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【meets】#2 桜輝さらさん~『アート(表現活動)で”自由”に自分を表現することの大切さ』を追求し活動を広めている人

インタビュー専門ライターのいろろです。
このマガジンでは、私とご縁があった方の魅力をインタビュー企画としてお伝えします。
今回は第2回目として、桜輝さらさんにインタビューをしました。

桜輝さらさん

あるワークショップでオンラインで初めて桜輝さらさんとお会いし、『アーチング®』を広める活動をされていらっしゃることを伺い、ワークショップの限られた時間とは別に、インタビューのお時間をいただくことができました。
「一般社団法人世界ア―チング協会」の代表として活動していらっしゃる桜輝さらさんに、協会を設立した”想い”をインタビューを通してうかがうことが出来ました。

桜輝さらさん
心理学系の大学で「芸術療法」を専門に学び、高校生専門のカウンセラー、メーカーの人事職、そして幼児教室の講師として、幅広い世代の人の”心”に向き合う仕事を経験。
プライベートでは1児の母として、子供の心の変化に気付くことが大切だと考え、大学時代に学んでいた「芸術療法」を実践。
自分の子供の心の成長を実感し、多くの人に「芸術療法」の良さを広めたいという想いから「一般社団法人世界ア―チング協会」を立ち上げる
【一般社団法人世界ア―チング協会】:代表
・HP:https://www.world-arting.or.jp/
・LINK:https://linktr.ee/arting
・Instagram:https://www.instagram.com/world.arting/
・LINE:https://lin.ee/1bNL136
【アーチング絵本】
・『あめあがりのそらに』
  動画:https://youtu.be/uACO5q_toLE
・『きみってとってもすてきだね』
  動画:https://youtu.be/To1n_BMSkeg
アーチング®:ART +Ing 
アート(表現活動)を通して、ティーチング・コーチング・カウンセリングなど、相手の状況に応じた技法を用いる事により、自らの心を見つめ、人が本来持っている能力を引き出し、人々が自信を持って社会へ旅立っていけるように手助けをする活動。
アートで自分を表現する事で、心身の解放・創造性の高揚・自己発見の促進・問題解決能力・コミュニケーション能力促進等、あらゆる効果が得られます。また、アートはジャンルが幅広く、こども~高齢者まで柔軟に対応ができるため、医療・福祉・教育・企業など、あらゆる分野において、社会問題を解決したり、未然に防ぐことが期待できます。
「一般社団法人世界ア―チング協会」のHPより

■周りの人の心の問題に向き合いながら育った中学・高校生活

ーーー心理学に興味を持ったきっかけを教えてください。
幼馴染の親友がいて、勉強も出来る活発で明るい子だったんですが、私とは別の高校へ行き、躁うつ病になってしまったんです。心の病で薬を沢山飲んだり、病院に通ったりしている姿を見て、助けたいという気持ちになったのと同時に、その子と仲良くしていた子たちがどんどん離れていってしまう状況に対してとても切ない気持ちになり、何とか力になれないかと思い心理学を学んでいきたいと思いました。

あと、親せきや友達にも不登校の人が多く、心の問題に向き合うきっかけを沢山もらえていたのも影響していると思います。

■自由に表現することは、楽しくて”大切なこと”であると知る

ーーー大学ではどんなことを学ばれましたか?
臨床心理士になりたくて大学に入ったんですが、たまたま『芸術療法』という分野に出会い、興味を持ち専門的に学んでいました。
臨床心理学の中で、2,3年目からが専攻が分かれる時期に、臨床心理学や精神病理学、カウンセリング、スポーツ心理学などいろいろ学んだ中で「芸術療法」の分野を選びました。
「アートセラピー」や「芸術療法」という言葉自体、まだ日本に浸透していなかったので、専門的に学ぶことが出来る場所も少なかったと思います。
ーーー「芸術療法」のゼミでは具体的にどのようなことを学びましたか?
「箱庭療法」などカウンセリングで使われる心理療法があり、遊びながら心を癒していく方法がある事を学びました。
他にも、指に絵の具を付けて塗ったり、写真を撮ること自体がセラピーにもなったり、色んな芸術療法がある事を知りました。 
土を使ったクレイアート・陶芸も体験し、大学内の山の中に登り窯を2年くらいかけて作り、その窯で火入れをし作品を完成させるまでの体験もしました!
男の子たちは率先してレンガを運んでくれたり、私は写真撮影や料理を作ったりして、グループでモノづくりをすることを通して、何をしていても良いという自由で見守られた空間の中で、人との関わりや役割・心理的な相互作用・心の動き等を実践的に学ぶことが出来ました。
ーーー仲間と特技を活かしながらモノづくりをするのは楽しそうですね!
すごい楽しかったです、大学内でも特殊なゼミだったと思います。

ほかにも、並行して発達障害児支援のボランティアスクールの活動にも参加していて、音楽療法やイルカセラピー、学習支援などを行っていました。
自閉症の子たちが音楽で表現することで、自分の気持ちを発散して、日常の生活がちょっとずつ改善していくのを見て、表現することは素晴らしいことなのだと感じました。
大学での授業やボランティア活動を経験して、『表現することが生きることそのものである』という言葉が、腑に落ちたんです。
ーーーもともと芸術に興味を持っていらしゃったのですか?
3歳くらいの頃から、地元でお絵描き教室に通っていました。
先生が、大きい車の後ろに画材を沢山積んでいるのを見て「魔法のトランクだなぁ」とワクワクしながら見ていましたね。
基本は水彩画と油絵だったんですが、工作をすることもありました。
自由な先生で、否定も肯定もせずに、表現することを全て受け止めてくれて、絵を描くことや表現することが楽しかったですね。

■人の心と向き合う仕事を続けながら、子どものために心理学の専門知識を追求

ーーー大学卒業後はどんな仕事をされていましたか?
「芸術療法」の分野に興味はありましたが、専門的な仕事が少なかったので、カウンセラーとして現役高校生専門の個別指導塾で進学相談を担当していました。その後、結婚して子育てをしながら、メーカーの人事職など、人の心と向き合う仕事をしていました。
ーーー心理学で学んだ知識は仕事だけでなく子育てにも取り入れていらしたのですか?
娘も私もお絵描きが好きで、「表現することはとても良いことだ」と知っていたので、小さい時から一緒にお絵描きをする時間を大切にしていて、生活の中で芸術療法を取り入れていました。
描いた絵から娘の心の状態を感じとり、接し方を考えることもありました。
ーーー絵を通して、お子さんの心の状態を知ることを大事にされていたんですね。
ちょっと聞くのが辛いかもしれないのですが、、、
娘が誕生してから元夫からDVを受けていて、3歳の時に、娘を連れて住んでいた家を離れました。
実家に帰ったのですが、体もアザだらけで、心もボロボロで、床に伏していました。そんな私を見て、娘が、か細い声で『お母さん大丈夫?』と声をかけてきてくれたのです。娘も傷ついているのに、心配させてしまったと気付きました。
「面前DV」といって、DVを受けている親をみた子供の心も深く傷つくので、子どもの心のケアをするために本などで勉強をしました。
そして、より深く知りたいと思い「子供心理セラピスト」という講座を受講するためにスクールに通いました。
その中でアートセラピーに再び出会い、大学時代に学んだ「芸術療法」や、子育てで実践してきた”絵を描くこと等で表現すること”がとても大事で、効果があるものだと改めて学びました。
その講座では、心に問題を抱えた子供のセラピーに関してより実践的に学ぶことが出来ました。
ーーー講座で学んだ内容はお子さんとも実践できますね。
そうなんです。娘と話す中で、心にモヤモヤがありそうだなと感じた時は、「少し絵を描いてみる?」と声をかけて一緒に絵を描くことで心の対話をしていました。
絵を描くことや対話を日々繰り返すことで、子どもが自分自身の心の中と対話が出来る様になりました。
ーーー実際にお子さんの心の状態が良くなっていったのですね。
すごく良くなりました。こんなに良い効果があるなら、この活動をもっと広めていきたいと強く想うようになりました。そして自分自身も学び続けたい素晴らしい分野であると確信しました。
自分の感じていることや考えていること、思っていること等をアートに表現することは、私自身の経験としても、とても良いことだったと実感しています。

■「絵本アーチング®」を世界に広めていきたい

ーーー絵本を使った「芸術療法」は大学時代にも学ばれていましたか?
大学時代に学んだ「芸術療法」の中に絵本を使うものはありませんでした。
子育ての中で、絵本を通して子どもと一緒に関わることがとても楽しかったんです。毎週のように子供と図書館に行って、絵本を10冊くらい一緒に選んで借りていました。そして絵本を読むことで、子供の心も自分の心も癒されていることを感じていました。
ーーー絵本を使ったコミュニケーションを大事にされていたんですね。
そうですね。娘が小さかった時に実家に帰った時も、私の父親の横に娘が座って、絵本を読んでもらっている姿を見て、絵本と大人と子供との関わりが子育てや教育にとても良いことだと思いました。
幼児教室でも積極的に絵本を取り入れていました。
ーーー「絵本アーチング®」は絵本を通して感じた想いをイメージで表現するのが特徴的ですよね。
絵本アーチングは、絵本の読み聞かせと、「アートセラピー」と「コーチング」を組み合わせたワークショップとして子どもから大人まで楽しめるように、独自に開発しました。
使用するオリジナル絵本は、楽しみながら、”考える力”や”自分を信じる力”、そして”未来へ向かう力”などを養う為のコーチングの要素を取り入れています。
ーーー私もYouTubeの動画で『きみってとってもすてきだね』を拝見して、イメージを描いてみました。
やってくださって嬉しいです!実際やってみてどうでしたか?
ーーー自由にイメージを表現することは自分の心の内面を見つめるような感覚でした。書き終えたときはスッキリした明るい気持ちになりました。
心の内側に問いかけるように、人に気付きを与えるきっかけになればいいなと思って作っているので、そう感じてくれたことはとても嬉しかったです。
言葉と違って、アートは形がないものなので、自分で答えを導き出せるんです。子供だけではなく、大人にもとても良い効果があるので沢山の人にこの活動を広めたいです。

■学校教育の中での「アート」の取り組み方も変えていきたい

ーーーアーチング®の活動を広めるために「一般社団法人世界ア―チング協会」を設立したのは、どんな想いが強かったんですか?
私も娘も、アーチング®によって、とても良い方向に変わることが出来たので、私のように悩んでいた人でも変われるということを伝えたいです。
すごく辛い経験をして苦しんでいた過去の自分に対しても「大丈夫だよ」と言ってあげたくて、今同じような想いをしているお母さんや子供にも、アーチング®を通して、自分自身と向き合って、心を癒して、自然に前向きになっていける人が増えたらいいなと思っています。

ーーー将来的にどんな活動にしていきたいですか?
小さい頃からアーチングに触れる機会があれば、その後の成長にも良い影響があるので、教育課程でもアーチング®が取り入れられるようになるといいなと考えています。
お絵描きが大好きだった娘が、絵を嫌いになってしまった時期があったんですね。話を聴いたら、小学校の先生に絵の描き方について指摘されて、自分の表現を否定された気持ちになっていたんです。
私自身も、幼稚園の頃から楽しくて通っていたお絵描き教室で似たような経験がありました。高校生まで通える教室だったので、中学生くらいになると、技術的な部分で人よりも劣っていると感じたり、周りの才能のある子の絵を見て自信をなくしたこともあり、通うのを辞めてしまいました。
「アート」の技術を高める教育ではなく、“自由”に楽しんで「自分を表現すること」は大切なことだという考えを広めていきたいです。
幅広い世代の人にアーチング®を体験してもらいたいので、地道にコツコツと少しずつ広げていきたいです。

■ご紹介(ブログ,書籍,twitter)

【アメブロ】

【絵本関連グッズ販売】

【twitter】

編集後記

絵本のクラウドファンディングを達成され、沢山の方が応援している桜輝さらさんの素敵な活動。
「宣伝があまり得意ではなくて、、」とおっしゃるさらさん。
インタビューを通して、人との出会いを大切にしていらっしゃるお人柄に触れ、同じ志を持った仲間の輪が自然と広がっているのだと感じました。
包み込むような優しさの中にも強い信念があり、ご自身の経験の中から生み出した「アーチング®」という素晴らしい分野を確立して広めることで、「世界に笑顔を広げる活動をしていきたい」と、楽しく語ってくださいました。
私もこの絵本で子どもと関わってみたいと思ったので、まずは身近な姪っ子と会った時に、この絵本で一緒にお絵描きをしたいなと思いました。
「アーチング®」を広める活動、私も引き続き応援していきます!

★インタビュー後に、素敵なプレゼントをいただきました!

さらさんからいただいたプレゼント

見ると心が和やかな気持ちになる、とても大好きなさらさんの絵を、名前入りでプレゼントしていただきました。
お忙しい中、貴重なインタビューの機会を下さり、そして素敵な絵をプレゼントしてくださり、本当にありがとうございました。

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