見出し画像

モノの価値とは何だろう?

すぐにできるものや、
簡単にできるもの。
世の中は、便利なもので溢れている。
時間がかかると生産性が低いとか
効率が悪いとか。

機械と人間を対比すると、
どうしても歪みができる。

この前、ある人が言っていた。
「手作りのものは高いのよねー。」と。
手作りマルシェで、
欲しいと思った髪留めが高いので、
買わないで帰って来たそう。

当たり前だけれど、
工業製品の価格と、作家が手作りした物の
価格は全然違う。

100円ショップの存在は罪だなぁと常々思う。
安さにつられて、ついつい買ってしまう
残念な自分も。

前置きはさておき、
前回インドアカネ染めについて書いた時に、
ニホンアカネについて少し検索したら、
驚く記事を発見した。

大正時代に茜で染めた真っ赤な布。
100年以上経ってもとても鮮やかな色。
この布の染め方がすごい。
手間と時間と染料が沢山費やされている。

この染め方の手順は、
まず草木を燃やして灰を作り、
水と混ぜて灰汁にする。
その灰汁で、布の下染めを約120回。
灰汁に浸しては乾かす作業を、
1年〜2年ひたすら繰り返す。

布の下染め後、約1年間布を寝かせて、
灰汁がむらなくいきわたるようにする。
その間に絞りなどの模様を入れる。

この布を10〜12回茜で染める。
染液を作って染めて乾かす作業を10回以上。
最後に、色を落ち着かせるために
桐箱などに入れて数年保管して完成。

職人の根気に脱帽する。
1日かけて草木染めをするだけで、
今日はよくやったなぁって思っているのに、
これと比較すると、
自分がやっているのは、
草木染めごっこ
と言った方が良いかもしれない。


モノの価値は、
ただ置いているだけだと見えないことが多い。
見る人が見れば分かるかもしれないけれど。

何てことを考えながら、
木工作家が作った掛時計が良いなぁと
一瞬思って、
ちらっと値段を見た瞬間...

やっぱりいいや。
と思ってしまった。

買うか買わないかはまた別の話。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?