RPAをきっかけに考えてみたいこと

RPAの導入にともない考えてみたいことは結構ありますね。

・生産性の評価はぶれていないですか?
・RPA導入はシステムより?HRより?
・時間について

今回はとりあえず、三つについて。

ひとつ目の生産性の評価についてなんだけど、生産性が何を指すのかは、ビジネスに寄って大きく違う。
けど、どんなビジネスも次のところが始まりであり、帰着だと思う。

客単価 × 客数

これ以上の売り上げは作れないし、結局ここでしかお金を儲ける仕組みは考えられないよね。

では、RPAを導入するに当たって、どちらに貢献するのだろうか。

客単価をあげるほうだろうか?
客数だろうか?

多くの場合、客数に対して「効率よくあげる仕組み」としてRPAがとらえられていると思う。

ネットにある導入事例なんかそんな感じだよね。

でも、導入の前に自分のところのビジネスにかかわっている人をよくみてみみて。

「忙しい」が口癖で、定時に仕事が終われないで、残業ばかりの人の方が「頑張っている」という評価になるような環境なら、自動化は危ないかも。

だって、効率よく仕事したのに、効率がいいとは言えない人を評価してしまっているのが現実でしょ?

効率よくやっている人の業務を加速するならとても意味があると思うけど(導入の時間も作りやすい)、効率のよくない人の仕事をロボットに任せても…って思いません?

まずは、生産性が高いという評価を事業においてどう定義していくか(定義は変わっていってオッケー!)。
その上でRPA導入で効果が出そうなところを探る。

こんなアプローチもありですね。

二つ目は、RPA導入はシステムより?HRより?

ソフトウェアロボットだから、システムよりに見えがちなんですが。

そう考えると、結構やっかいですよ。
費用対抗やランニングコスト、そんなものを「可視化」しつづけなきゃならないし。

いや、可視化は必要。

けど、数字の恩恵は正直「?」がつきます。

それについてはこの次の「時間」についても読んでくださいね。

むしろ、副次的な恩恵の方が大きいかなと提供する側としては思います。
内容的には
「ロボットが実行することで、ミスが減る=リスク管理」
「人による時間が減るので、情報セキュリティが強くなる」
といったものがありますね。

こちらを全面に出すのは難しいですが、大きなメリットだと思います。

システムどっぷりって感じじゃないですよね。

次にHRよりか?ってことですけど。

私としてはメリットとしては、こっちの方が大きいかもって思ってます。

導入をシステム評価的にとらえるよりも、人的投資として考える方向です。

業務の整理にも時間はかかりますし、できるところからRPAに仕事をやらせる。

いうならば「アルバイト」が入ったような感じでしょうか。

ただこのアルバイト、ルールが決まっている仕事はミスなくやります。
やり続けます。

しかも、休んだりすることはありません。

覚えさせることは若干の手間ですし、気にかけてやる必要もありますが、ルーチン化されていれば、これほど優秀な人員はおりません。

育てる(教える)ために、業務を整理しておいて、手順を覚えさせるのは手間ですけどね。

HRとして、要員としてとらえてみるのもひとつですね。

最後に時間について。

システム導入においてコスト削減されるのは「時間」が多いですよね。
そしてその時間を「お金に換算して」評価しますよね。

でも、それは本当にその通りなのでしょうか?

例えば、100人の業務において、一人あたり一日5分使うシステムを集約して、一括処理したとします。
一日500分。
20日稼働なら一ヶ月10000分=約167時間のコスト削減。
金額的にはこちら業務の派遣さんの1時間単価平均1500円だから、約25万円の削減。。。

多分RPA導入ってこんな感じでコスト計算してますよね。

大切なのはこの浮いた金額「業務の生産性向上に再投資されていますか?」ってことです。

約1人分のコストに近いですよね?
この集約のRPAを導入して、人が101人の時の生産性と同じぐらいになったんでしょうか?

多分、そんなことないですよね。

大切なことを言います。

時間という資産は再分配出来ないからです。

100人いようが、浮いたのはやはり5分なのです。

例えば1つの作業が10分ぐらいかかる場合、5分という時間ができてもあまりインパクトはありません。

そして、その5分を集めて500分にして業務に還元するのはかなり難しいと思います。

では、5分は意味がなかったのかというとそんなことはなく、これを続けて30分とかに出来た場合、それは効率化へのインパクトとしては大きいと思います。

よくRPA界隈(システム界隈といってもいい)で見かける、年間○千時間浮いた!なんてのはこんなトリックかもしれません。

とはいえ、自動化の恩恵はその仕組みが企業の活動に根付いてからだと思うので、どんどんトライした方がいいと思い舞う。

最後に数字(時間)に関する考察を交えてみましたが、その点を踏まえて再度、生産性の評価、導入目線(システム?HR?)なども、見つめ直してみるといいでしょう。

導入においてはその評価軸を整えておくのも大切です。

不明な点はお知らせください。

いろは

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