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治外法権の不気味さ

昨日第2話が放送された「VIVANT」、大人気となっているドラマです。この記事を読んでくださっている皆さまの中にも、ファンは多いのではないでしょうか?

大まかなストーリーとしては、大手商事会社の一社員が海外の会社にご送金をしてしまい、それを回収しに行く途中で、国を揺り動かすほどの大きな陰謀に巻き込まれてしまう…というもの。

第1話では「VIVANT」とはなんぞや?となり、第2話では、「VIVANT」とは「別班」(自衛隊の秘密裏の組織)のことではないか?と言う流れになってきました。おそらくは、しばらくはこの流れで話しが進んで、中盤越してから実はミスリードで別の意味があったんです…とか、「VIVANT」と言う文字が全部真ん中で縦に割ると線対称になることから、主人公に二面性がキーになってくるだろうと予測しますが、いやいや、今回お話ししたいのは、そういう事ではなくて…

このドラマでは国家間の関係性がいろいろと興味深く描かれていますが、皆さんはどんな感想をお持ちになられましたか?

今回の第2話では「大使館」「治外法権」というキーワードが頻繁に出てきます。よく聞く単語ではあっても、皆さまにはあまり馴染みが無い…というか、実は「大使館」や「治外法権」がどういうものか、実はよく知らないんだよねって方がほとんどではないでしょうか。

まず外務省の機関である「在外公館」には「大使館」や「領事館」と言ったものがあります。「大使館」は大使が長で、主に国家間の外交交渉を担っています。一方「領事館」は領事が長で、外国で自国民の保護を目的とした業務を行う施設です。どちらも「治外法権」が適用される場所となっています。

そしてその「治外法権」がどんなものかというと、通常外国人は仕事や旅行で自国外の国に滞在した場合、その国の法律に服さなければなりません。しかし、その「治外法権」が適用される場所に限っては、在留地の法に服す必要はない…ということになります。なので、よく映画やドラマで見るように、逃亡犯や亡命を希望する人が「大使館」や「領事館」に逃げ込んじゃったりするわけです。

犯罪を犯すわけでもなく、亡命したりするわけでもなければ、「大使館」や「領事館」はまず縁の無い場所なのかもしれませんし、「治外法権」を感じる事も無いでしょう。

しかし数年前、私はそれを肌で感じてしまいました。クライアント様が家具を「大使館」だったか「領事館」だったかよく覚えていおりませんが、納品に行くことになりました。室内の装飾もかなり豪華なので、その設置された様子を撮影して、自社のプロモーションに使いたいから、カメラマンをお願いできないか?と。

私はごく普通に二つ返事でOKしたのですが、クライアント様に念を押されました。「「大使館」や「領事館」は治外法権だから、何が起こっても日本の警察は立ち入れないけど、それでも大丈夫ですか?」と。

これにはちょっとビビりました。

私:「何が起こっても…というのはどういう事を想定されているんですか?」

クライアント様:「大袈裟かもしれないけれど、殺されても拘束されても日本の警察は入ってこられません。」

そんな話しをうかがってから撮影に行ったら、施設内ですれ違う人たち全員が怪しく見えてきてしまって、この笑顔の裏にどんな顔を隠しているんだろう?と、撮影をしながら気が気じゃありませんでした。

当時は私も若かったので、そのようなスリリングな状況も恐怖と共に楽しくもあったのですが、いま考えれば、危険手当として割増し料金貰っておくんだったー!と、ものすごく後悔をしておりますよ。

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