見出し画像

なんでもするから いなくなんないで|BL漫画『ピットスポルム』第3巻

※この作品はBL漫画です。

これまでの感想はこちら

晴れて恋人同士になった2人。

夏休みも近づき、皆が浮き足立つ中、矢野は一人で考え込んでいることが増えた。

その事を小田島が尋ねると

「帰省……するつもりだったんだけど
…やめようかなって」

『ピットスポルム』第3巻

矢野は経済的な理由から、帰省を止めようと悩んでいた。

悩んでいたことを打ち明けた後で。

隠すことでもないから言ったけど、気を遣わせるような事を言ってしまった、と後悔した矢野は、小田島に謝ろうとするが、彼は出かけたまま帰ってこない。

やっと帰ってきた小田島に、矢野は「おかえり」と言うより前に

「昨日 変なこと言ってごめん!」

『ピットスポルム』第3巻

と、小田島に頭を下げた。

頭を下げたままの、小田島は、考えなしに帰省を促したことを謝り、もっと頼って欲しい、と矢野に伝える。

そうして、彼は、「デートに行きたいところが出来た」と、あるものを矢野に見せた。

「東北新幹線のチケット?」

『ピットスポルム』第3巻

慌てる矢野に、小田島は

「矢野が育った場所に行ってみたいの 俺 …お願い …一緒に行ってくれない?」

『ピットスポルム』第3巻

こうして、2人での帰省が決まった。


幸せになったからこその悩み

恋人同士になったからと言って、全ての問題が解決するわけではない。

寧ろ、新たな問題が生まれることもある。

両思いになった2人のその後は、正にそんな感じで。

矢野の生まれ育った場所へ行って。
小田島は、矢野が大事にしていたもの、大事にされていたことを目の当たりにする。

周りの人間も彼を慕っていて。
彼自身も、家計のことがなければ、本当はここに留まっていたかったはずで。

「…それでも俺は矢野と絶対離れなくない」

『ピットスポルム』第3巻

特待生でいられるように、勉強なんかいくらでも教える。

だから、いなくならないで。

と、言う小田島の苦悩は、今までの、自分を同性愛者だと認められない、という苦悩とは違って、苦しんでるシーンなんだけど、幸せになったんだなあ、と思っちゃう。

しかし、このストーリーの2人の障害は正しく“経済格差”で、自分じゃどうにもならないことばかり。

矢野も、気持ちは固まってるし、中途半端な気持ちじゃない、と言いながらも

「気持ちと現実問題は …別だし
すぐに全部の答えを出すのは ……難しいけど」

『ピットスポルム』第3巻

と、答えている。

そうなんだよねー。学校卒業したとして、自分の生活だけを考えれば良い、って状況でもないしね。

間髪を入れずに来月には4巻が発売するんですけど。

苦悩するイケメン・小田島を堪能するのも良いのですが。

学生らしい2人の楽しいエピソードも見たいなぁ……

しかし、やっぱり、幸せになったからこその悩みだなぁ。
うんうん。


この記事が参加している募集

マンガ感想文

よろしければサポートをお願いします。