見出し画像

銃をあつかう者の「祈り」について

銃についての風当たりが強い昨今。

むろん銃は命を奪うための道具なので、事故が起きたら銃所持者や銃にまつわるルールの風当たりが強くなるのは自然なことです。

私には猟銃持ちとして、みなさんにひとつ知っておいてほしいことがあります。

それは 銃は基本的に "弾を発射できない状態"になっている ということ。

・発射直前のタイミング以外で銃に弾を装填してはならない
・標的の背後に弾を受け止めるもの(※)がない場合に発射してはならない
     ※バックストップという。山の斜面など

こうしたルールが敷かれているため、銃は基本的に撃てないのです。言い換えれば 発射できる状態になっている銃は様々な条件を満たした特殊な状況下にある とも言えます。刃が出しっぱなしになっているカッターナイフをあまり見かけないのと同じです。銃が撃てる状態になるのは、標的があり、射撃の成功/失敗を問わず射手やその他の人間の安全が保証される場合のみなのです。

さらに銃所持者は 弾が入っていない状態でも銃を人に向けてはいけない と念を押して指導されます。万が一の過失で銃に弾が残っていた場合に大惨事が起きることを、日頃から予防しようという姿勢の現れです(詳しくはリンク先の漫画をご参照ください)。

他方で、残念ながら、人を斬りつける意図のある人がカッターナイフの刃を出しっぱなしにするのも事実です。理由はどうあれ、ルールを破って危険な道具を使用する人は、道具が安全に運用されますようにいう人すべての「祈り」を、残酷なほど簡単に無駄にしてしまいます。

銃には兵器としてのものだけではなく、シカやイノシシなど野生動物による農業被害を予防するための「農具」として運用されるものもあります。あなたと銃は一見関係ないように思われるかもしれませんが、野菜や果物を介して繋がっているのです。

だからこそ、この話を知っておいてください。

銃を運用する者、銃の所持許可を出す者は、銃が安全に運用されることを心から望んでいるということを。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?