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中国の家電ベンチャー「シャオミ」がカスタマーサポートの社員に"業界平均より3割高い給料"を払うワケ 広告にコストをかけるより有意義…外注を減らし、社員100%の実現を目指す #プレジデントオンラインPRESIDENT Online 2022/03/22 10:00 永井 竜之介 高千穂大学商学部准教授 2022.03.22

中国の家電ベンチャー「シャオミ」がカスタマーサポートの社員に"業界平均より3割高い給料"を払うワケ 広告にコストをかけるより有意義…外注を減らし、社員100%の実現を目指す #プレジデントオンライン


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中国の家電ベンチャー「シャオミ」がカスタマーサポートの社員に\"業界平均より3割高い給料\"を払うワケ 広告にコストをかけるより有意義…外注を減らし、社員100%の実現を目指す 永井 竜之介 高千穂大学商学部准教授


カスタマーサービスはなぜ重要なのか。高千穂大学の永井竜之介准教授は「相談窓口は、アフターマーケティングの一つといえる。顧客の不満を取り除き、中長期的な関係を良好に築くことが大切だ」という――。(第3回/全3回) 関連記事 「1位はM&A仲介会社の2680万円」平均年収が高いトップ500社ランキング2021 ※本稿は、永井竜之介『マーケティングの鬼100則』(ASUKA BUSINESS)の一部を再編集したものです。

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アフターマーケティングにお金をかけるAirbnb こうしたアフターマーケティングは、プロダクトの差別化の切り札にもなる。プロダクトの機能やデザインで差別化することが難しい分野ほど、優れたアフターマーケティングによって差別化できることが重要になる。
また、プロダクトそのものや、提供するプロセス、使用方法などにおいて失敗があったとしても、アフターマーケティングによって挽回することができる(サービス・リカバリー)。ビジネスの各プロセスにおいて、失敗を0にすることは容易ではないため、「いかに挽回できるアフターマーケティングを設計・実行できるか」は極めて重要な課題となる。 部屋を貸したい消費者と借りたい消費者をマッチングさせる新たな民泊サービスを世界中に広めたアメリカのベンチャー企業・Airbnbは、アフターマーケティングに多額の費用をかけているという。民泊サービスのプロセスで不快な思いやトラブルを経験した「泊める側」と「泊まる側」の両方に対して、航空運賃・宿泊費・修繕費・カウンセリング費用などを負担している。不満を持った利用者を放置してしまうと、悪いクチコミが増え、ブランドイメージが悪化し、利用者が減少する。こうした負の連鎖が生まれてしまうため、不満を早期に解消する重要性は高い。

「顧客と友人になる」中国家電ベンチャーの相談窓口 アフターマーケティングの1つである相談窓口は、あまり重視されず、ただ対応の数をこなせば良いように考えられることがある。相談対応業務のKPI(評価指標)として、対応した件数、問い合わせ電話・メールへの応答率、30秒以内に電話を受けた割合などが採用されやすい。これでは、肝心の「顧客との関係作り」や満足度は測りにくいこともあり、なかなか重視されにくい。しかし、アフターマーケティングの価値は、顧客の不満を取り除き、中長期的な関係を良好に築いていくことにこそある。 中国の家電ベンチャー企業・シャオミは、直営のカスタマーサービスセンター「シャオミの家」の相談対応において、従来のKPIをあえて採用せず、「顧客と友人になる」という一点のみを重視している。「相談窓口は、レストランにおける接客と同じ役割である」と考え、友人相手のようにリラックスした雰囲気で相談に乗る方針を徹底している。

シャオミはもともと、「顧客と友人になる」を企業理念として掲げることで、成長を続けてきた。顧客と友人関係を結ぶことで、友人と共に優れたプロダクトを生み出し、その評判を友人たちにクチコミで広めてもらう、という好循環を実現させている。そのように開発・販売・プロモーションを展開することで、「手が届く」「自分だけのものになる」「共に成長していく」ブランドとして受け入れられてきた。 カスタマーサービス担当者の給与は業界平均より2~3割高い そのシャオミの特徴の1つが、すべての社員に対して、カスタマーサービス担当者として顧客と友人関係を結び、顧客と一緒に楽しむ価値観を持つように求めていることだ。「顧客の相手は、カスタマーサービスに任せておけば良い」などと考えがちな新入・転職してきた社員とは、時間をかけて話し合い、そうした誤った考えを解消させる。

また、広告よりもカスタマーサービスにコストをかけた方が有意義であると考え、「シャオミの家」では、担当者に業界平均よりも2~3割高い給与を支払うようにしている。当初は、人手が足らずに社員40%・外注60%でサービスを運営していたが、社員75%・外注25%へ社員比率を引き上げ、早期に社員100%を実現させる方針を取っている。

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