【短編】虹を越えたその先で~康介の事~

僕は地元に可愛い後輩達が数名いるのだけど
今日は少し康介(仮名)について書こうと思う。

結構昔から顔は知ってて
いわゆる好青年!みたいなタイプで。

サッカーやってそうな爽やかな見た目と
誰かに少しいじられて顔を赤くしてるのを見た事があるぐらいで
喋る機会も特になかったのだけど

たまたま僕の車で康介を家まで送ってあげる機会があって

康介「星屑さん、良かったら今度ご飯行きましょうよ!連れてって下さい!」

「うん、また行こうね」

なんて軽い社交辞令のやりとりが数回あった

僕の後輩!というより、あんま知らない先輩が可愛がってる奴の1人
みたいなイメージやったから、
本気で行く気は特になかったのに

康介「星屑さん晩御飯もう食べました?良かったら今から軽く行きませんか?」と、突然具体的に誘ってくるから

僕は車だからお酒は呑めないけど康介が呑むなら行くか
と二人で餃子屋さんに行った。

ここの餃子屋さんはチェーン店やけどびっくりするぐらい美味しくて

康介「こんな美味しい餃子初めて食べました!!」
と笑う康介がやたらと可愛く思えた。

康介「実は相談したい事があったんですよ」
と突然真面目な顔をするから
「どした?」と話を聞いていると

新卒2年目の会社内での立ち回りに悩んでたり
会社に対して自分の費用対効果をどう上げていくか

みたいな話をしだして

嘘でしょ?真面目なの?20代前半でそんな事本気で悩むの?
どんだけ真面目なの?とちょっと笑った

「康介ってサッカーやってそうなイメージよね」

康介「ずっと野球やってました!」

「そっか、野球か、サッカーやと思ってたわ」

康介「ほんまは野球ですけど、今日からサッカーって言う事にします!」

「いやよくわからんよ笑」

康介「いや!俺サッカーやってました!」

みたいな他から見たら昭和のパワハラ完全対応気質!!な奴だ。

2人で餃子を食べに行った後は
連絡先の交換をして

やたらと連絡を取り合うようになった。

『星屑さん元気ですか!?』
『俺が元気じゃ無かった日、今世で1日も無い』
『安心しました!今日も頑張ってきます!』

『星屑さん元気ですか!?』
『元気やよ、そっちは?』
『元気なりました!今日も張り切ってきます!』

『星屑さん元気ですか?』
『俺の事おじいちゃんやと思ってるの?安否確認?』
『今日も張り切ってきます!』

あまりにも毎日来るようになったから
大事な用事はショートメッセージでくれとお願いした。

夜中に鳴るショートメッセージは
だいたい康介からだった。

康介『起きてますか?』
『どした?』
康介『ちょっとほんまにすみません、今まだ仕事中なんですけど』

康介の仕事は何日かに1日夜勤があって今日も朝まで仕事のはず。
なんか嫌な予感がしたから飛び起きて服を着替えながら

『どした?電話する?』

康介『いやまだお手洗いの中に居て…信じられへんぐらいお腹痛くて…』

『病院行く?俺が行く?救急車?』

康介『ほんま申し訳ないのですが、来てもらっても良いですか?』

『わかったすぐ行く、会社どこやっけ?現在地マップで送って』

康介『星屑さんマスクしてきて下さい すみませんインフルかもせんです』

車で迎えに行ったら
少しだけマシになったと言う康介を車に乗せて
病院へ連れて行った。

~続く~

次回虹を越えたその先で~病院にて~

お楽しみに!



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