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まるで波打ち際の細波のように私のイメージに触れては逃げてゆく細波のある風景写真というアンチテーゼにも似たタイトルを付けたら、無性に絵が描きたくなった件。

マガジン "Sha-Gaku手帖" の記事です。
私のこれまでに撮ってきた写真たちをメインテーマにした記事・写楽Sha-Gaku。色と光と影を私の好みで捉えたものたち。写すことを楽しむ私の手帖です。


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まるで波打ち際の細波のように私のイメージに触れては逃げてゆく細波のある風景写真というアンチテーゼにも似たタイトルを付けたら、無性に絵が描きたくなった件。


先週の日曜日に撮った夕暮れどきの関屋浜。

3月に入ってもう少し春めいた夕空が見られるようになったら、目的にしている角田浜(角田岬灯台の見える砂浜)で夕景を撮ろうと計画しているのです。
そのために近場の関屋浜で試し撮りとかして、自分のイメージに合うような設定の確認などをして写真撮影を楽しんでいましたです。

砂浜に寄せては返す〝浅瀬の波の形状的な美観性〟を出したいと思って、できるだけスローシャッターで、〝この波の表情はイメージ通り〟と思うタイミングを狙っていました。

けれど、波にもその日の気象によってリズムが違うし、そのせいでタイミングを逃してしまう……という日もありまして。
うつつであるがゆえに儘ならない自然を相手にするものなのだから、それを狙うだなんて途方もないことだと分かってはいてもね……

それでもナントカやっとこさ撮れたです。
波には私のイメージから逃げられてばかりでしたけれどもね(笑)……タイトルの意味、わかってもらえたですかねぇ?😅

この写真、真ん中よりやや右側の波打ち際に、白い日傘を差した白いワンピの女性を立たせてみたいなあと思ったです。白地が少し夕陽に染まったように佇ませたいやも?……久しぶりに油彩画で描いてみたくなりましたです。

写真で見ると、やや直線構成で面白味が足りないかもしれないですけれど、油彩画で波の表情をドライブラシで描いたら見応えは生まれるよなあって、完成した絵を想像したら、これまた描いてみたくなったわけなのです(笑)


描くこと自体は簡単なんです実は(笑)
ただ画家であることの拘りがありまして。実際、筆を握ってカンバスに色を乗せて塗るというよりも、筆の形状を生かして色を描いていく(凹凸感とか濃淡感、質感などを出していく)ことになるのですけれど、そういった筆やナイフの特徴を生かした描画技法とかもあって、そこには画家の生きてきた経験や人生観が浮き出てくるものなので。

〝浅瀬に仇波〟を地で行くような〝想いとか深みがなくてただ技巧をひけらかしただけの絵〟になるのは、芸術家の端くれとして絶対にイヤなんです。
でも私には人生の深淵を覗くにはまだ足りないものがある気がして、出来れば60歳になるまでのあと2年間のうちにそれを見つけ出してから、再び油彩画に取り掛かりたいと思っているんですよね……ずっと担当してくれている美術商のディーラーさんには待たせてばかりで申し訳ないとは思っているのですけれど💦

それでも私にとって、画家休業中の今の時期は、芸術と人生の両面において、言わば学び直しの時間なのかもしれないです。

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