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【Event】マツダ株式会社 東京オートサロン2024の立ち位置【連続企画】

 2024年1月12日から14日にかけて、千葉県千葉市の幕張メッセで東京オートサロン事務局(TASA)が主催する「東京オートサロン2024」が開催された。
本記事では、出展した企業を幾つか取り上げ、各社の様相を連続企画として描いていく。
第2回はマツダ株式会社の出展にフィーチャーしていこう。


走る喜びとそれが不可能となった時

 マツダ株式会社はロードスターやRXシリーズに代表される様な、デザインと走りの醍醐味を両立するような車作りを手掛けている。
その優美なデザインもさることながら、独自規格のロータリーエンジンを用いた新規車両の開発も進めている。
Japan Mobility Show2024でお披露目された「MAZDA ICONIC SP」はメディアだけでなく一般来場者からも高い注目を集めた車両となっており、そのセンスは現在も失われる事無く脈々と続いている。

 そんな同社が懸念する事柄の一つが、これからの高齢化社会等で頻発するであろう「足を動かせないドライバー」に対する自動車メーカー側のサポートの薄さだ。
足の怪我等で自動車の操作が行えない状況というのは、これまで問題なく運転できていた人物にとって想像以上に精神的な苦痛を伴うものである。
例えば地域における障害者向けや高齢者向けコミュニティバスなどの整備は徐々にではあるが進みつつある。
しかし今まで自分の足でドライビングが出来ていたユーザーからしてみれば、自分の動きたい時に動くことも出来ず、自分が「連れて行ってもらうしかない」という状況に変わりはない。
自力で車を動かせない以上免許や車両を手放すといった事も発生し得る。
コミュニティバスや親族が行きたいところに連れて行ってくれるといっても、それはあくまで「受動的」なものなのだ。

 そんな状況が続いた結果、ドライビングどころか人生そのものに対して前向きになる事が出来ず、結果として意欲を無くしてしまうケースが増えているとの事だ。
今回マツダ株式会社のブースで話を伺った説明員の方は、自身の母親が足を悪くしてしまい、元々ドライブが趣味という事もあってだいぶ気が滅入ってしまった様子だと切々と語って頂いた。
今は走れるかもしれない、でもそれが出来なくなる時にどうしたら良いかという備えは、今のうちからしておかなくてはならない喫緊の課題と言えよう。

走る喜びを「手にする」為に

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