去年の8月からLancers LLM LabsでつくっていたAutoron(オートロン)をリリースするまで。
おはようございます、入江です。
去年の8月に立ち上がったLancers LLM Labsですが、ようやく新しいサービスを本日ローンチすることができました。
生成AIが進化を続ける中、これから働き方をはじめ、仕事のありかた、社会が変わっていくことは間違いありません。Lancers LLM Labsはこの機会をチャンスに変えて生成AIを使ったサービスをつくろう!というところからスタートしたのがはじまりでした。
どんなサービスを立ち上げるのか
立ち上がった当初は何をつくればいいか悩みに悩みました。まわりをみわたしても新しいAIサービスが次々と出ていく状況・・・。
新規サービスの基準として「本当に使われるものをつくりたい」という考えがありました。これまでに個人開発で30個以上のサービスをつくってきましたが、今回は個人開発ではなく会社の新規事業としてのサービスです。
長い工数をかけて投資するものなのでなおさら、ビジネスとして成り立たつものじゃないといけません。
AIを使ったサービスとなるとこれまでにない新しいことができるため、見た目やアイデアのインパクトありきなものになりがちです。
個人開発でつくったNeNeAIもそうです。これは個人開発ならアリですが会社ではなかなか難しいなと思います。
世の中とのAIとのギャップ
自分自身、ChatGPTがでてきてから生成AIを仕事にバリバリ使ってきました。
いっぽうで周りを見渡すと生成AIを仕事で活用している人は圧倒的に少ないです。これだけ可能性があるものを仕事に活かさないのはもったいないなと素直に感じます。生成AIは実際、専属の秘書を手に入れたようなものと同じです。
ただ現時点の生成AIはまだ新しく、「どうやって使えばいい?」という使う側のスキル(プロンプトだけじゃなく利用の仕方も)が求められます。
できることの自由度が高すぎるために、具体的なシーンにおいての活用法を考えるのが面倒なため、イメージできないため普及していないのだなと想像できます。(後は海外サービスで英語だから・・・というのもある)
実際、去年の8月時点でGMOリサーチの調査をみても、業務での利用率は10%程度となっています。そのほかのリサーチをみても概ね多くても国内では3割程度です。
ほとんどみんながAIを使うと生産性が向上するのだろうなと思いつつも、実際の仕事では使えていない理由はいくつか考えられます。
利用イメージがわかない、どう使えばいいかわからない
具体的なプロンプトの指示の書き方がわからない
学習データとして使われる、情報漏洩がおきないか心配
間違ったデータを鵜呑みにして使ってしまうかもしれない
画像生成での著作権などの問題がおきないか心配だ
社長からは生成AIを導入してみてといわれても実際の現場の担当者が使いこなせていないため、当然導入や社内での利用が進まない、そんな状況が多いのではないでしょうか。
ギャップを埋めるサービスをつくりたい
そこにつくる理由があるのでは?そんな仮説からはじまったのがオートロンです。具体的にプロンプトの知識や使い方を意識せずとも業務で使えるものを目指して開発が進められました。(今回の開発話としてもまた苦労があったので、別の記事にまとめます・・・)
開発段階では先に社内で公開・利用してアップデートを進めていきました。
社内ではエージェント事業にてマッチング率算定に利用したところ、面談率が上がりました。時間がかかっているルーティングな作業にも相性がよいです。
そうして完成したのがオートロンです。まとめた紹介は下の動画をみていただければと思います。
かんたんにいえば、ChatGPTをより日本向けに設定し、GPTsをチーム(会社)で使え(あらかじめセットも用意)、バナー作成などの画像生成もできるようにし、価格はChatGPTより安くはじめられる、といったものになっています。
ただこれは正直なところ、本日の段階はスタートラインで、まだまだ理想には遠いです。
業種別のスタートセットをつくり、それさえあれば後は詳細をチューニングするだけですぐに業務に役立つようなものにしていきたい。テキストだけじゃなく、カレンダーの予約ができるとか、Slackの中で使えるとか、AIと機能を組み合わせて「日本での仕事をもっとサポートする」、裏方なAIアシスタントサービスに成長させていければと思っています。
無料で利用開始できますので、個人や会社での利用にぜひ一度使ってみていただけるとうれしいです。
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