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ジョルジョルオー展の何がよいか

パナソニック美術館が開館20周年を期して開催しているジョルジョルオー展に行ってきました!
その日のストーリーに勝る感想はない、とも言いますが、今でもまだ遅くないと思うので書いてみます。

ちょうどマティス展に行ってきたので二人が同級生だった、しかも同じ師匠ギュスターヴモローに学んでいたというのが印象的ですね。

話は逸れますが画家の説明って往々にしてほかの画家との関係性が説明されますけどそうすることで絵画という世界の中でできるだけ相対化したい、マッピングしたい、っていうのが人間的な欲求なんだろうなとか思うわけです。

ということでルオー展の中身ですが、美術展の構成としては小さな教会の中をめぐっているようでこじんまりと、親しみやすい展示方法にとても好感を持ちました。パナソニック美術館の良さが存分に出ていたと思うのです。

最初にビビット来たのはたしかfigures and landscapeという作品で、全くもってルオーらしくはないんですが暗がりの中にぼわっと人が浮かび上がる様子が独特の孤独感と没入感を与えてくれて好きでした。

そのあとはひたすらセザンヌの良さがわからないことを悔いる時間でした笑。もうそのあとの画家の画風が確立された世の中を見てしまうとなかなかセザンヌの良さというのはわからないものですね….

さらに戦時中の作品群もかなり示唆的で心に響きました。この時代の宗教画家というのは、それなりのオリジナリティがあったと思うんですが、あの黒い縁取りの線が強いメッセージ性を帯びて迫ってくるんですね。

そのほか解説の中にあった茶色と青をここまで自然に配置できる人はいない、という誉め言葉にも感動しました。
そういわれてみるとたしかにそうで、言葉に鑑賞体験を形作られた瞬間でした。

とてもとても良い展示でした。おすすめです。

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