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絵を長年描いてる人の隣に座ったら、さっきより、絵が上手く描けた話

メトロノームを、たくさん置いて、時間差でスタートさせると、しばらく経ったら、みんな揃ってくるというビデオを見たことがある。世の物象は、人間を含み、どんなに細かく、ささやかでも、リズムをきざんでいると言える。それらは、比較的、短時間の間に、同調、同期する運命にあるのかもしれない。ただ、同じ振動で、振れている場合だけだろう、けれど。

なぜ、同期するのかについて、下記のサイトで、説明をしているのを見つけた。数式も、ちゃんとあって、驚きである

https://note.com/masa_kazama/n/n8cfe87701107

長く結婚してる夫婦の顔が似ていると、感じることなんかも、これに関係してるのかもしれない。

で、タイトル通りのことが、先日起こった。

私は、週に何度か、5時から1時間半、ヌードをスケッチしている。

人物画は、4、5年描いてるけれど、『上手く描こう』と思っているわけでもないのだけれど、どんな風に描くのも、難しい。さて、先日、最初の20分経った時、「やっぱり、描けない。場所が、モデルから遠くて、悪いのか。」と、環境のせいにしていた。すると、休憩時間に、知り合いのキューバ系アメリカ人、Jが、「俺の隣の席空いてるから、座ったら。」と言ってきた。「なら。」と、そっちに、荷物持って、移動した。

私が座ると、Jが、私のもう一方の隣に座っている、白髭男性を指して、「その人、めちゃくちゃ、良い油絵、描くよ。」と言う。「え、そうなの。」とか言ってると、休憩は終わり、モデルがポーズをとって、みんなで描き始めた。

Jとは、今年話すようになった。数十年描いてるベテランで、人物画キチだ。金曜日に5時間、土曜に7時間、日曜の3時間とか、描いている。学校から、賞をもらったりもするが、欲がなく、展示して、みんなに見てもらいたいとか、販売したいとかは、ないようである。そのあたり、私とは違ってるけれど、私も、基本、キチな人なので、話が合い、挨拶したり、絵のことなど、雑談している。

白髭男性も、見るからに、ずっと描いてきた雰囲気だ。

で、始まった次の20分、私は、さっきより、格段、鉛筆が進むというか、描ける感じがした。これは、隣に座ってるいる人の、技術に同期しているというよりは、集中しているのに、同期している風だった。腕が動く感じが、すごいなぁと思った。

さて、その後、この体験について、考えた。要は、『環境は、大切』だということだろう。けれど、私は、さらに、飛躍して、『友人は、選ぼう』という話に、通じている気がする。

普段付き合っている人は、選べる場合と、選べない場合がある。友人は選べる。

それほど、好きでもないし、話しも合わないけれど、なんとなくだったり、理由があったりで、友人付き合いしていたりするものだ。でも、明らかに合わないし、好きでもない人と、選べるのに、時間を過ごすのは、相手にとっても失礼だし、自分にとっても、あまり良いことがないのでは、と思っている。

数分隣に座ったくらいで、同期する人間という存在。選べる場合、好きなものに、同期するのが自分のため、ということじゃないだろうか。

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