する誰かがいるということが とてもラッキーで、幸せなことなのだ。 「ねぇ、あんたは誰かを愛してる?」 膝の上でクークーと寝息を立てるカートに聞く。 わたしが17歳の頃からずっと一緒にいるけれど 彼が誰かを愛しているという話は聞

          夜に捧げる愛の話①

          過去からのエール

          わたしのもやもやとした心とは正反対に 透き通った夜空にキラキラと星が輝いている。 どうして悲しくて泣きそうな時ばかり こんなにも星が綺麗なのか。 まるで星たちに、泣くな。上を見ろ。と はるか遠くから言われているようだ。 溢れそうだった涙も、 上を向くと引っ込んでしまった。 星はすごくすごく遠いところにある。 たとえばおおいぬ座のシリウスは だいたい8光年ほど先にあるから わたしたちが今見ている光は 8年前のものということになる。 夜空は過去だ。 過去の光が今のわたしを励まし

          過去からのエール

          ドーナツの穴の話

          先日、わたしの誕生日パーティーを 開いてもらった。 何か望みはあるかと聞かれたので 山盛りのドーナツが食べたいとお願いしたところ なんとも素敵なドーナツタワーを 作ってもらった。 子供の頃からの夢だった 両手にドーナツを持って交互に食べるという 小さいけれど幸せな夢が叶った。 ドーナツは、いい。 特に穴があるところ。 わたしはドーナツを食べる前、 とりあえず穴を覗くことにしている。 もしかすると何かが見えるかもしれないから。 例えば宇宙の果てだとか。 未来の自分だとか。 将

          ドーナツの穴の話

          君は、実は宇宙人なんだよ

          と、その人は言った。 わたしは眠い目を擦りながら 「ふうん、それで?」とぶっきらぼうに言った。 「地球を守ってもらわなければならない」 と、その人は言った。 よく見るととてもきれいな男の人だ。 20歳にも、40歳にも見えるような 不思議な雰囲気を持っていた。 「あいにくですが、わたしは 地球を守れるような人間じゃありません。 30年も生きているのに、まだこれっぽっちも 生きるコツが掴めてないんです。 なんの取り柄もなく、 この先70歳か80歳くらいまで 退屈な人生を送る予

          君は、実は宇宙人なんだよ

          雨の日に無理をして傘をささずに歩くのがえらいのかって話なんです。しんどいとき、ニコニコ笑わなくてもいいんじゃないかって。

          雨の日に無理をして傘をささずに歩くのがえらいのかって話なんです。しんどいとき、ニコニコ笑わなくてもいいんじゃないかって。