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草木染めと諸行無常の精神

四季を感じながら、身近な植物を使った草木染めやモノづくりを楽しんでみませんか?

今日は、草木染めの取り扱いについて。

その前に、なぜタイトルに諸行無常と
書いてあるのかというと、

諸行無常とは、
この世のものは、たえまなく変化をしている
という真理。

これが草木染めにも言えることだなぁと
思ったから。

いやいや、この世のもの全てに言えること
だから、草木染めに限ったことでは
全く無いよと思った方、

....その通りです。

でも、変わってほしく無いのも人情。
自分のことを好きだと言っていた人が、
突然自分のことを好きじゃなくなったら、
寂しく思う。

それはさておき、
せっかく少し良いものをと思い、奮発して
草木染めのストールを買ったのに、
色が変わってしまったとか...

草木染めの色合いが好きで、
洋服を買ってみたら、色が薄くなって、
最初の色と随分変わってしまった...
などと草木染めのものは色が薄くなったり
変化しやすい。


特に、紫外線によって色素が分解して
薄くなりやすい。

10年以上前に、ニュージーランドで1年間
暮らしていた時、日本よりも紫外線が
5、6倍強いと言われていて、
夏場の服の退色が早いと感じた。

化学染料でも退色しやすいということは、
植物染料はもっと退色しやすい。

例えば、ブルーベリーや葡萄の皮などに
含まれる赤、青、紫系のアントシアニン
色素は、1回洗濯して外干ししただけでも
かなり変色する。

赤みが抜けて、灰色っぽくなる。
例えば、以前葡萄の皮で染めた
レッグウォーマーは、下の写真のように変化。

染めたてのレッグウォーマー

他の洗濯物と一緒に外干ししたら↓

1回洗濯(外干し)


草木染めのものは、紫外線の他に、
食べこぼし、汗、蛍光灯、大気、金属、
酸アルカリなど
、色々な影響を受ける。


それなら、自分で染めた服や小物類を
どうしているかというと、
洗濯する時には、ネットに入れて
中性洗剤で洗って陰干しをする。
(ただ時々忘れてしまう...)
そして保管は、クローゼットの中で、
なるべく光が当たらないようにする。

草木染め製品を扱っているお店の
取り扱い方法を見ると、
お店によって多少の差はあるけれど、
1番多いのは、中性洗剤+陰干し。


草木染め製品は布の状態で染めたのか、
糸の状態で染めたのかによっても
色の変化は違う。
糸の状態で染めた方が変化しにくい。

また、全ての染料では無いけれど、
植物性繊維(綿、麻など)よりも
動物性繊維(シルク、ウールなど)の方が
染まりが良くて色持ちも良い。
もちろん洗濯する頻度によっても。


自分が草木染めをする時には、
気に入らない色になったら、
上から染め重ねれば良いやと。

ただ、絞りや模様、ムラができている所に
上から暗めの色をかけても、
余計に目立つ場合がある。

草木染め製品を販売している店舗では、
重ね染めサービスをしていることもあるので、
それを利用するのも一つ。


ただ、1番良い方法は
自分の心持ちを変えること。

草木染めのものは、そういうものだと。
どんなに丁寧に扱っても、
色落ちしたり、
色変わりしたりするもの。

人の心と一緒で、
仏教でいう諸行無常という言葉が
ぴったりかもしれない。

これに懲りずに、
草木染めに興味を持っていただけたら、
ぜひスキをしていただけると嬉しいです!


とはいえ、1000年以上前の布が
鮮やかな色を保って保管されていることは
本当に凄いなと思う。
自分には到底できないけれど。

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