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性をタブー視してきた世代にこそ届けたい想い 性教育アドバイザーあやの独り言vol.002

※2021/05/16に掲載した記事の再掲です。

彩-irodori-保健室、あやです♪

「子育てママに伝えたい☆幼児期からの性と命の教育」Zoomセミナーに参加してくださったのは、なんとシニア世代の男性!

初の男性。初のシニア世代。いやー、色々伝えたくて、熱くなりすぎて、すっかり時間延長して喋り倒してしまいました(笑)

シニア世代といえば、まさに性に対してタブーを感じて生きてこられた世代。しかも男性が

「僕もそう思います」「それは初めて知りました」

と共感や興味を持って聞いて頂けたことが本当ーに嬉しくて♪

実は。性教育の歴史的には、性教育がブームになった時代もあったんですよね。

1990年代、エイズの流行をきっかけに、コンドームの啓蒙キャンペーンが盛んになり、私が学生時代を過ごした表参道には、コンドーム専門店なるものもあったくらいでした。

女子高生が飛び付くような、ペロペロキャンディーみたいな可愛いデザインのものや、チョコやいちごやバナナの香り付きのものなんかも堂々と売っていたりして。

だけれど、そこから一転。2003年に、都立の養護学校で、模型を使って性教育をしたことがメディアによって取り上げられ、「過激な性教育」としてバッシングを受けてしまいます。

この問題は議会にまであがり、当時の総理大臣小泉首相は、「知らないうちに一通りのことを覚える」(だから性教育は必要ない)と発言されました。

そして、今のシニア世代の方々によって、「寝た子を起こすな」と、2004年に教育指導要領が改訂。

現在学校で、「性交」について取り扱うことができなくなってしまったのには、やっと進みかけた性教育がまたタブーなものに戻ってしまったのは、そういった経緯があったんですよね。

でも。40年以上前までは、結婚するまで処女を守りましょうという貞操教育というものがありました。

昔は自宅出産があったり、兄弟が多かったから、命の誕生を体験として感じられるシチュエーションがありました。

でも今は?

出産はほぼ病院になり、少子化により一人っ子が増加。スマホやPCの普及で、命の誕生より、アダルトサイト等の性産業の方が身近。

自然に覚えることが、初めて見るものが、歪んだ性である可能性がとても高い時代だと思うんです。

「寝た子を起こすな」というけれど、今の子ども達はちっとも寝てなんていません。

性教育=性行為教育ではないのに、そんな発想になる、性をタブー視している大人こそ、頭の中が歪んでるのでは?と思ってしまいます。

以前飲み会で、私が何故性教育をしたいのか語った時、「性暴力を受けたことがあるなんて言わない方がいい」と諭されたことがありました。

泥棒にあって、大事なモノが盗まれたら盗まれたと言えるのに。

モノより大事な体が傷つけられた時は、被害者の方が泣き寝入りしなきゃいけない文化は、絶対におかしいと思うんです。

日本の法律では、性的同意年齢は13才となっていて、これは明治から変わっていません。

【2023/12/12追記】2023年7月13日より13才→16才に改定されています。ただし13才〜15才は年齢差が5才以上ある場合にかぎり処罰対象となっています。

16~18才  アメリカ(州により違う)

16才  カナダ  イギリス  スペイン  韓国

15才 フランス  スウェーデン

14才 ドイツ  イタリア  中国

13才 日本

これはすなわち、13才を超えたら、暴行や脅迫があったことや、被害者が抵抗したことが立証できなければ、加害者を罪に問えないということ。

大人だって、理解していたって、被害にあえば思考停止する出来事なのに・・・。
中学生が、正しい判断や抵抗をすることができるとは到底思えません。

もし同意年齢が低いのであれば、その分、諸外国よりも丁寧な教育が必要不可欠だと思いませんか?

先日、公園で保育士さんと立ち話するシチュエーションがあったのですが、去年から水着に着替える際に、男女に分けてパーテーションをする様になったそうです。

中には「まだ早いのでは?」という意見もあったそうですが、未成年が被害を受けた、強制わいせつの認知件数の1/3は小学生や未就学児です。

自分が何をされたか分からない、おかしさを感じられない場合、助けを求めることはできません。

だからこそ。子育て中のママパパはもちろんだけど、おじいちゃんおばあちゃんや、教育に関係する人達にも、ぜひこの国の性教育について考えてほしいと思うんですよね。

おじいちゃん、おばあちゃんだからこそ、伝えて欲しい性教育がある。

日々子ども達に関わる保育士さんや教員さんだからこそ、伝えて欲しい性教育がある。

今はコロナで外部の人間が入りにくい世の中でありますが、教育関係の皆様、ぜひ性教育を伝えているこんな人がいますって紹介してください 。

ぜひ教育現場に繋いでください。

性教育は、自分や他人の命を大切にする教育。体の話、命の話、性の話をタブーにせず、もっともっとオープンに話しができる世の中に変えていきたいんです。

私のセミナーなんて、ホントに小さな小さな活動ですが、1人ずつの意識が変われば、世の中は確実に変わっていくと信じています。

今は性教育の先進国として有名なオランダですが、熱心なキリスト教徒の国で、60年前までは日本と同じく性の話がタブーの国でした。

たった60年での大進歩。それを考えたら、日本だって必ず変われます。

子ども達やお孫さん達の明るい未来の為に・・・今できることを考えてみませんか?

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※2021/05/16に掲載した記事の再掲です。
#群馬  #性教育 #おうち性教育 #ポジティブな性教育 #性教育推進プロジェクト

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